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Rainbow God Bless  作者: 色彩天宙
Chapter6:闘技大会篇
184/330

第184話『蛮族四天王』

シリーズ第184話目です。どうぞお気軽にご覧くださいませ!

世界中の津々浦々から腕自慢の猛者達が集うビンニー国の闘技場で祝福の証の彩りを輝かせる彩りの義勇軍一行。戦いを見る目の肥えたビンニー国の人々が見つめる闘技場のアリーナでファウンテンブルーの彩りが爽やかに煌めいていた。



「これで決まりだよ!フラッドタイド・アクアナックル!!」


「うぎゃああぁぁッ!」


「そこまで!勝者、カチュア選手!この試合、リモーネ軍の勝利!!」


『おおおおおおッ!!』



泉青(ファウンテンブルー)の拳闘士カチュアが力強いガッツポーズで勝利を誇示する。新たに一行に加わったリモーネ傭兵団が鮮やかな彩りの力を見せつけ、見事勝利を収めた。手練れ揃いの彩りの傭兵団は鍛練の成果を存分に発揮し、並み居る猛者達を軽々と蹴散らしていた。



「やったやったぁ!勝ったよ~!」


「カチュア、見事也!我らが力、此の舞台で示されり!!」


「さすがね、カチュア!ま、私達にかかればこんなものよね~♪」


「よかったです…これでわたくし達もSランクですね!」


「そうね、エスト。この軍に入ってから5人みんな強くなった気がするわ…これがたくさんの人と紡ぐ“絆の力”なのね」



想いを1つに戦う一行は順調に勝ち進み、2週間ほどで全員がAランクを制覇、蛮族四天王への挑戦権を得られるSランクに到達した。世界中から腕自慢の戦士が集う蛮族の国ビンニー国では強さが全てであり、Sランクに到達した一行にはビンニー国の人々から羨望の眼差しが注がれた。



「いや~、今日はホンマえらい安く買えたで…傷薬なんてタダでもろたわ…」


「うん、私達を見る目が明らかに変わったもん…きっとこれが“強きが尊ばれる”っていうことなんだね…」


「そうだぜ、アミィちゃん、エレンのお嬢。それにしてもまさかこんなに早くSランクまで来られるなんてな…夢みたいだ!」


「ルーヴさん、夢じゃなくて現実だよ!いわゆるメークミラクルってやつだよね!」


「これもあたし達の絆の力ってやつかな♪蛮族四天王さんに挑むためにも頑張ろうね!」


「ああ、私達の絆があればきっと勝てるだろう。我々の力を1つに、コレットを守るぞ!」


「おうよ!アイラ、エーデルちゃん、ゼータ、頼りにしてるぜ!」



その頃、魔族七英雄ベガの居城――直属の配下であるディアボロ7人衆ラストが主君である薔薇の貴公子に向かい合い、妖しい空気の中で2人が静かに佇んでいた。



「ベガ様、皆様は件の闘技大会を順調に勝ち進んでおります」


「ふむ、それは何より。つまり我らの理想に歩みを進める日も近付いてきたということか…」


「…やはり次は南西部のフランボワーズ王国ですか?」


「…ああ、あの娘達も出番を待っているからね。彼女達があの粗雑な地から発つ日が楽しみだ…」



一方、彩りの義勇軍一行はSランク専用宿舎に移動した。外観内装ともにリゾートホテル並みの豪華さであり、歓待も至れり尽くせりだ。金色を基調とした豪華絢爛な宿舎は常に凛として落ち着いたモニカ班の面々さえも驚かせた。



「うわぁ~!すっごい金ピカホテルだね~!」


「これはすごいですね…ボクが守る妖精王様の宮殿もこんなに金色ばかりじゃなかったと思います…!」


「確かにとても豪華だけど、こんなに金色ばかりだとちょっと眩しいわね…でも、これもみんなで頑張ってきた賜物ってことかな!」


「そうね、ルーティ。私達がこれほどの高みに至れたのはみんなが想いを1つに戦い続けているからだと思うわ。蛮族四天王はかなりの猛者だけど、きっと勝てるって思えるもの」


「はい、ティファの言う通りですね。蛮族四天王も私達と同じく祝福の証の力を持つ彩りの戦士ですけど、私達の“絆の力”を示せば勝てると信じています…勝ちましょう!」



当然食事もグレードアップしており、世界中から厳選された食材が集められ、凄腕のシェフによって極上の料理となってバイキング形式で振る舞われる。空腹を満たすべくレストランに駆け込んだテリー班の面々が舌鼓を打っていた。



