ステラが仲間入り
「教官殿の契約している魔物の実体化。見せてくれないか?」
私以外に契約者は見たことないからな、と彼女は笑いながら言った。
「サキュバス、ウンディーネ。実体化だ」
まず水の音と共にウンディーネが実体化した。その次に、サキュバスが光の玉になって実体化した。
サキュバスは美しく艶めく桃色の長い髪を編み込んでいた。背中には典型的な悪魔の翼が生えていた。
服装は、胸を強調した赤と黒のミニドレスを纏っていた。
「私のアルラウネも可愛いが、それ以上に二人とも可愛らしいな。」
「ありがと!ステラっ!」
「ありがとうね。今更だけど貴女は犬狼族の者よね」
サキュバスは首を傾げながら言った。
「ん……そうかも知れないな。だけど私には分からない。」
首を横に振りながら、少し寂しげな表情を浮かべて言った。犬狼族とは一体どういうのだろうか。本でも、その名を聞いたことがない。
「犬狼族って、どんな種族?」
ウンディーネがステラの膝に乗りながら言った。
「恐ろしいほどのチームワークが特徴的よね。狙った獲物は何が何でも仕留める。狙われたら一巻の終わりってね。そのぐらい常識でしょう?やっぱり頭の方は足りないのね。」
からかうようにウンディーネに向かってサキュバスは言った。
「………殺すよ?」
「来なさい。相手をしてあげるわ」
殺伐とした雰囲気が漂う。少し地面から浮いているウンディーネの周りにはいつの間にか、大きな水玉と氷塊が大量に浮かんでいた。サキュバスの方には炎を纏った槍が何本も浮かんでいて、その全てがウンディーネの方に向いていた。
「おい。ウンディーネ、サキュバス。やめろ」
「………はいはい分かったわ。」
「邪魔しないでよ〜」
「はははっ。教官殿の魔物は血気盛んだな」
ステラが嬉しそうに笑う。それを見ていると、こちらまで嬉しく思えてきた。
「変な事を言うが、俺と一緒についてきてくれないか?」
「ん?何処にだ?」
「世界を救う旅……とでも言っておくか。」
「世界救うんなら、僕行きたい!」
ステラの後ろで遊んでいたアルラウネが目をキラキラと輝かせて叫んだ。
「………この魔力が迷惑をかけるかもしれないぞ。それでもいいなら良いんだが………。」
「別に良い。それどころか嬉しいよ。」
「………ならば、教官殿について行こう。どうぞ、よろしく頼む。」
跪き、犬狼族のステラは笑顔で言った。
–––––英雄は立っていた。約束の場所に。




