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宴・宴会・パーティ と

未知の存在との遭遇

『アルフレッド、おぬしが(わらわ)は呼んだのか?』


 枢機卿(すうききょう)が呼び出したこの存在は、エル教の信仰対象でもあるAFI、アルマナック・F・インテジャーそのもであった。アルマナックが発する言葉は、会場の誰も耳から聞こえるではなく、どこからか響くような感じで伝わっていった。


「アルマナック様、ご機嫌うるわしゅうございます。本日、ハーミュアにて認定された王の弟子が、国王の下へ派遣され、今、歓迎の宴が開かれております。あなた様から祝福を王の弟子にちょうだいいたしたく、この場においで願いました」


『アルフレッド、それだけのことで妾を呼んだのか?』


 アルマナックの言葉に冷たい鋭さが加わる。


『それだけではあるまい。全てを申せ!』


 アルフレッド枢機卿の表情が(わずか)かに(ゆが)んでいく。だれかに締めあげられているかようにその首に色濃(いろこ)く痕がついていく。アルマナックは、じっとしたまま枢機卿の首を締め上げていたのだ。


「ア、アルマナック様、こ、国王であるロベールが、お、王の弟子を教会謀叛(むほん)の証しと、う、うたが・いを」


 さらに苦しそうな表情を浮かべていく。それもそのはず、枢機卿の足元は、わずかばかりではあるが宙に浮いている。そう、身体が持ち上げられているのだ。


 国王ロベールは、目の前で起こっている現実とは思えない事態を把握できずにいた。枢機卿の力は強大であり、王国の精鋭を持っても勝てるとは思えない相手であり逆らう意志はないが、その枢機卿を児戯であるかのようにあしらう存在、その存在がエル教の守護者であると言われても信じること出来そうになかった。AFI 、アルマナック・F ・インテジャー、その姿は、王家に伝わる創世物語に記録されている姿と変わらず同じであった。そこには、不死の存在であると認めざる得ないものでもあった。それでも、王国の長として、国王の威厳や矜持にかけてそれを認める事はできなかった。ただ、枢機卿ですら抗えない絶対的な存在に次第に恐怖し、その場の雰囲気に飲まれていった。だが、ヘンリー侯爵は、


「枢機卿殿、AFI など夢物語の存在、そんなまやかしを王城で行うなど、国王陛下に不敬であろう! 兵を呼べ!」


 国王ロベールは、ヘンリーが叫んだことで、飲まれかけた雰囲気の中から、我に返った。だが、そのあと光景を見ることで、さらなる動揺へに至るのだった。そう、この場で、ヘンリー侯爵にとっての恐怖が始まったからである。


『妾を愚弄するか、愚か者!』


 その言葉で、ヘンリーの周りがわずかに霞み、次の瞬間、首より下が石像のようになっていた。ヘンリーは身動きできなくなっていたのだが、


「なんだ? こんなまやかしなど! こんなもの!」


 全く動けない。それどころか、次第に床から天井へ落下し始めた。加速しながら、ぶつかりそうになると壁へ床へ天井へと方向を変えながら、さらに落下し続けた。それは、誰の目から見ても有り得ない状況として起こっていた。枢機卿は、ヘンリーの無限落下(ひたすらおちる)が始まる前に床におろされてはいたのだが。


「ア、アルマナック様、もうよろしいかと?」


『妾を愚弄したこの愚か者。この程度許せるわけなかろう?』


 ヘンリーの意識は、既にない。が、一向に落下(ひたすらおちる)が止まらない。国王ロベールは、義兄であるヘンリーが落ち続ける様を見て止めたかったが、どうすればよいかわからなかった。枢機卿は今一度。


