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Rainbow God Bless  作者: 色彩天宙
Chapter4:邪教戦士篇前編
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第47話『乙女座の聖女』

シリーズ第47話目です。どうぞお気軽にご覧くださいませ!

ペーシュ国中央公園広場で開催されていたギルド交流会にて毒の力を司る不良ギルド、ヴェレーノ・ノーヴェと対峙した一行。リーダーであるポワゾンがギルド協会会長である獅子座のミノア・マグナスを危機に陥れ、会場は緊迫と焦燥に満ちたピリピリした空気に包まれていた。



「フフフ…天下のギャラクシア様を征するのも私達ヴェレーノ・ノーヴェにかかればわけない話…さあ、覚悟なさい!!」


「あわわ…どうにかしてミノアさんを助けないと!」


「クレア、慌てないで。向こうがミノアさんのすぐ近くに武器を構えているのに、不用意に動くのは危険よ」


「フェリーナの言う通りだ。この距離だと奴の手元だけを狙うのはかなり難しい。どうしたものか──」


「グランドクロス!」


「何いいぃぃッ!?」



柔らかさと甘みのある優しげな色合いの呼び声に応えるように純白の聖なる十字架が現れ、ポワゾンを捉えた。張り付けになったポワゾンは陣取っていたメインステージから吹き飛ばされ、ミノアは即座に駆け付けた水瓶座のヴィボルグに助け出された。



「リーダー!?チッ、何処だ…何処にいる!?」


(今の声、覚えがあるような…まさか…!?)


「ネイシア、どうした?あ…あの人は!?」



リタの視線の先──不安そうな表情で見守る群衆の合間から不思議な刻印が印された剣を携え、白い司祭服に身を包んだ金髪の女性が姿を現した。穏やかな人柄が窺える柔らかな瞳には悪を前にして揺るがぬ意思が燃え盛る業火のように、対比的に力強く煌めいていた。



「懺悔なさい、以身殉利の者達よ。天に替わり、貴女を罰します!」


「クソッ!覚えてなさいよ!みんな、今日のところは引き上げだ!」


『ウイィッス!』



毒の彩りを左手の甲に持つ9人はバイクに乗り、黒い排気ガスに紛れながら逃げ去って行った。一時的とは言えギルド界の平穏を脅かす魔手を退け、安堵の表情に変わった一行のもとにロビンの同僚である船乗りの男が心配そうな様子で近付いてきた。



「ありゃ〜…ヴェレーノ・ノーヴェに目を付けられちゃったか…緑のお嬢ちゃん、大丈夫だったかい?」


「うん、わたしは大丈夫だよ!おじちゃん、あのバイクのお姉ちゃん達、いったいどんな人なの?」


「あいつらはギルド業界でも有名な札付きのワルなんだよ。手柄をあげるためなら手段を選ばず、自分達以外のことは一切顧みない。ギルドとは名ばかりで、ゴロツキ同然なんだ」


「邪教戦士を倒したと思ったらまた厄介な方々が出てきたものですわね……皆様、協力してくださいませんこと?」


「わかったわ、ビアリー。騎士団も全面協力させていただくわ!」


「はいっ、もちろんですッ!ビアリー様の意のままに!」


「承知しました。みんなも構わないね?」


「もちろん。アザレア近衛兵の名誉にかけて野放しにしてはおけないわ!」


「ルーティの言う通りだ。僕達アザレアはあんな不遜な輩には絶対に負けない!」


「私も別に構わないわ。毒なんて科学の力で浄化してみせる!」


「ゴロツキ共は叩きのめす!力を1つに、ぶつかっていこうぜ──」


「ネイシア……ネイシアなの?」


「アムール様!これも天の巡り合わせでしょうか…」


「そうですね、ネイシア。皆様、初めまして。ブラン教皇国、並びにギャラクシアより参りました、乙女座のアムールと申します。ネイシアが大変お世話になっております」



アムールという司祭の女性が一行に歩み寄ってきた。先程までの鋭い眼光は何処かへと消え失せ、穏やかで柔らかな優しい眼差しに変わっていた。何処と無くネイシアに似た佇まいを見せるアムールの左手にはホーリーホワイトの紋様が印されていた。



