城の中での小さな反乱
「ん……おはよクーちゃん」
オルフェは目を開けてすぐにいつものようにクーちゃんに挨拶したが、どうもオカシイ。
いつもだったら嬉しそうに吠えてくれるのに今日は吠えてくれない。しかも、ちょっと臭うソファーで寝泊まりしているのに、ふわふわと柔らかく暖かい。
「ん。目が覚めたか」
隣で本を見ていたステラが、ふとキョロキョロ見回しているオルフェに気づいた。
「……おねえちゃんだぁれ?」
「ん?私か?まぁ、教える前に一緒にお風呂に入ろうか。」
そう言うと、ステラはオルフェを抱きかかえ風呂場へと向かった。結構前から浴槽に、お湯を溜めてあったので冷めてるかもしれない。加熱魔法をかけた上にラベンダーの香りがする魔法をこっそりとかける。ラベンダーには鎮静効果があるらしい。
「ほら、服を脱ごうな?」
「うん………」
少し抵抗するかと思っていたが、案外従順だった。そういえば、城の方はどうなってるだろうか。教官殿も物凄いことを考えつくなぁ…。
「お、王さま。先ほどの魔物退治に出かけた旅人がやってまいりました。」
「ん。通せ。」
眠ったふりをしているクーシーを両手に抱え、王のいる部屋に進む。王は、クーシーを見て嬉し気に手を叩き狂喜した。
「おお!それがあの城に潜んでいた獣か!」
「ええ。近くで見ますか?」
「もちろんじゃ!」
クーシーを抱え、王の足元へと移動する。王は嬉しそうにクーシーを触り、手に抱えた。
真っ赤な血がセリムの顔を、王のキョトンとした顔を染めた。
クーシーが、王の喉仏に噛み付いたのだ。立ち上がり、剣を手に取る。そして、未だ呆然としている護衛兵たちの首を跳ね飛ばす。
「なっ………と、捕らえよ!」
クーシーを抱えた俺の周りを、兵士が囲む前に下の階に行く階段を降りる。今いるのは、確か四階建ての城の一番上の階だ。
クーシーを手から離し、階段を一番上から下まで飛び降りる。




