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Rainbow God Bless  作者: 色彩天宙
Chapter6:闘技大会篇
132/330

第132話『蛮勇闘技~vol.22~』

シリーズ第132話目です。どうぞお気軽にご覧くださいませ!

腕自慢の戦士達の闘志が赤き火花を散らすビンニー国の闘技の舞台にて躍動する彩りの戦士一行。痺れるほどのボルテージを見せ付けたトリッシュ班に敵軍大将として相対したエレクトリックパープルの彩りの戦士ヘンドリックスはある目的で一行のもとに現れていた。



「…よし、良い感じだ!科学者さん、恩に着るぜ!」


「礼には及ばないわ。これくらいの電気回路の修理なら朝飯前よ」


「さっすがシェリー!バリバリのボルテージじゃん!」



シェリーの手によってギターが修理され、ヘンドリックスは再び彩りの力を高鳴らせる。雷の戦士トリッシュは穏やかな笑みを浮かべながら言葉を続けた。



「なあ、ヘンドリックス…よければアタシ達と一緒に旅しないか?」


「ん?それってつまり、アンタらの仲間になれってことか…?」


「ああ。こうしてアタシと同じ雷の力の戦士と出会って、ヘンドリックスとの絆も大切にしたいって思ったんだ。頼む、一緒に来てくれ!」


「そうね、私も貴女のギターに触れて、私の中で力が高まるのを感じたわ。貴女のその力、もっと解析したい…!」


「アタシも!テラコッタの雷騎士として、ヘンドリックスと一緒に戦いたい!頼むよ!」


「…ああ、いいぜ。ギターを直してもらった礼をしたいし、アンタらとつるむのも面白そうだ。一緒に行くよ」



我が強そうな印象からはあまりにも予想外な拍子抜けするほどの快い返答を受け、一行は呆気にとられる。一行の先頭に立って統率するモニカとマリーが意思確認にと歩み寄った。



「ヘンドリックス殿…随分とあっさりした返答だが、本当に良いのか?」


「私達の旅は戦いの旅なので、面白くないかもしれませんが…大丈夫ですか?」


「おいおい、やる前から勝手に決め付けるなんてイケてないんじゃねぇの?面白いか面白くないかはオタクらの価値観じゃなくて、アタシの心が決めるのさ!ってことでよろしくッ!」


「な、なんだい…熱かったりあっさりしてたり、何考えてるかよくわかんない奴だねぇ…」


「まあ、ここは本人の意思を尊重しよう。少なくとも悪人ではなさそうだ」


「そうだね、ヴィオ…さて、次は私達の出番だね!張り切っていくよ♪」


「そっか、姉貴達の出番か…4人が一緒だから大丈夫だと思うけど、絶対に無理だけはしないで!」


「ありがと、トリッシュ♪よ~し、頑張るぞ~!」



紫電の詩人ヘンドリックスを加えた彩りの戦士一行は次なる戦いへと挑む。戦いの舞台へ向かうのはカタリナ班の面々だった。先鋒アイラ、次鋒リボン、中堅スラッジ、副将サルビア、大将カタリナ――優しさという名の強さを持つ5人は想いを1つに、戦いの舞台へと踏み出そうとしていた。



「ソフトボールの時もそうだけど、こうして力を合わせて戦うってワクワクするね!」


「はい!シュシュよりも頼り無いかもしれませんけど…わたしも頑張ります!」


「ウヒョヒョッ、腕が鳴るぞなもし!カタリナはあっしが守ってみせるぞなもし!」


「スラッジ、やる気満々ね!私もテラコッタの騎士として、力を尽くすわ!」


「みんな、この5人が一緒ならきっと大丈夫って信じてるよ。力を合わせて頑張っていこうね♪」



カタリナの微笑みから滲み出る優しさが4人を包み込み、戦いの直前とは思えないほど穏やかな空気が醸し出されるが、戦いの火蓋が切られるのを今か今かと待ちわびる客席は反比例するように荒々しい高揚感に充ち満ちている。カタリナ班の5人も会場に満ちる熱気を感じ取り、静かに意気を高めていた。



