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Rainbow God Bless  作者: 色彩天宙
Chapter6:闘技大会篇
175/330

第175話『色彩武勇~vol.13~』

シリーズ第175話目です。どうぞお気軽にご覧くださいませ!

強きを尊ぶ蛮族の国で己の彩りの力を示し、煌めかせる彩りの義勇軍一行。慈しみのプリンセスでありピンクの彩りの戦士であるネイシアが白き聖騎士団を率いるフローラルピンクの彩りの戦士ヴァレンタインを撃ち破り、戦士として戦う意思と覚悟を闘技の舞台で改めて見せつけた。



「ヴァレンタイン様、私達の一団にようこそお越しくださいました。これも天の巡り合わせですね」


「ええ。すごいわ…ネイシアはこんなにたくさんの仲間との巡り合わせに恵まれたのね。ブラン教皇国のヴァレンタイン、これよりお世話になります」


「ああ、よろしくな!俺はリタ、一緒にネイシアを守っていこうぜ!!」


「よろしく、リタさん。同じ志のもとに、共に歩んでいきましょう!」



ネイシアの気高き意思を受け止めたヴァレンタインは心優しき甘桃(スイートピンク)のプリンセスを守りたいと願い、自然に一行の輪に加わっていた。誰よりも他人の痛みを感受出来るネイシアに心惹かれ、彼女を守る決意を自ずと固めていた。



「ネイシアは自分らの大切な人ッス!愛情は山よりも大きく、優しさは海よりも深いッス~!!」


「そうだね、テリー。僕もネイシアの笑顔を守りたいと思う。きっと皆が思っているんじゃないかな」


「ああ、ネイシアと接しているとすごく暖かい気持ちになれる。その暖かい気持ちをもたらしてくれるものを“優しさ”というのだろう。私はコレットを一番に守りたいが、ネイシアも同じように守りたいと思う」


「フヒヒッ、浮気者だなゼータ氏ぃ!まあ、確かにネイシアちゃんが誰よりも優しいのは火を見るより明らかですな!」


「…ええ。まだ出会って日が浅いけど、私もネイシアさんが愛しく想えるわ。ネイシアさんの優しさがこの軍を支えているのね」



アメジストパープルの彩りの戦士ニュクスの言葉に皆が物言わずに頷いて同意を示す。彩りの義勇軍の皆がネイシアの優しさを汲み取り、大切に守りたいと願うようになり、最早1つの旗印と呼べるほどに共通の志となっている。当のネイシアは皆の想いを受け止め、優しく可愛らしく微笑んでいた。



「みなさん…ありがとうございます。でも…私も守られるだけではなく、一緒に戦わせてください」


「ええ、それが貴女の意思なら私に異論は無いわ。どうか精霊の加護がありますように…」


「まあ、とりあえずネイシア姉ちゃんのチームが勝ってホンマに一安心やわ。これからもウチらと一緒に戦っていこうな!」


「では、次は我々ですね。我らギャラクシア、全力を尽くします!」


「ミノア様、貴女達ほどの手練れなら闘技の舞台でも間違いなく活躍出来るわ。期待してるわよ!」



フローラルピンクの聖騎士ヴァレンタインを加えた一行は次なる戦いへと飛び込んでいく。続いては獅子座のミノア率いる星座の戦士達が闘技の舞台に踏み出す。先鋒水瓶座のヴィボルグ、次鋒山羊座のエルヴァ、中堅乙女座のアムール、副将双子座のツヴァイ、大将獅子座のミノア――シルバーピンクの彩りの国際警察エリスの言葉通り、天駆ける星座の戦士として広く名の知れた手練れの集う5人組の活躍は想像に難くないものだった。



「参ります…カーレントランサー!」


「うがあああぁぁぁぁッ!」


「…そ、そこまで!勝者、ヴィボルグ選手!この試合、ミノア軍の勝利!!」



圧倒的な実力に観衆は唖然呆然。先鋒を務めた水瓶座のヴィボルグがサックスブルーの彩りの力を以て敵軍の荒くれ者5人組を軽々と蹴散らした。重厚な鎧に身を包むサックスブルーの彩りの防衛隊長は倒れた敵将を一顧だにすることなく、淡々と後ろで見守る4人のもとに戻っていった。



「任務完了。駆逐したわ」


「あらあら~、あっという間に終わっちゃったわね~」


「見事という他にありませんね。天の導きに感謝致します…」


『いや~、すっげぇな!これなら蛮族四天王も目じゃないかもしれないな!』


『ヴィボルグはもともと強い人だけど、以前に増して強くなったように思えるわ。この軍に入って多くの仲間と繋がれたからかしら?』


「そうですね。きっとこれがモニカさんの謳う“絆の力”…我らの旗印を身を以て実感出来た、良い戦いでした」



無双とも言える水瓶座のヴィボルグの躍動は控え室で見ていたリーベ班の面々も目を丸くするばかりである。先鋒ハイビス、次鋒トック、中堅カシブ、副将ピカンテ、大将リーベ――自らの理想を現実として体現すべく前向きに突き進む5人組は目の前に迫る闘技の舞台に対しても闘志を宿した胸を高鳴らせていた。



「すっごい…圧倒的な強さです!」


「ヴィボルグさん、超イケてるじゃ~ん♪ガンガンのグルーヴで超ノリノリって感じ~!」


「これが天駆ける星座の戦士ギャラクシア…聞きしに勝る実力なのである!」


「ふうぅ…我が身に宿る邪竜が今にも暴れだしそうだ…生け贄どもよ、首を洗って待っていろ!」


「歓声が降り注ぐ美しいステージ、今から楽しみですわね♪さあ、私達の愛と夢と希望の物語を紡ぎに行きましょう!」



リーベ班の面々は天駆ける星座の戦士達の紡いだ波に乗るべく、前向きな想いで戦いの舞台に小躍りしながら踏み出す。愛と夢と希望の物語を紡がんとする大将の姿からは今一つ闘志を感じられず、観衆からは少なからず失笑が漏れていた。



