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救済/200字掌編(絵・夜風リンドウさま)
夜風リンドウさま(http://6886.mitemin.net/)のイラストに文章を付けさせていただきました。
ジャンル・必須要素は指定なしの作品です。
ある教会へ一人のシスターが駆け込んできた。彼女は旅の道中で盗賊に追われ、命からがら目についた十字架の元へ逃げ込んだのだ。
盗賊たちの声に晒されながら、淡い蒼の光に包まれた真新しい教会の中で聖女は熱心に祈りを捧げる。
「主よ……どうか私を導きたまえ」
彼女の願いに応えるように、教会の屋根に掲げられた十字架に一閃の稲妻が降り注いだ。真新しい教会は落雷の衝撃に大きく震え、崩れた天井はシスターの真上に落下した。
200字小説に初挑戦してみました。200字ちょうどで終わらせるのって、すごく難しい。言い回しのひとつひとつにまで気を配って書く、ということを改めて意識させられる試みでした。
ストーリー的には「意味が分かると怖い話」を意識していたりします。