「ネイシアが旅をしているのは教会から聞いていましたよ。旅を通して己の意思を貫く勇気を養っているのですね」


「ゆ、勇気…ですか?」


「そうです。だからこうしてミノア様を救出することが出来たのです。これはネイシアの勇気、皆様の勇気が生んだ結果なのです」


「その通り。皆様、義のために戦ってくれてありがとう。ギルド界を想い戦う貴女達を見ていたら、確かな希望が湧いてきました」


「アムール様、ミノア様…有り難きお言葉、慎んで頂戴致します」


「では、私は暫しこの方々に同行します。ヴィボルグ、ミノア様をお願いします」


「了解よ、アムール。ミノア様には指一本触れさせないわ」


「アムール、健闘を祈ります。どうか道中気を付けて」



ミノア、ヴィボルグの2人と別れた後、ヴィオが探していたアランチョ国傭兵ギルドの主人に会うこととなった。最愛の妹ザラームを傭兵ギルドに預け、離れる時が迫っているのを感じ取ったのか、ヴィオの表情に次第に寂しさが滲み始め、憂いを帯びた顔立ちに変わっていった。



「やあ、ザラーム・ブラッドちゃんだね?会えるのを楽しみにしていたよ。どうぞよろしく」


「はい!よろしくお願いしま〜す!」


「姉のヴィオです。あの…ここで妹をお預けすることになるのでしょうか?」


「いや、すまない。まさかここで会えると思わなかったから、此方も迎え入れる手筈が整っていないんだ。ご足労かけ恐縮だが、改めてアランチョ国までお越しいただきたい」


「わかりました。私どもも用事を済ませてから参ります故、暫しお待ちくださいませ」


(なあ、姉貴…ヴィオの奴、なんか嬉しそうじゃん?あんな顔したヴィオ、初めて見たよ…)


(トリッシュ、きっとザラームちゃんと離れるのが延びて嬉しいんだよ。私もトリッシュとずっと一緒にいたいもんね♪)


(…そうだな。でもさ、こんな大勢の前で腕組むのはやめようよ…)


「アンタ達、またイチャイチャして!社交会の場で2人だけの世界に入るんじゃないよ!」


「フフッ、お二人は相変わらず仲良しですねぇ♪では、宿は私が手配しましょう!」



ティファ、ロビン、乙女座のアムールを加え、ロビンが手配した宿に入る。夕食前の空き時間にモニカ、エレン、フェリーナ、ヴィオ、オールの5人が一室にて作戦会議を執り行っていた。



「あいつら、近くにいるだろうけど、いつ襲ってくるかわからないなぁ…どうしたらいいだろうね?」


「うむ…もしかしたら奴らの裏に糸を引いている者がいるかもしれない。私がカストルに唆されたように、な」


「では、少しペーシュ国で彼女達の様子を見ましょうか。オール、連泊の手続きをお願いします」


「承知しました。テレーズ達にも確かに申し伝えます」


「彼女達が持つ毒の力にもその彩りを司る精霊がいるはずだから、ペーシュ国に滞在する間に私とルーシーで対処法を練ってみるわ。きっとまた彼女達と戦うことになるでしょうね…」



一行はヴェレーノ・ノーヴェの出方を伺うべく、ペーシュ国に数日の間留まることになった。ペーシュ国の夜は穏やかに更け行き、その翌日、一行はのんびりムードの中、朝食の席で行程を話し合っていた。