「アルマナック様、侯爵は、気を失っております。これ以上は、無意味かと」


『ふむ。仕方あるまい。』


 ようやく無限落下(ひたすらおちる)は終わったのだが、ヘンリーの身体は、それでも空に浮いたままである。


『妾の加護するエル教を疑い。妾に逆らうは、だれぞ?』


 国王ロベールは、地の底から響くようなアルマナックの声におびえていた。そして侍従長の方を見て神官長が居るにも関わらず責任転嫁しようとしたが、既に気を失っていた。だからと言って、弟子派遣協会のフォルテラ理事長に助けを求めるわけにもいかなかった。


「アルマナック様、国王ロベールでございます。あなた様に対して逆らおうなどと、わが王国の民を代表して、申しますが、まったく思っておりません。『王の弟子』である。この青年の覚悟を試しただけでございます。そうであろう?? 『王の弟子』よ。」


 ジョワンは、AFI が現れてから、その姿に釘付けであった。『この人、どこかで会ったことがある』ジョワン自身、いつどこであったか思い出せなかったが、記憶の片隅にそのイメージがあった。国王ロベールから呼び掛けられたのは、ちょうどその時であった。ただ、国王ロベールにすれば、王の弟子に頼ることは、避けたかったのは確かである。


「はい、国王陛下よりの僕の覚悟を試すためだと言われましたし、僕もそうかな思っています。国王陛下が、あなたに逆らうなんてないと思います。」


 ジョワンの答えは、非常に曖昧なものであった。そのせいか、国王ロベールは、何とも言えない表情をし、枢機卿は、ジョワンを見つめて、『そうか、この青年が王の弟子か』と納得していた。


『そなたが、妾のハーミュアにて王の弟子として認定されたものか? 名はなんと申す?』


「ジョワン・フォルテラです。」


『ジョワンと申すか? そなた、妾の与えたものに不満はあるか?』


「いえ、僕は、僕の職業が何のために存在しているのかを考え、自分でこれから何をなさねばならないかということを考える気持ちを与えてくれたものであると。そして、それを僕は、感謝しています。」


『善き答えじゃ。ならば、ジョワン、妾から祝福を贈ろうぞ。』


 次の瞬間、ジョワンの周りに光の帯が取り巻いた。やがて、その光は輝きを増しジョワンの肩に収束していく。ジョワンは、輝きがまぶしく「なに?」と思っていた。次第に、肩に重みを感じていた。そして、輝きが消えた後、僅かに金属光沢を放つ小鳥が、ジョワンの肩にちょこんと乗っていた。


「ピュルピュル」


ジョワンは、肩に乗る小鳥をみて、驚いていた。


「これは?」


『それは幸運の鳥じゃ。それ自体が意志を持っておる。大切にいたせよ。』


「あ、ありがとうございます。」


と礼を述べるので精一杯だった。


『うむ。そういえば、アルフレッドよ、この者の職について妾は、秘匿いたせ(なにもいうな)と伝えておったが、守られたか?』


「はっ、そちらの派遣協会理事長も、我ら同様、遵守いたし(まもり)ました。」


『人というものは、課した約定を守らぬもの、ましてや、その時が長くなるほどに無理であると思っておったが、妾の言葉、違えなかった(まもった)のであれば、誇らしく思うぞ、どれ、褒美を賜ろう。』


 国王ロベールは、その言葉を聞き、暗に『お前達の秘密を探るために、いろいろやっていただろう。全てを知っておるぞ』と言われた気がしていた。


 枢機卿は、理事長に、「アルマナック様が褒美と言われたが、貴殿の望みは、有るか」と訊ねた。


 理事長は、この場に、枢機卿が来ることは神官長から知らされていたが、よもやAFIであるアルマナックが現れるなど知らなかったこともあり、周りよりは動揺していなかったが、朝からのジョワンによる累積ダメージで心労の極であったが、理事長は、ここぞとばかりに。


