第7話
そう、妹だ。妹のハナはそう叫んで俺の部屋に駆け込もうとしたが、開けたドアのところで立ちすくんでいる。うん、めんどくさい。もうすこし事情が掴めてからならいいんだが、今来られるとめんどくさい
そうか、それはハナのイマジナリーフレンドってやつだよ。怖がることはないんだよ。お部屋に戻って仲良く遊んだらいいんじゃない?朝になれば全部忘れてるから
と、優しく話してあげたら素直にお部屋に帰ってくれた
って展開にしたかったな。無理だよな。お兄ちゃんの部屋にも見たことがない悪魔と天使がいるもんな。気になるよな。どうしようか思案していると、ぬいぐるみの一団が妹の脇を抜けて部屋に飛び込んできた
「ヌ!」「アンチャン!」「ナニシテル!」「オキロ!」
カタカナでいろいろ言いながら、倒れている天使に青いぬいぐるみが群がる
「おにいちゃーんんん」
妹は混乱して泣きそうになっている。ちなみにこのぬいぐるみはペングインというマイナーなキャラクターだ。51匹で行動して青色が50匹黄色が1匹いる。黄色はすこし知能が高いと言う設定だから、話ができるかもしれない。俺は黄色いペングイン、キペングインを探した
「オマエタチサワグコトハナイ」
青いペングインたちの一番後ろで偉そうにしているキペングインがいた