魔物が溢れた理由2
何とか年一は繋いだ、明けましておめでとうございます。
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リュガヴェルという魔王(自称)が表れて、何だか某〇宮ハルヒの様なビシッとしたキメポーズで名乗りを上げたにも関わらず嫁が空気を読まない(絶対に敢えて読んでいない!)突っ込みを入れた後、しばらく辺りは静寂となった。というのが先刻までの話。
魔王(自称)の話に水を差す形になったことを謝罪しつつまずはこちらの話を少し掻い摘んで説明した。
4人でいつも通りの挨拶を行い、旅の聖職者、護衛騎士、斥候、精霊魔法使いの冒険者PTだという事を理解してもらって、今までの道中での出来事もあらまし伝え、本題に入る前に親睦を深めているのが現状。
「フム、中々に興味深い!」
「と言われますと?」
いきなり本題を切り出さず聞きに徹している4人の周りを、自称魔王は嘗め回すように見ながらぐるっと腕組みをしつつ一回りして、何かに納得いったようにウンウンと頷きながら。
「其方、リアと申したか、人族の言うところの所謂、聖女なのだな?」
「貴方もそれを言っちゃいますか・・・。」
おっさんは半ばあきらめたようにガックリと肩を落としまともに対応していた自分が馬鹿らしくなってしまう、嫁と蝶華は興味深そうに自称魔王を二度見し、ルシエは脱線話が長引きそうなの?と退屈そうな表情である。
「で、あれば猶更先ほどの質問に答えねばなるまい。」
「聖女である事とこのダンジョンの現状に何か関連性でもあるのでしょうか。」
自称魔王はおっさんの問いかけに、深く頷きダンジョンコアを指さす。
「我が国に瘴気の根源となる種が植え付けられた、当初は微々たるものだったらしいのだが時を経ていくにつれ飛躍的に瘴気を集める力が強くなり国を飲み込む程となった。」
「国を・・・ですか。」
「そうだ、魔大陸は元々魔素や瘴気といった大地の力を多く含む土地柄でな。あっという間だったのだ、国として対応はしたもののあまありに瘴気の範囲が広大であった。苦肉の策として我らはダンジョンの核に瘴気を分散させて移し込む方法を取ろうとした。だがしかし増長した瘴気は収まることを知らず国中のダンジョンのコアは許容量いっぱいのところまで追いやられた。」
「成程。」
「しかし、一か所だけひたすらに瘴気を吸い続けるダンジョンがあり、不思議に思った余は数名の家臣を引き連れてそのダンジョンのコアを調査したところ、そのダンジョンは対となるダンジョンのコアと容量を共有しどちらかが満タンになるとどちらかから排出するという性質があることがわかったのだ。」
「それで大量の瘴気を得たダンジョンコアから大量のモンスターがこちら側にあふれ出た・・と。」
「・・・うむ。其方たちには迷惑をかけたかも知れぬが、あれほどの瘴気を含んだ魔素から生まれたモンスターがここには一匹もいなかった。そんなことができるのは伝説にある聖女が行使する「浄化」の御業ではないかと余は考えて居るが、如何かな?」
「確かに私は聖職者で浄化も加護の技術も持っていますが、瘴気から発生したモンスターを倒したのはここにいる4人ですよ。戦闘では結界魔法と光属性魔法くらいしか行使していませんでしたし。」
「ほうほう。と、なれば4人で我が国全土にまで押し寄せる瘴気を部分的にとはいえ押し返した・・と捉えて良いわけだな?」
「それは・・・まぁ・・はい、そうなりますね。」
歯切れ悪く頷くおっさんに対して、我の持論は正しかったであろう?とでも言いたげなドヤ顔で頷く自称魔王。
しばしの思案の時を経て。
パッと腕組みを解き、寿司〇んまいみたいなポーズを取りつつ自称魔王は我思いついちゃった、とでも言いたげな表情で。
「其方ら、我が国に来てくれないだろうか?残念ながら余の力は破壊、浄化や癒しといった部分には全くと言っていいほど役に立たぬ。だが、為政者として今の魔大陸の状態は見ておれん。」
勢いよく前に出していた腕がだらんと垂れ下がり自称魔王の頭が下がる。
「都合の良いことを宣って居るのは百も承知であるが、其方らから感じる力は我が持っておるものと全く異なるものだと我の直感が囁いたのだ。礼はいくらでも出す。民と大地を救ってはくれまいか?」
急に温度差のある懇願を受けておっさん一同はやや棒立ちで唖然とする。
どうしようかな?と考える暇もなく。
「いいでしょう、為政者としてのあなたの覚悟しかと受け取りました!」
「え?ルシエ。」
「どんな瘴気もわが剣の錆びにしてくれよう♪」
「嫁~!!」
「リアさん素になってますよ、諦めて受けたらいいじゃないですか。」
「蝶華まで?」
もう少し皆で考える時間とか作ろうかなって思っていた矢先に返事を返されてしまったおっさんは、半ばヤケクソ気味に。
「ああもぉ、浄化でも何でもやって見せますよ。連れて行ってくれるんでしょう?魔大陸。」
「おお、即答とは・・器が大きいのぉ。だが、最大の感謝を!」
ビシッっと踵を揃えて立ち上がりつつ右手を胸の前にした自称魔王はそのまま45度の礼をする。王族の人ってこんなに簡単に頭下げるものだったかなって少々不安にもなるが、成り行きとは言え乗った船である。4人なら何とでもなるかな?とおっさんは苦笑いがしばらく戻らない。
「魔大陸久々に行くなぁ、ボクあそこの料理も好きなんだ。」
「へ~ルシエは行ったことあるんだねぇ♪」
「私は何処へでもついていきますよ。」
「ハハハ、皆ロールプレイ完全に無視だね。」
乾いた笑いとともに、おっさんたちの魔大陸行きは決定した。
訂正を進めていきたいのですが本業がデスマーチの状態すぎて思うようにできておりません。
コメントくださった方には深く感謝とお詫びを申し上げます。
不定期ですが頑張って書いていこうとは思っています