「さて、今日はどうするんじゃい?何日かペーシュ国に滞在するのに、ジッとしてるのも勿体無い気もするのう…」


「私はフェリチタ・パークが見たいです。美しき愛と夢の国をこの眼で見てみたいわ!」


「面白そう…私も行ってみたい、です…」


「私もリーベちゃんとリデルちゃんに賛成なのである。行ってみるのである〜!」


「よっしゃ、決まりッスね!早速向かうッス!」


「やれやれ、世話の焼ける人達やわぁ…ま、たまにはええやろ。行ってみよか!」


「おっ、アミィお母さんの許しも出たぞ!ガンガン行こうじゃん!」


「よし、出発しようじゃないのさ!ロビン、運転頼むよ!」


「はいッ!お任せください!」



一行はペーシュ国でも有名なテーマパークへと息抜きに出向いた。童話をテーマにした建物やアトラクションが立ち並ぶ夢の国と呼ぶに相応しい雰囲気に暫し圧倒される中、リーベは夢心地という表情で夢想に浸っていた。



「素晴らしいわ!ああ、なんて美しいの……まるで私達が生きるこの世界を縮図にしたようです!」


「リーベ、嬉しそう……来られてよかったわ」


「そうですね、ティファさん。やっぱり戦いばかりだと息が詰まっちゃうから、こうして心身を休める機会は必要ですよね♪」


「うん、ケイトさんの言う通りなのである!何事も羽休めは大切なのである!」


「すごい…俺はテレビでしか見たことがなかったけど、本当に絵本の中にいるみたいだぜ──」


「いらっしゃいませ。フェリチタ・パークへようこそ」



一行の前に柔らかな物腰のスラリとした青年が現れた。美しい金髪を少し伸ばし、仕立ての良いネイビーのスーツに身を包んだその姿は育ちの良さげな洗練と気品が滲み出ていた。



「ごきげんよう。あたくしはビアリー・フォン・ノワール。ノワール帝国より参りました♪」


「おお……帝国の皇女様にお越し頂き光栄に御座います。私はジャッロ・プラタノ。当園の総支配人を務めさせていただいております」


「そ、総支配人…?失礼ですが、おいくつですか?」


「私、御年27歳の若輩者にございます。この度、プラタノ財団会長の父から当園を譲り受けました」


「そうかい、金持ちの子供ってのは受け継ぐもんばっかりで辛いねぇ。しっかり頑張んなよ!」


「勿体無い御言葉です。親の七光りと言われぬよう精進して参ります故、何卒よろしくお願い申し上げます。では、御時間の許す限り、ごゆっくりお楽しみください。失礼致します」


「あの方、すごく気品がありますわ…オールさんと似ていらっしゃいますわね」


「フフッ…ルーシー様、私は彼ほど洗練されておりませんよ。では、せっかくの機会です。目一杯楽しみましょうか!」


「わ〜い!じゃあ最初はあれに乗ろうよ!」



コレットに連れられ、次々とアトラクションに乗り込んでいく。一行は時を忘れ、愛と夢の国フェリチタ・パークを陽が傾く時分まで満喫した。



「世界にはこんな所があったのね…全く知らなかったわ…」


「フェリーナは大草原に住んでたもんね……生まれてからずっとアイビー国で暮らしていたの?」


「そうよ、クレア。子供の頃から狩猟を学んでいたから、こんな遊びがあるなんて知る由もなかったわ」


「まあ、それも人生の形さ。期せずしていい社会見学になったじゃないか!……あれ?ジャッロさん?」


「本日は御来園、誠にありがとうございました。皆様に御案内に伺いました次第でございます」


「おう、サンキュー!どれどれ……スターライト・ナイトパレード?」



ジャッロは一枚のフライヤーを手渡した。テレーズが受け取った紙面には満点の星空のような華やかなデザインで園内パレードの案内が記されていた。



「明後日、19時よりパレードが開催されます。皆様是非お越しくださいませ」


「明後日か〜…モニカ、パレード見られるかな?」


「そうですね……ペーシュ国に滞在するのは週末までなので問題ありませんよ」


「やったぁ!ジャッロさん、必ず見に来るね!」


「ええ。お待ちしております。“皆様全員お揃いで”、“是非是非”お越しください……」




To Be Continued…

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