「アルマナック様、派遣協会理事長フォルテラと申します。それでは一つだけお願いしてよいでしょうか?」


『汝が、理事長、フォルテラか。妾への願い一つでよいのか?』


「はい、この子は、私の甥の息子で、不肖(ばかな)の教え子でもあります。この先、この子1人では、行き詰まることもありますでしょう。ですので、この子に従者(おとも)を決めさせる権利を与えてほしいのです。」


『そなた、妾の与えた王の弟子と言う職業でそれが出来ぬと思うておるのか?』


「いえ、そんなことはございません。ただ、この世界では、弟子として職業を持たぬ者を従者にしたしても、国の許可無く他の町や国に移動する事が禁じれております。その制限が付加されない権利をジョワン・フォルテラ、王の弟子に与えて欲しいのです。」


 ガチャーン


 静まり返った広間に食器を落とす音が響く。会場の視線が音のする方を向く。そこにはメイドであるリアエルがいた。リアエルは「すいません、すいません。」と動揺しながらも頭を下げている。


 アルマナックは、そちらを見ることもなく


『あいわかった。妾の権限において、ジョワン・フォルテラの従者に自由同行認める権利を与える。ただし、無条件とはいかぬ。妾の遣わした幸運の鳥が、認めた者のみとする。よいか?』


「ありがとうございます。この子は未熟(おばか)ゆえ最初の従者として、其れだけは、理事長として指名させていただきたく思います。」


『申せ』


「そこで、()()()()()()()()()メイドのリアエル殿をお願いしたく思います。」


 理事長らしく、わざわざ余計な言葉をつけてリアエルの名を挙げた。その言葉とともに幸運の鳥が、リアエルの頭上へ飛ぶ。『ピュルピュル』と鳴くと、リアエルの衣装に光が収束し深紅のリボンが一本加わった。リアエルは、色々な思惑を含む視線を受けて、『理事長先生、やめてぇ』とか『これ絶対誤解された』とか『ジルさんの視線が、怖い』とか、少しパニックになっていた。


『そなたが、リアエルか、王の弟子ジョワン・フォルテラの従者として勤めを果たせ。』


 理事長は、内心、ガッツポーズである。ジョワンは、『えっと、えーと」とひたすらついていけない状況が続き、国王ロベールにしても、自分の関与ができず意図しない状態で、しかも義兄であるヘンリーが気を失ったままで全てが決まっていく。本来なら憤慨する場面であるのだが、目の前の存在が、この場を制している状況では何も言えずにいた。


「ロベール、そなた不満顔であるな。王として貴公直属の弟子、このジョワン・フォルテラについて、何か不服があるのか?」


 枢機卿からの突然の言葉に、『何をおっしゃいますやら』といった表情で、


「いえ、我ら王国の民は、『王の弟子』ジョワン・フォルテラを歓迎しております。」


「そうか。」


 枢機卿は短く答えると、


「アルマナック様、国王が教会に謀叛の疑いを持ったというのは、今のロベールの言葉から、デマであったようです。」


『そうか。()()()()()()()()()()()()()


 非常に物騒なことを言いつつ


『王国が、妾に牙を剥かぬ限り、この国に豊穣を約束しよう。()()()()()()()()()()()。そして、ジョワン・フォルテラよ、妾は()()()()()()()()()()()ぞ。』


と告げると、次第にその姿は、空中に溶けいるように消えていった。


 この日の出来事は、王国創建時や英雄による魔物討伐に連なる歴史的出来事として、語り継がれるが、それはまた別の話である。


 国王ロベールは、枢機卿に、『なんてことをしてくれた』と言いたかったが、流石に言えなかった。


「ジョワン・フォルテラよ。我らがアテンザに来ることがあれば、我の所へ寄ると良い。」


 枢機卿は、ジョワンにそう告げ、神官長に合図をした。


「国王陛下、アルフレッド猊下を送って、参ります。」


と席を立った。


 皇太子は、その言葉とともに床に下ろされたが失禁(おもらし)したままで無様な姿をさらしていた。ヘンリーも宙づり状態から降ろされてはいたが、気を失ったままであり、当然ではあるが侍従長も気絶したままであったのだが、優秀な補佐であるカリーは、