「うおおおおおッ!美味い!美味いぞおおぉぉッ!!」


「そうだな、ランディニ!やべぇ、どの料理も超美味いじゃん!」


「こんな美味しい料理でパワー充電して訓練すれば最強間違い無し!ラパン流が天下を取る日も近いッスね♪」


「ああ、僕達ならきっと勝てるね。では、食後1時間休憩したらランニングでもしようか!」


「オッス!ムシャムシャ…ガツガツ…」



もちろん泊まる部屋も充実した設備が整えられ、疲れを癒す場としてこの上無いほどである。優しく包み込むような柔らかなベッドでリタ班の面々が休息をとっていた。



「おおお、なんと快適な寝心地…昼寝もこのベッドなら元気100倍だな…ぐう…ぐう…」


「そうですね、ジェンシアさん…私も、お昼寝、します…すぅ…すぅ…」


「ウチも少し休も~っと…リタ様、おやすみなさ~い…くうぅ~…くか~…」


「あら…みなさん寝てしまいましたのね…では、2人っきりで甘い時間を過ごしましょう…リ・タ・さ・ま♥」


「ええっ!?ラナン…ちょっ、ちょっと待って!ま、まだ昼過ぎ――」



更にはトレーニング設備も充実しており、目前に迫るチャンピオンとの戦いに備えての鍛練にも事欠かない。元気が有り余っているクレア班がトレーニングで汗を流していた。



「ふいぃ~、お疲れ~!たくさんトレーニング出来たね~!」


「ガウゥ…イイ運動、出来タ!トレーニング、楽シイ!」


「いや~、ホントにすごいよね!選り取り見取りっていうくらいにいろんな器械があるからやりたいことが全部出来ちゃうし、大満足って感じだよね~!これもきっと――」


「みんな!今、蛮族四天王さんが来てロビーに集まれってさ!早く行こう!」


「ありがと、ラミウム!あたし達が待たせてるかもしれないから、急ごう!」



クレア班の面々がロビーへと急ぐ。突如として彩りの義勇軍全員が集められた。彩りの義勇軍の120人全員が勢揃いし、集結する姿は壮観だが、蛮族四天王は動じることなく王者の貫禄を見せつけていた。



「よう!オタクらこんなに早くSランクに来るとは、予想以上の腕だな!」


「ありがとうございます。私達は旅路の中で紡ぎ合う絆を信じ、仲間を信じて戦っています。ここまで来られたのも私達の“絆の力”の賜物です」


「うむ。儂らも皆々様の試合を拝見したが、確かにそれは感じたのう。他の連中は戦いたいだけ、暴れたいだけという者ばかりじゃから、一際目立つわい!」


「さて、此度参上したのは他でもない。我ら蛮族四天王に挑む日取りを皆々様に決めていただきたい」


「本当なら1つのグループに挑んでもらうんだけど…お前ら全員束になって来い!特別に俺様達4人が全員相手してやるぜ!!」


『ええええっ!?』



120人VS4人――傍目にも多勢に無勢と言える無謀な提案は一行を驚愕させる。皆の驚きの冷め遣らぬ中、彩りの義勇軍でも一際負けん気の強いレモンイエローの傭兵リモーネが即座に噛み付いた。



「アンタ達、頭大丈夫!?いくらなんでもそんな条件で負けるわけないでしょう!?」


「リモーネ、コイツらが相手だとそう簡単にはいかないぞ。コイツらは相当な手練れだ…油断しているとあっという間にやられてしまうだろう」


「クッ…ヴィオがそう言うならそうなのかもね…それなら全員でその高い鼻っ柱をへし折ってやるから、覚悟しなさいよ!」


「ワハハ!たいした自信だな、お嬢ちゃん!本番で戦えるのを楽しみにしてるぜ!」


「おっ、いきなり火花散らしてるねぇ…で、その本番はいつにするんだよ?」


「では、1週間後はどうでしょう?みんな、よろしいですか?」



モニカの提案に皆が頷き、彩りの義勇軍全員の満場一致の総意として示された。蛮族四天王の4人も相対する120人の意思を確かに汲み取り、王者として迎え撃つ決意を固めていた。



「んじゃ、決まりだな!1週間後の午前10時、闘技場に全員来い!」


「はい。蛮族四天王の皆様と戦える日を楽しみに鍛練に励みます!」


「うむ、儂らも1週間後を楽しみにしておるぞ!では、さらばじゃ!」



決戦の日時が決まり、チャンピオンである蛮族四天王は意気揚々と去っていった。一方、彩りの義勇軍の皆も戦いへの熱い想いを昂らせ、120人全員が勝利へと心を1つにしていた。



