1 私は行動を起こす
初投稿。
特に小説を書くことは初めてです。
稚拙な文章ですが読んでいただけると嬉しいです。
頑張って仕事の合間と毎日の体力と相談しながら書いていけたらと思います。
ストックは7話までです。一時間ごとに投稿予約してます。
以降は反響次第になるかもです。
私はこれから「R」と名乗ることにする。
特に捻りもなく元々の名前がアールス=スレイダルであったため単純にそう決めた。
今世での名前はもちろんあるが、これからの行動を考えると、とある漫画の「L」という登場人物に勝手にシンパシーを感じたことも若干補足しておく。
今世とは言ったが、私は転生者だ。
世間一般や小説界隈では【逆】転生というかもしれない。
いわゆる剣と魔法のファンタジーの世界から地球の日本という異世界に転生してきたのだ。
前世ではアルノテルダという王国の辺境にあるバップスという都市で冒険者ギルドに所属していたC級冒険者だった。
G級まである中でC級なのでそこそこ実力も知名度もあったと思う。
魔法も使えるしメインの武器としていた槍と護身用のタガーも短刀使いと言っていいほどの腕前だった自負がある。
基本的にはソロだったが臨時パーティーにはよく呼ばれていたのでソロとパーティーの活動は5:5くらいの割合で活動していたと思う。
魂に刻まれた性分というか性格は転生したとてあまり変わらないようだ。
前世ではガっと依頼をこなしてしばらく休む。もしくは1日狩りをして一日休むといったような程々に生活できるだけの金を稼いで体が資本だと休む。気が乗らないときは注意力が散漫になるためソロでの活動は避ける。もちろんパーティーに誘われているときは約束通りしっかりと働く。
辺境貴族(子爵)の五男(姉1>兄1>兄2>姉2>兄3>姉3>兄4>私5>弟1>妹1>弟2)として生まれた私は13歳で貴族としての寄親であるバップス辺境伯が治める領都バップスで冒険者ギルドに登録して30年やってきた。
器用だった俺はバランサーという役割で重宝されていたと思う。
今世でもそういった性格は変わらなかった。
基本的にしがらみというものが嫌いで友達は少なくて良いという考えで生きている。
仕事ではプロジェクトが円滑に進むように手配したり念のための準備をしたりすることが好きで、いわゆる文化祭の準備の期間が楽しいタイプである。
ただ、悲しいことにそういったことは今世ではあまり評価されない様だ。気づかない人も多い。
冒険者であれば依頼達成後に反省会を行ったり戦闘中に助けられたことなどの感謝を伝えあったりしていた。命に直結しているのだから当然である。
あの時のフォローがあったから。あの時に解毒ポーションを渡してくれていたから。というような感じである。
今世では、あの時に確認のメールを一通送っておいたから。予備のコピーを用意していたから。そういったフォローをしても何事もなくスムーズに仕事が出来たところで誰も評価をしない。
本来なら行わなくてもいいひと手間によって重大なトラブルを回避していることに誰も感謝しない。
二度手間や停滞の損失の回避がどれだけの利益につながっているかを理解していない人が多い。
せっかく転生したのに私はバカだったと思う。
前世でも今世でもどちらにせよお金は大事であることを忘れていた。
13歳で冒険者ギルドに登録をして何とか楽しくやってこれた経験や記憶があったからか、今世でも小学校卒業ごろには働きたくてしょうがなかった。
勉強にも意味を見出せず勉強が苦痛だった。今やっている授業なんて将来なんの役に立つと毎日思っていた。
バランサー的なスキルが評価されないということを知らなかったとしても40年以上を生きた経験から今世での効率のいいお金の稼ぎ方を勉強し考えるべきだったと思う。
前世のようにスキルがあれば個人事業主でやっていけるし場合によっては小さくても会社を興せるかもと今世の子供のころの私は思ってしまった。
今世では勉強は大事である。
もちろん前世でも大事ではあったと今となっては痛感しているが、あまり実感していなかったため今世での勉強という物の大事さに気づけなかった。
勉強というものはテストの点数を取るためにしているものだと思っていたが違った。
教師から教えられるものを記憶していく作業だと勘違いしていた。
自分で調べる力を養う練習であり情報収集能力を高めつつ、知識を高め、効率よくお金を稼ぐ準備であった。
また、大人となり社会に出た後に知ったが、富は集中している。
また、富は横のつながりで流れていて、縦には流れていない。
そのため、私立の学校にお金持ちの子供たちは通う。
効率よくお金を持つ者たちとのコネクションを築くためだ。
親が多少無理をしても子供を私立の学校に入れたがるという話はどこかで聞いたことがあったが、そこでコネクションを気づくことが出来れば、お零れであっても富が分配される横のつながりが確保できるからである。
そういった横のつながりを持たない者がそこに食い込むためにも勉強、もとい学力というテストの点数は大事だった。
それは私立に行かずともそれに匹敵するコネクションを気づくことが出来る東大や京大に入学することでそのチャンスるを得ることが出来る。今となっては気づくのが遅かったと思う。
私がバカだったと気づいた切っ掛けはいくつかの要因が重なった時だった。
ネット小説で異世界転生モノを読んだことが切っ掛けという情けない話であるが、貴族と平民についての知識差による富の独占や理不尽を認識したこと。
世界的感染症のパンデミックで仕事が激減したとこで、生活について考え直すタイミングがあったこと。
暴露系動画配信者の動画を見て芸能界の裏側や政治家の謎の力を知り察したこと。
某政治家の銃撃事件による政治の腐敗と宗教という隠れ蓑と権力を知ったこと。
これまでは色々と流れてくるニュースに酷いなと怒りを覚えたり疑問に思ったりしていたが、しばらくすると新しいニュースや仕事でさっぱりと忘れていた。
しかし、今回は違った。
時間がたっても頭の片隅に残り続け、次第に憤りが溜まるようになっていった。
自分の中で納得させるっことが出来ず、いったい何に引っかかっているのかを考え続けた。
考えに考えて行きついたのは、このままでは自分の生活が苦しいままだということだった。
もしかしたらもっと酷くなるかもしれないという可能性まで感じている。
税制もそうだ。
年金など社会保障もそうだ。
選挙制度もそうだ。
(一部の)法律が政治家のために作られていることに気づいた。
政治家が貴族化していることに気づいた。
どうしてくれようか。
私はギリギリの生活をしている。
私だけではない。国民から法律で富を政治家が吸い上げている。
馬鹿にされていると思った。
政治家になるには投票というものがあり、信用できない人には投票しなければよく、そういった自浄作用があるから大丈夫だよね。というように見えているが、上手い事バレない様に裏で家族名義や友人にお金儲けの話を渡してそこから私腹を肥やしているので、投票というシステムが純然に(自浄)作用していない。
政治家ビジネスというビジネスモデルが出来上がってしまっている。
私はどうしたい。
そちら側に回るか。
政治家に近づきなにかしらの仕事をもらうことで徐々に信用と貯金を増やしていこうか。
いや。違う。
今まで無知であった責任はもちろん私にあるが、だまされていたことに怒りを覚えている。
政治や法律に無知だからといって政治家は我々を騙していいわけがない。正しく国民が豊かになるように政治を行い、法律を作る義務がある。
私は、政治と法律を正しい状況にし、私自身がギリギリの生活から卒業し、時間的と金銭的な自由を手に入れたい。
私はそのための行動を起こすため、今日から「R」と名乗ることにする。
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続きは反響次第になるかもしれないので感想も是非お願いいたします。