第2話
「ふっん、ふーっん、ふぬうううう」
真夜中、俺の部屋で誰かの声がする
「ふああああああっはあっ!ぜー、ぜー」
夢かな、夢だな。筋トレをしている人の夢、そんなところだろう
「あのうっ!ちょっと!こんばんは!」
夢じゃないっぽいな
俺はいつも体の左側を下にして横を向いて寝ている。なんかネットでちらっと見て、胃が楽だとかなんとか書いてあったから、その通りに実践している。頭のいい人はうずくまるように寝るらしいのだが、やってみると膝がゴツゴツして嫌だった。でも夜にゴロゴロしてるのか朝になると全然違う方向に・・・
「すみません!聞いてますか!あなたの寝方なんてどうでもいいんですけど!」
俺はゆっくりと体の右側を下にした形になるように体をひねろうとした。こうすると胃がなんかよくない向きになるからやめたほうがいいと書いてあったので、できるだけやりたくないのだが、悪い夢は左側を下にしてるとよく見るとか、それぞれ寝方で良い悪いがあって一概には言えないとのことだったような。あ、でも左側を下にするようになってからよく手が痺れるな、なんか血が止まったみたいになって力が入らなくなるんだよな・・・
「もおーーお願いします!こっち向いてくださいよう!あなたの寝方や手の痺れについてはちゃんと時間をとって語り合いましょうっ!」
やれやれ、真夜中に声がして起こされるなんて普通にだるいな。そろそろ現実を受け入れよう。そう思いベットに腰掛け、声の主の方を見た