「いよいよですね…我らの彩りの力、存分に発揮しようではありませんか!」


「そうだな、ミノア様。私らヴェレーノ・ノーヴェもバッチ気合い入ってるんで夜露死苦ゥッ!!」


「あたし達ドルチェ自警団もやる気フル充電だよ!みんなで頑張って蛮族四天王に勝とうね!」


「フフッ、揃いも揃って熱血ねぇ。ま、困ったら私達リモーネ傭兵団に任せなさい!」


「我らテラコッタの騎士も勝利のために全力を尽くそう。我らの力はこの軍のため、我らが主君のために!」


「みんな…今こそ私達の絆の力を見せつける時です!力を1つに、想いを1つに、勝ちましょう!!」


『祝福の証の彩りのもとに!!』



120人全員が円陣を組み、祝福の証の彩りという旗印のもとに意気を高める。ビンニー国を統べる覇者である4人に挑むべく、左手の甲に印された色彩を全員が耀かせていた。



それから1週間、彩りの義勇軍一行は戦いに向けて直向きに備えを整える。鍛練に励み、絆を紡ぎ、英気を養い――高みに向けての歩みを止めることなく邁進する。ある日、蛮族四天王は一行の鍛練を陰から密かに見つめていた。



「ほ~う、予想以上に気合い入ってんじゃねぇかよ。こいつぁアタイらも浮か浮かしてられねぇな…」


「おいおい、ビビるなよザキハ!どれだけの強者が来ようが最後は俺様達が勝つぜ!」


「ナダベ、一番の敵はその慢心じゃ。儂らも鍛練せねば足下を掬われるぞ?なあ、リューゲル?」


「応。我らも修練し、決戦の(とき)に備えようぞ」



そして、1週間後――午前10時、ビンニー国闘技場。遂に蛮族四天王との決戦の日を迎えた。数十人の闘技場職員が審判としてズラリと立ち並ぶ光景が異様な雰囲気を醸し出す。スタンドに詰めかけた満員の観衆が見守る中、アリーナに彩りの義勇軍の120人全員が集結し、蛮族四天王に対峙して火花を散らしていた。



「これより王座防衛戦を開始します!挑戦者120名、王者4名、どちらかが全員戦闘不能となった時点で試合終了です!」


「さ~て、いよいよだな。お前達の力、思いっきりぶつけに来い!!」


「ザキハ…貴女達の力と私達の力、どちらが勝るか…いざ、尋常に勝負!」


「それでは…はじめッ!」



闘技場に響き渡る銅鑼の音が決戦の始まりを告げ、闘技場を熱気が包み込む。銅鑼の音の余韻が残る中、逸る気持ちを御しきれぬ4人が電光石火の勢いで飛び掛かる。石竹色のラパン、リーフグリーンのアイラ、チョコレート色のザラーム、ミルキーホワイトのラッテが勇んで一手を叩き込もうとしていた。



「よ~し、プレイボール!先頭打者ホームランいっただき~!」


「おねえちゃんのぶんもワタシががんばるもん!きりきざんでやる~!」


「うおおおおっ!ラパン流の究極奥義、その骨身に刻み込んでやるぞおおぉぉッ!!」


「ししょーの手を煩わせるまでもないです!みんなまとめてボコボコに――」


「おおっと、そうはいかねぇぜ!?アタイらをナメんじゃねぇぞ!!」



蛮族四天王は得物を取り出すこともせず、最初の一手を打とうとした4人の頭を片手で鷲掴みにして宙吊りにした。宙吊りにされた4人は必死に振りほどこうとするものの蛮族四天王の凄まじい握力で締め付けられ、逃れることも出来ない。



「ワッハハハハ!俺様達に正面きって挑もうとはな!つくづく面白い奴らだぜ!」


「自らの手で武勇を挙げんとするその意気や善し。しかし、武勇と蛮勇は似て非なるもの也」


「まったく、そんなに急くこともあるまい?儂らは逃げも隠れもせんというのに、焦り過ぎじゃのう」


「そんじゃ、この娘らはオタクらにお返しするぜ!せーの!!」


『そおぉらッ!!』



蛮族四天王は挨拶代わりとばかりに4人を片手で軽々と投げ飛ばす。野球のボールのように投げられたラパン、アイラ、ザラーム、ラッテは為す術無く闘技場の壁に叩き付けられ、呆気なく敗れ去った。



「ラパン選手、アイラ選手、ザラーム選手、ラッテ選手。以上4名、戦闘不能!」


「やれやれ…いきなり出鼻を挫かれたな…」


「イザサさんの仰るように蛮族四天王の皆様は逃げも隠れもしませんわ。落ち着いて隊列を整えましょう!」


「ルーシー、指揮お願いね!絶対に負けない…私達の絆の力で燃やしてやるんだから…!」



いきなり蛮族四天王の豪腕を見せつけられ面食らいながらも闘志を奮い立たせ、“挑戦者”として毅然とした意思を抱いて立ち向かっていく。果たして彩りの義勇軍は蛮族の王者に打ち勝てるのか?想いを1つに、色を1つに、力を1つに、勝利を掴め!!




To Be Continued…

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