「診察室の先生を至急!」


「お客様方には、すぐ別の広間をご用意いたします。そちらにてご歓談していただければと存じます。ジル、準備の指揮を執ってちょうだい。リアエル、呆けてないで、あなたも行って。」


「「はい」」


 他のメイド達も、一部を案内係に残して一斉に準備に向かった。


「あんた達、()()()()見せるときだよ!」


『ジル、あなた軍人じゃないでしょ』と、カリーが思ったかは、不明ではあるが、数分もしないうちに広間の準備が整ったのは、流石である。


 このあと、気を失ったままのヘンリー侯爵、皇太子、侍従長は、それぞれ居室や屋敷へ運ばれ、各々の主治医が診察をしていたり、意識が戻って、恐怖に震えたり、自分の身に何が行ったか理解せず怒り狂っていたりとそれぞれであった。


 ジルたちメイドが準備した別会場へと移動しての続きであるが、貴族たちは、ジョワンに取り入ろうと自分たちの娘を向かわせたり、息子を友人兼従者(おとも)にさせようと接近させたりとしていたが、ジョワンの肩に乗る幸運の鳥は、『ピッピッピッピー!』と威嚇するだけだった。夜も次第に更けて行く頃、つめかけていた貴族たちは、王の弟子に取り入ることができずに諦めて屋敷に戻るものや、あきらめきれずに、何とか取り入らせようと、カリーが手配した王宮の客間へ下がるものなどが次第に増えていく。ただ皆一様に、国王ロベールに会釈して行く、そして、ロベール自身もそろそろ居室に戻ろうとする頃。


「今日の宴は、いろいろありはしたが、余は満足である。さて、そろそろ余はこの場を去るが、今宵の宴は無礼講じゃ。みなのものこの後、楽しむがよい。」


 と言うや、次第に着こなしがなんとなくぎこちない仕事を終えた兵士やメイドなどが集まり始める。すでに、エル教枢機卿やアルマナックの降臨という事態を聞いていることもあり、本日の主賓である王の弟子を一目見たさから、いつもの歓迎の宴よりも、大勢の人が押し掛けていた。


 そんな中、理事長は、『儂、理事長。偉いもん』と、言葉に出さずとも、自慢げな態度をとっていた。カリーは、気を失ったままの侍従長の心配してはいたが、ジョワンと約束していたヴァレリーとエリーカの昔話をして、多い盛り上がってはいたが、理事長は、過去の悪夢を思い出して引きつり顔であった。ジョワンの従者と指定されたリアエルは、メイド仲間で友達でもあるのリリーから冷やかされたり、祝われたり、『勘違いしないで』と必死のいいわけをしているのであった。メイド長のジルは、カーネル大佐への恨み言を言い、そこへ、城内警備の警戒レベルを下げたカーネル大佐が広間に現れるや否や空になった酒瓶(ぶき)をもって突撃していた。カーネル大佐は、ジルに絡まれて苦笑しながら相手をしていた。次第に混とんとしていく中、ジョワンは、両親の昔話を聞いて、神妙な顔をして聞いていた。そんなジョワンを理事長は見て、カリーが余計なことを教えないかとびくびくしつつ、酔いにまかせてやってきた教え子達に、悪戯しかけだしてそれがばれてカリーに『奥様に言いつけますよ』と怒られるとかしていた。それでも、カリーの絶妙な采配で、宴の場もお開きとなったのであるが、


 「夜も更けて参りました。宴もたけなわですが、そろそろお開きとさせていただきます。ご来賓の方々は、侍従長から指示でご用意しております部屋へご案内いたしますので、こちらの係の者が待機しておりますので、お声がけお願いします。」


