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夢想森羅  作者: 秋時雨
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第2話-森羅万象-

「詩音が俺に用があるだって?随分と突然だな。」

「ああ、俺にもよく分からんが、いきなり『時雨とゆっくり話がしたい!』ってなぁ・・・。」

 時雨はニヤけながら、

「もしや・・・とうとうお兄ちゃんと呼んでくれるのか!?」

 シロウは呆れたように

「落ち着け、このシスコン。」

「だ、誰がシスコンだ!!」

「本当のことだろう。いつも妹のことが心配で心配で貯まらないんだろう?」

「まぁ確かに詩音は昔から病弱だし、あまり無理して欲しくないからな・・・。」

「ホレみろ。」

「今の何処がシスコンなんだ!?」

 シロウは時雨をからかって笑っていた。

「ぐぐぐ…。」

「妹思いのいいお兄さんだな。」

 柳がフォローする。

「おお!俺の心の友柳よ!やっぱりお前はいいやつだな!」

「顔が近い。離れてくれ。」





「さあ、着いたぞ。」

「はぁ、徒歩は時間かかるし、疲れるねぇ。」

 そうブツブツと文句を言いながら、時雨は上がった。

「時雨、戻ってきたか。」

「詩音様が奥で待っているぞ。」

 同じ宗の連中が出迎えてくれた。

「シロウ、ここで待っていてくれ。」

「ふっ、詩音様を頼むぞ。」

 時雨と柳は奥へ入っていった。


「詩音様、お連れしました。」

「ありがとう。さがっていいわ。」

「はっ。」

 そう言って柳は下がった。

「お兄様、今日もお疲れ様です。」

「そう言うお前も、あまり無理はするなよ。お兄ちゃんいつも心配してるんだからな。」

「ふふっありがとうございます。でも大丈夫ですよ。」

 詩音は笑顔を見せてくれた。


「ならいいんだけどな。」

 時雨は目を閉じる。

「・・・一刻も早く妖怪を全滅させないとな。」

「そうですね。江戸の平和の為にも。」


『我、森羅万象とともにあり。』


「さて、今日は休みをくれるんだよな?」

「はい。ごゆっくりどうぞ。」

「おお!我が妹よ!愛してるぞ!」

「・・・顔が近いですよ。」


 時雨は部屋を出る。

「・・・お前らいたのか。」

「い、いや。たまたま通りかかっただけですよ〜」

「そ、そうだよな。たまたまだよな!」

「別に覗き見とかじゃありせんよ!」

 皆、焦った顔をしている。時雨は顔が赤くなっていた。

「お...お前らー!!!」

「ひえぇー!!」

「お許しくだせー!!」

 時雨は刀を振り回す。

「おい時雨。屋内で暴れると危ないぞ。」

 柳が止めに入る。

「聞いてくれよ柳!!!こいつら盗み聞きしてたんだぜ!?」

「…まあ確かに恥ずかしいことだが。」

「落ち着け、単細胞。」

 ガブッ!シロウが噛み付く。

「いてて!!何すんだこのクソ狗!!!」

「盗み聞きくらいで暴れるお前が悪い。」


 その後、落ち着いた時雨は、夕食を済ませ寝室へ入る。

「・・・ふぅ、今日は疲れたぜ。」

「疲れたなら寝ろ。朝には起こしてやる。」

 時雨はゆっくり目を閉じた。



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