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最後まで抗い続けた英雄の物語  作者: 夏蜜柑
第二章〜壊れかけの城〜
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魔法について

新たに仲間に加わったステラだが、その身体には結構な問題があった。まず、体力がない事。たった10メートル歩いただけで息を荒げる程だ。

走らせたら、もう一時間は動けなくなる。多分、魔力の方に能力を全て渡しているだからだと思う。

もう一つは、魔力の回復が異常なぐらい速いという事だ。

例えば普通の人間が一週間かかって回復する精一杯の魔力が、彼女にとってはものの数分で回復する。身体全体に収まる魔力が全て回復するのにかかる時間は、3日だ。

ステラの身体の中にある魔力の半分以下だけで魔神クラス。それじゃあ全ての魔力は神にも及ぶ……。と、ステラが笑いながら簡単に言っていた。

「それにしても、あんたホントに体力ないんだな。体力増強魔法とか使ってんのか?」

「たいりょくぞうきょうまほう?何だ?それは」

「言葉通り、使った者の体力を増やす魔法だ。」

「何?そんな魔法があったのか……。」

急に足を止めてしょぼくれるほどショックを受けたようだ。

「と、とりあえず試してみたらどうだ?」

「うんその通りだ……。魔法陣を書いて………ああ……なんで今までこういう魔法があった事に気がつかなかったんだ……。」

彼女の周りだけどんよりとした空気が漂っているような気がする。

そんなこんなで、魔法陣を書き終えると彼女は呪文を唱え始めた。



今更だが魔法を唱えるときの手順を教えよう。

最初に魔法陣を書くのだが、初めて唱える魔法なら必要だが、それ以外はあまり必要じゃない。

だが、魔法陣を書いたほうが、魔法の威力が上がる。次に呪文を唱えるのだが、この時にできれば杖を使った方がいい。そうすれば、広範囲に魔法をかけれる事も可能になる。

詠唱をした方が威力も上がる。だが、大体の魔導士はそれを面倒くさがる節がある。

口から出す『音』と共に魔力の出力を調節する。『音』と魔力に反応した空気中に潜む妖精から魔力を借りる。あまり知られてないが、これが詠唱の真実だ。

詠唱は第一部と第二部に分かれており、一部はあまり重要ではないらしい。


「我が身に宿りし光の欠片よ。万能の力を持つ王よ。我の身体に秘められし力を解放せよ!」

天から魔法陣に淡い光が射す。

その光はステラに集まり濃縮される。光は濃い青になった瞬間破裂した。

「……うむ。力がみなぎってきた。」

「成功か。すげぇな」

常人だったら死ぬほどの量の魔力を使ったんだ。結構な体力が増えただろう。

「身体が軽いな……。空も飛べそうだっ!」

手を広げながらくるくると回り続けている。

『ステラってちょっと抜けてるよね?』

『まぁ、アルラウネの言う通りね。』

『そーだね〜。ねぇねぇ、アルラウネって何歳?』

『1歳だけど?』

頭の中に、三つの声が響く。

『えっ!?嘘でしょう?』

サキュバスが驚きの声を上げる。確かに、まだ生まれてから一年程度しか経っていないというのに、成長しすぎだ。普通だったら3歳児程度の知能と背しかないのに、見た感じじゃ12歳はいってる。

『ステラの魔力が代償だからね。あいつ、魔力多いからいっくらでも吸いとっても怒んないから嬉しいよ?』

そう言うと、アルラウネ勝手に実体化をした。

そして、はしゃぎ疲れて座り込んでいるステラに抱きついた。

『あらあら、まだまだ子供ね。』

そう呟き、微笑むサキュバス。

自分もと実体化をして、俺に抱きつくウンディーネ。もう少し歩けば、森を抜けて爽やかな風が吹く草原に出るだろう。

ウンディーネの実体化を解いて、アルラウネの実体化をステラに解かせる。

まだ疲れが取れないステラを背負う。

ほのかに草の柔らかい匂いが香る。

「教官殿。重くないのか?重かったら……というより降ろしてもらっても構わないのだが……」

「いや、歩くとあんたすぐ疲れるだろ?」



森を抜けて、草原を歩いているとコボルトの大群が現れて、俺たちを囲んだ。

「可愛い動物だな。ほら大丈夫だよ?おいで」

しゃがみこんで手をポンポンっと叩く。

「……これは魔物だぞ?」

「何だと!??こんなに愛らしい見た目なのに?」

「ああ。魔物だ」

「くっ……世界とはこんなにも厳しいのか……!」

固く握った拳を、地面に打ち付けて痛がってるステラを尻目に、剣を引き抜く。

ジジイを殺してから切れ味があがっており、よく切れる。コボルトを斬ろうとした瞬間、ステラが待ってくれと言った。

「やめてくれ。教官殿。愛すべきこの動物は私がとどめを刺す。」

痛さで目にいっぱいの涙を溜めながら、魔法の準備をする。魔法陣を書き、魔力を溜める。

十分に魔力を溜め、彼女は叫んだ。

「今ここに蘇れ古の竜よ!純粋なる透明な炎、全てを破壊し食い尽くせ!炎竜魔法(ファイアードラゴン)!」

竜の形を成す炎が、コボルトたちを追いかけ捕まえ食い殺す。炎が全てを殺した後には、地面から煙が出ている以外、何も無くなっていた。

「魔力少ししか使ってないが……こんなのだろう。ああ、ワンちゃん………」

魔力を少ししか使っていないというのに、この威力。天からの授かりものだろうか。

「まぁまぁ、村が見えてきたぞ。」

「村か……。教官殿、気のせいだろうか?赤く燃えているような…………」

ステラの言う通り、火柱が立っているし、微かだが叫び声が聞こえてくる。

「急ごう。守れる命は守っておいた方がいい。」

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