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僕の瞳に宿るモノ。

作者: 七瀬




僕には、物心つく頃から“特殊能力”があったんだ!


それは? 【相手の瞳を見る事で、その人の未来が見えるモノ。】

調子がいい時は、その人の運命の中にある危険を察知して手助け

してあげられるんだけど、、、?


調子が悪い時は、余計に悪い方向に進めてしまう。

___この能力が、僕にとって何のためになるのか?


・・・今の僕には分からないけど。

何か意味のあるモノなんだと思っているよ。


そうじゃないと、、、?

この能力が僕にだけある事が、理解できないからだ!


___何かの? 誰かの役に立つモノなんだとね。



___それに、、、?

僕の親友の葉介君には内緒にしていたんだ。

彼を怖がらせたくないからだよ。


彼のこれからの人生は、相当厳しいモノになるからね!

___僕は、彼を助けてあげたいんだ!



___でもある時、、、?

葉介君に、僕のこの能力を知られてしまったんだよ。


僕のお父さんやお母さんは、僕のこの能力を知らないんだ。

僕のおじいちゃんは、小さい時に僕と同じ能力を持っていたらしい。


・・・でも、そのおじいちゃんも2年前に亡くなってしまった。

おじいちゃんが最後に僕に言ってくれた言葉は、、、?


『良喜! この能力は、きっと人助けになる! でも、誰にも知られ

てはいけないよ! お前の能力を知った者がお前を危険な目に遭わせ

るかもしれないからね! 良喜、いいか? 約束だよ!』

『___でも、おじいちゃん! 僕の親友の葉介君だけ、僕の能力を

知っているんだ! どうしたらいい?』

『___葉介君か? 明日、葉介君をココに連れておいで! おじい

ちゃんから、話してあげよう!』

『___ううん。』



___次の日、おじいちゃんのいる病院に葉介君と一緒に行くと。


【コンコン】


『___どうぞ!』

『おじいちゃん、葉介君を連れて来たよ!』

『君が“葉介君”かな?』

『___ははい!』

『葉介君、こっちにおいで! 良喜は外に出てなさい! 後で呼びに

行くから! いいか?』

『・・・ううん。』


___僕は、おじいちゃんの病室を一人、出て行く事になった。


___病室では、、、?

おじいちゃんと葉介君が、何か? 二人で話している。


___15分後。


『___良喜! おじいさんが戻って来てもいいって!』

『___本当!?』

『___うん。』


___僕は、葉介君におじいちゃんから何を聞いたのか、、、?

直接、聞けなかったんだよ。


___なんだか? 聞くのが怖かったから。

もし? 聞いて仲が悪くなったら、、、?


【___そんなの、聞けないよ。】





___おじいちゃんは、あれから数日後、、、。

心臓発作を起こして、亡くなってしまったんだ。


【___二人は? どんな話しをしたのかな?】


・・・ずっと気になっているけど。

やっぱり、葉介君に直接、聞けないや。



___ただね、、、?

葉介君に、危険が迫っている事だけ僕には分かっていたんだよ。

絶対に、葉介君を助けないと。



葉介君が、部活の帰りに赤信号で車に轢かれて死ぬ事が僕には見えて

いたんだ! だから、この日の僕は葉介君をずっと監視していた。



___僕は、葉介君の部活帰りの日。

偶然を装って、彼に少し話があると言ってファーストフードに二人で

入って話しをしていたんだ。


大事な話などあるはずもなく、適当に話しをして二人で家に帰ったんだよ。

その日は、彼は車に轢かれることなく無事に家に帰れたんだ。



___その代わり、、、?

他の人が、そこで交通事故に遭っていたんだ。

きっと、葉介君の代わりにその人が事故に遭ってしまったんだろう...。



___僕たちが、ファーストフード店を出るころには、、、?

救急車や警察がたくさん来ていて、野次馬もたくさんいたよ。


『・・・どうしたんだろうね? 事故かな?』

『___そうみたいだね!』

『___誰か? 亡くなったとか?』

『・・・どうかな?』

『人は簡単に、あっけなく死んじゃうんだね!』

『___えぇ!?』

『なんでもないよ! 良喜、家に帰ろう!』

『・・・ううん。』




___運命は、、、?

変えられないのかもしれない。


葉介君が死なない代わりに、他の人が亡くなってしまった。

これから先も、葉介君は何度も死に直面する事があるだろう。


___だけど?

僕が葉介君を助けるたびに、他の人が犠牲になる!

本当に、それでいいのか、、、?



・・・でも?

僕は、葉介君をほっておけないし!

死ぬ事が分かってて! 死なせたりできないよ!


___こんな、“能力”本当に僕の為に何か? 役に立つのか?

こ、こ、こんな!? 能力なら、僕は要らないよ!


【___おじいちゃん、僕の能力は本当に人を救えるの?】

・・・誰か? 教えてくれないか?






最後までお読みいただきありがとうございます。

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