と、カリーは声をかけると、仕事を終えてやってきた兵士や、メイドなど城で勤務する者たちへ


「はーい、みなさーん、そろそろお開きにしますよー。みんなでここの片付けを手配してやりますようぉー、って宰相閣下、まだ、こちらにいらしてたんですか?」


「いやぁ、宿敵(とも)に、ひさびさにあったものでな。」


と、朗らかに笑うのは、この国の宰相のメディシスである。なぜかその傍らに苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている理事長でいた。それを見たカリーは、苦笑いしつつ


「お二方は、こちらで用意いたしましたお部屋にてお休みください。私たちで後は片付けますので。」


と、理事長は『よっしゃー』とばかりに案内のメイドに、ついていこうとしたのだが、


「こら、()()()()、待たんかい!」


と宰相メディシスは、理事長の首根っこをつかまえる。つかまれた理事長は、じたばたしていたのだが、


「おぬしもさっきから悪戯(よけいなこと)したり散らかしたりしたんじゃから、儂といっしょにここの片付けせんか!」


『儂、偉いもん』が通用しない相手なので、『儂がなんで』と、理事長涙目である。ジョワンはそれを見て大笑いしたために、後日、理事長からきつい一発をもらっていた。『だから、こいつに遭うのいやなんだって』とは、理事長の心の声である。


「お二人とも、無理はなさらないでください。」


 カリーは、いうのだが、宰相閣下は、上半身裸になっていきなりの筋肉を見せつけるのである。


「若いもんには、負けんわい! 見ろ、この筋肉!」


()()()()()()()()()()()()()()()()()()・・・・」


 と、心の声を表に出す理事長であった。

 宰相閣下の協力もあり? 早々に広間の片づけが終わり。皆それぞれ、ジョワンに「がんばれよ」とか「苦労するぞ」とか思い思いの声をかけ仕事や居室にもどる中、宰相は、理事長を引きずりながらジョワンのところへやってきた。


「ジョワン君、今日はゆっくり休みなさい。明日、おそらく国王陛下より、大佐に調査の勅令が下される。詳しくは言えないが、その際、君も一緒に行動することになると思う。リアエル君、君も従者としてついて行くことになるだろうから、もう居室でゆっくり休みなさい。」


 リアエルは、いきなり宰相閣下より声をかけられて、きょとんとしていたが、「ええーっ(心の準備が・・・)」と、大声を上げたのは、当然ではある。


「儂は、このアホとは、もう少し話がある(のんでるから)。君らは、片付けも終わったことだし、早く休みなさい。」


 今度は、理事長の目が死んだ魚の目と化していた。『儂、お前とは話をしたくない(のみたくない)』とは、心の声である。


 一方、一足先に、居室に戻っていた国王ロベールは、部屋に入るなりぐっしょりと汗で濡れた服を脱いでいた。それは、エル教枢機卿が予定外に来城したこと、未知の存在であったアルマナックが降臨したこと。その結果、息子である皇太子のデニーロや義兄のヘンリーが完膚なきまでにたたき潰された光景に恐怖したからである。『妾は、いつも見ておるぞ』その言葉で、しばらくは、政務に専念しようと思ったかは、不明ではあるが、メディシス宰相からの宴前に湾岸都市スプリットの不穏な動きについて相談されていたこともあり、内偵調査のためカーネル大佐の派遣を打診されていた。湾岸都市スプリット、そこは、王都より南にあり、馬車で2日ほどの距離である。少し前まで海外貿易で栄えていたが、新港湾都市建設と開港のためその地位は新港に奪われたものの、現在は、少し寂れはしたが風光明媚な街として名をはせていた。大佐を派遣する際し、王の弟子ジョワンを同行させるか迷ってはいたが、今日のことから、自分のそばに置くことは危険だと判断し、大佐に同行させることを決めたのであった。


「明日、大佐達を派遣した後にでも、ヘンリーを呼ぶか・・・」


そして夜はさらに更けていく。


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