8 資本主義 お金を持つ奴が偉い
資本主義とは資本を持っているものが有利や優位であるものである。
こんなに日々を頑張り、つらい事や大変なこと、嫌なことにも耐え疲れているのに、人としての価値は上がらない。
資本を持つ人間が価値がある世の中である。
どれだけ頑張っているかとか、思いやりがあるなど、素晴らしい人間性であることに価値がない世の中である。
厳密には素晴らしい人間性に価値はあるが、貧乏であればあまり価値はない。
資本=お金、と敢えて定義した場合、お金を持っている奴が偉い。
その次にお金を引っ張ってこれるやつが偉い。
以降はそのお金を上流で受け取るか下流で受け取るかで偉さが変わっていく。
私なんかは下流だろう。
孫請け業者や曾孫請け業者からお金をもらっている。
日本で整理するとすれば
1、国(政府)や地方自治体
2、資本家(資産家) ※場合によっては地方自治体はこのランクかもしれない
3、大企業・政治家・起業家(実業家)
4、中小企業 ※場合によっては起業家(実業家)はこのランクかもしれない
5、零細企業
6、私
となるだろう。
今から大企業に就職なんてものは夢物語だ。
国家公務員や地方公務員も難しい。
当然、資本家(資産家)は論じるまでもない。
地方の市区町村の議員になるというところがギリギリ現実的な範囲になってくる。
あとはお金を引っ張ってくる人間もギリギリ現実的な範囲に入ってくるだろうか。
起業家(実業家)が数億の資金調達をしたという話はたまに耳にすることはあった。
お金を引っ張ってくる=資金調達、ということになるだろう。
では、資金調達とはいったいどうやっているのだろう。
最近聞いた話だと、とある元アイドルグループメンバーだった女性の夫が実業家で22億円を調達したというニュースがあった。
まあ、その女性が不倫をしていたというニュースの中で夫はどういう人物かの紹介でそのことを知ったのだが、いったい誰が、もしくはどこがそんなお金を出したのかが気になった。
融資だとすなわち借金である。
22億円を貸して回収する見込みがあるということだろう。
また、全てが融資ではないかもしれない。
国や地方自治体の制度などで助成金や補助金など返済が不要の資金を得ることが出来る。
助成金や補助金は必ず使うことが定められているため、少なくとも助成金や補助金として渡した金額分の経済効果は発生する。場合によってはそれ以上の経済効果が発生することが見込まれるから助成金や補助金を出すのだろう。
例えば1億円を資金調達したとする。
その2分の1の5千万円を補助金なり助成金なりで調達する。
もちろん助成金や補助金を出してもらえるだけの事業計画書を用意しないといけない。
また、そういった関連に強い税理士や行政書士、中小企業診断士などとのコネクションも必要だろう。
残りの5千万円は銀行からの融資になる。
もちろんこちらも銀行を納得させるだけの資料を用意しないといけない。
10年で融資分+利子を返済するとすれば、10年の生活費も上乗せした金額分の利益を出さないといけない。
1年の生活費に関しては、安く見積もって月収20万円のモデルを参考に分かりやすく250万円とする。
4年分の生活費を確保するとして1千万円。
9千万円を事業に使用できる。もちろん5年目には黒字になっていないと詰む。
また、10年で融資分を返済というのも最初の返済が5年後とかだと、なおさら大幅に黒字を出す必要がある。
分かりやすく考えるため、社員を抱えず、すべて外注でビジネスモデルを構築することで考えると、9千万円の内、3千万円で何かしらの商売のシステムを構築し、2千万円で事業を走らせ続ける体制を作る。
そして2千万円で広告を打つという感じだろうか。
残りは予備費で2千万円。
2千万円で事業を走らせ続けるというのは10年走らせることに対して2千万円だと年間200万円しか使えないので従業員を一人雇うこともできないだろう。
しかし、5年で2千万円なら年間400万円なので5年間を外注で賄うこともできるだろう。
当然ランニングコストは安くするに限るが必要となるランニングコストの考え方はこんなものだろう。5年で黒字化なので4年で考え年間500万円のもいいかもしれない。
広告も同様である。また、営業をかけないといけないこともあるので営業代行の費用も広告費に入れて考える。
さて返済計画だが、5年で黒字化して10年目に完済を目指すなら次のようになると思う。
注)返済総額を6千万円とする。毎年600万円返済×10年。
注)ランニングコスト=LC ※5年目まで固定で500万円とする。以降は毎年+100万円。
注)広告・営業費は年間400万円で固定。
注)1年目も税理士など各種士業への支払いとしてLCの一部が発生するが今回はスルー。
注)各種税金関連も今回はスルー。
注)生活費は固定で300万円とする。
スタート
(1億円)
1年目 ビジネスモデルを実行するシステムの構築を発注 生活費 返済
(-3千900万円 残り6千100万円)
2年目 (事業スタート)LC 広告・営業 利益100万円 生活費 返済
(-1千700万円 残り4千400万円)
3年目 (システム修正しつつ)LC 広告・営業 利益300万円 生活費 返済
(-1千500万円 残り2千900万円)
4年目 LC 広告・営業 利益600万円 生活費 返済
(-1千300万円 残り1千600万円)
5年目 LC 広告・営業 利益1千万円 生活費 返済
(-800万円 残り800万円)
6年目 LC(+100) 広告・営業 利益1千400万円 生活費 返済
(-500万円 残り300万円)
7年目 LC(+200) 広告・営業 利益1千800万円 生活費 返済
(-200円 残り100万円)
8年目 LC(+300) 広告・営業 利益2千300万円 生活費 返済
(+200万円 残り300万円)
9年目 LC(+400) 広告・営業 利益2千800万円 生活費 返済
(+600万円 残り900万円)
10年目 LC(+500) 広告・営業 利益3千400万円 生活費 返済
(+1千100万円 残り2千万円)
こう見ると、順調に利益が右肩上がりに増えても6~8年目が相当危ない。
何かあれば破綻する。
ただし、この辺りまで返済を滞りなく行っているのであれば追加で融資が受けられるので、何とかなるかもしれない。
肝心なのはこれくらいの調子のよさで利益をあげ続けられるビジネスモデルであり、参入する業界の市場規模がないと駄目であるということである。
そして、それを調べるための市場調査にまた費用が掛かり初期費用がないと手が出せない。
選挙に出馬すのにもお金がかかる。
初期費用を工面するために頑張ってお金をためても数年では数百万程度だろう。
どこかで上記のような10年計画の事業を始めない限りは貧乏人からは抜け出せない。
どうしても車を買ったり、家を買ったり、旅行に行ったり、美味しいものを食べに行ったり、遊びに行ったりしてしまうだろう。
こういう状態をラットレースというらしい。
ハムスターやネズミが回し車の中をひたすら走り続けるが、一向に前に進まない様子と、働いても働いても資産が貯まらない様子を揶揄してそう呼ぶらしい。
上記では資金の比率として融資が50%だった。
借りた分をそのまますぐに返済に回さないといけないのでジリ貧であるため、6~8年目が苦しくなった。
事業が上手くいったら株式を数十パーセント渡す約束などで資金を調達できればもっと安心はできるかもしれない。
ただ、融資の比率が多少下がったところで結局は市場調査やビジネスモデルの構築、事業計画書の作成などで初期費用はどうにか工面する必要はある。
頑張って節約して数年かけて初期費用を工面するだけの時間は私にはすでに残されていない。
初期費用を工面するための小さくコスパの良いビジネスモデルを探す必要がある。