「さて、リーベ達の出番か…少し浮わ付いているように見えるが、大丈夫か?」


「大丈夫よ、ヴィオ。リーベは菓の精霊アプロディテの加護を受けているもの。リーベと親しい4人も一緒だし、きっと勝利を紡ぐことが出来るわ」


「ピカンテも気合いが入っているのう!こりゃなかなか面白い一門だと思うわい!」


「み、みんな…見て!相手の中の2人に…!」


「し、祝福の証じゃん!?しかも2人…マジかよ!?」



双子の姉妹であるカタリナとトリッシュの言葉に皆の視線が敵軍の2人に集まる。リーベとピカンテ――双子の姉妹が率いる彩りの一団に相対する敵軍を率いるのは同じく双子の姉妹、カスタードイエローの紋様を持つ天真爛漫な少女とマッカレルブルーの紋様を持つ飄々とした雰囲気の少女――2人の彩りの戦士だった。



「まあ…!貴女達2人も天使の寵愛を受けた方々なのね!」


「イエーイ!天使の寵愛とかマジエンジェルじゃん!アタシはズッケロ!一応副将で~す!」


「ん、ザルツィヒっていうッス。ジャンケンに負けて大将になっただけッスけど…ま、よろしくッス」


「ズッケロとザルツィヒか …貴様らまとめて我が邪竜の餌食に――」


「Gランク勝ち抜き戦を開始します!両軍先鋒、前へ!」


「はい!テラコッタの騎士ハイビス、頑張りま~す!」


「ハイビス御姉様、貴女の素敵な愛と勇気の物語、この舞台で紡いでくださいませ♪どうか御武運を!」



リーベ班先鋒を務めるのはキャンディピンクの鎧に身を包んだテラコッタの菓騎士ハイビス。数ヶ月前までテラコッタ領で訓練生として修練する新兵だったが、主君ローザのお眼鏡に叶って騎士に推薦された経歴を持つ、前代未聞のスピード出世だ。兵士としての訓練課程も修了しないままの新兵が騎士に推薦されることに疑問の声も多く挙がっていたが、主君ローザは自らが訓練の相手をするなど甲斐甲斐しく世話を焼き、どうにか第一線で戦えるまでに鍛え上げた。そのため周りへの恩返しをしたいと常々張り切っているものの、少しドジな一面も見られる放っておけない人物だ。ハイビスカスピンクの紋様を左手の甲に煌めかせる若き騎士は勇んで戦いの舞台に踏み出し、敵軍先鋒の剣士と相対する。



「テラコッタの騎士ハイビス参上です!いざ勝負ですよ~!」


「元気だなぁ、嬢ちゃん!このベニェが遊び相手になってやるぜ!」


「むむっ、遊びとは失礼な!甘く見てると痛い目見ますよ~!覚悟ッ!」



ハイビスは得物の手槍を携え、敵軍先鋒のベニェという男に果敢に立ち向かっていく。荒々しい剣勢にハイビスは少しばかり気圧されるものの、すぐに闘志を奮い立たせて毅然と迎え撃つ。



「そぉら!オラオラァ!!」


「てやっ!ええぇい!!」


「うおっと!?確かにまあまあスジは良いが…これなら俺の勝ちだな!ワッハハハッ!!」



リーベ班先鋒ハイビスは騎士の誇りを抱きながら奮戦するも劣勢に立たされている。同胞にいきなり立ちはだかる苦境をテラコッタの騎士達は不安を滲ませながら見守っていた。



「ぬうぅ…親愛なる同志ハイビスよ、どうにも苦戦しておるな…」


「まあ、ハイビスは我々の中でも一番の新人だからな…多少ヘマしても大目に見てやろうか…」


「グラジオ、そんなこと言っちゃダメなの!一生懸命戦うハイビスを信じてあげなきゃ可哀想なのよ!」


「パンジーの言う通り!今はハイビスが頑張るしかないんだから、みんなで応援してやろうじゃないかよ!」



パンジーとヒーザーの熱い言葉を受け、沸き立つ仲間達は次々に声援を送る。が、劣勢は簡単には覆らず、ハイビスはベニェに気圧される一方であった。



「おいおい、どうしたよ?ご立派な騎士様がそんなにオロオロしてちゃ――」


「うわわっ!?イタタ、転んじゃった…って、あれ…?」


「グッ…な、何いぃ!?」



ハイビスは状況を飲み込めず、目の前の光景にポカンとする。転んだ拍子に手槍が手元からすり抜け、ベニェの右肩に突き刺さっていた。思いがけずに転がり込んだ幸運がハイビスに優勢を呼び込み、劣勢に翳っていた戦局に光を差した。



「やりぃ、これはラッキー!たぶん日頃の行いってやつだね!そんじゃ、思いっきり本気出すよ~!」


「クソッ…なんてこった…!」


「我が祖国の輝く未来、ババンと紡がせていただきます!テラコッタ・ドリームインパクト!!」


「ぐああああぁぁッ…!」


「そこまで!勝者、ハイビス選手!」


『うおおおぉぉぉッ!!』



天にもたらされた強運が菓騎士ハイビスに勝利を呼び込み、闘技場を驚きの混じった歓声が包み込む。いきなり一筋縄ではいかない幕開けとなったが、果たしてリーベ班は勝利を掴めるのだろうか?彩りの義勇軍の戦いはまだまだ続く!




To Be Continued…

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