「Gランク勝ち抜き戦を開始します!両軍先鋒、前へ!」


「はい!よ~し、トップバッター、頑張っていくぞ~!」


「アイラ、お願いね!頑張っていこう!」


「うん、ありがとう!…よろしくお願いします!」


「ほう、活きの良い奴だな…バルトロ、頼むぞ!」


「任せとけ!こんなガキ、軽くひねってやるぜ!」



カタリナ班の先鋒を務めるのはリーフグリーンの彩りを持つ野球少女アイラ。スプルース国にてソフトボールを通して一行と絆を紡ぎ、祝福の証を覚醒させた。明朗快活な葉緑の彩りの戦士は臆することなく敵軍先鋒バルトロに立ち向かっていった。



「そぉれ、スライディングキ~ック!」


「うおわっ!?このガキ、なかなかやるな…」


「フフン、私だって祝福の証の戦士なんだから!甘く見てると痛い目見るよ!」



アイラは敵軍の屈強な男に怯むことなく、持ち前の身体能力とソフトボールで鍛えた胆力と根性で彩りの戦士として果敢に戦っていく。客席の仲間達はリーフグリーンの戦士に暖かな視線を送り、穏やかに見守っていた。



「アイラ、いい調子だな。さすがは俺達にソフトボールを教えてくれた名コーチだぜ!」


「そうね、リタ。アイラは私達と一緒に試合をして精霊の刻印を目覚めさせた…彼女との絆はすごく印象的ね」


「はい…!アイラさんはスプルース国の緑を守り、私達との絆も大事に守ってくれる、大切な友達です…!」


「アイラ~!頑張れ~!負けないで~!!」



コレットの無邪気な歓声がアイラの耳に届き、優しく背を押していく。仲間達の暖かい言葉を背に受けたアイラは勇んで飛び込んでいく。得物として取り出した愛用の金属バットを構え、力一杯に振り切った。



「てぇいやっ!!」


「ぐええっ!クソッ、こうなったら一度離れるか――」


「そうはさせないよ!私の力、見せてやるんだから!渾身の1球、受けてみろ!!」



アイラは闘志を奮い立たせ、彩りの戦士として毅然とした意思で対峙する。リーフグリーンの彩りが煌めく左手でボールを握り、猛々しい構えを取った。



「これで決まりだよ!彩りの魔球!リーフグリーン・ファストボオォォルッ!!」


「ぎゃあああッ!!」


「そこまで!勝者、アイラ選手!」



活き活きとしたアイラの躍動に心を動かされた観衆による暖かい拍手が会場を包み込む。会場全体が暖かな空気に包まれ、闘技の舞台としては異質な雰囲気が形成されていた。



「やったよ、カタリナ!勝てちゃったよ~!」


「すごいよ、アイラ!その調子でどんどん行こう!」


「フン、そいつはどうかな?このビアフォ様が相手してやるぜ!」



敵軍次鋒のビアフォは先鋒のバルトロよりも少し小柄だが、手斧を携えており、見るからに勇猛な色合いを滲ませている。アイラは再び表情を引き締め、彩りの戦士として迎え撃っていた。



「うおりゃああ!!」


「うわわっ…ひええっ…!」


「そぉら!オラオラァ!どうしたんだよぉぉ!」



ビアフォは得物の手斧を振るい、一気呵成の勢いでアイラに迫ってくる。アイラは最初は堂々と迎え撃っていたがビアフォの気迫に気圧され始め、次第に後退りしていく。ビアフォは相手の迷いを見逃さず、畳み掛けるように何度も斧を降り下ろした。



「イタタ…つ、強い…!」


「ビビってんじゃねぇぞ!そぉら!」


「…えぇいッ!!」



アイラは咄嗟に構えをとり、飛び込んできた手斧をバットで打ち返す。金属同士がぶつかり合う甲高い音と共に緩やかに弧を描いて手斧が地に落ちるが、ビアフォは動じる様子もなく不敵な笑みを浮かべていた。



「ほ~う…少しは頑張って考えたが、無駄だったな?」


「うわわわ…そ、そんな…!」


「それじゃ残念賞として斧を使わねぇでカタをつけてやるぜ!オラァッ!!」


「うわああッ…!!」


「そこまで!勝者、ビアフォ選手!」



アイラは力自慢のビアフォに殴り倒され、惜しくも敗れてしまった。カタリナ班の4人が心配そうな表情で駆け寄り、アイラに心配と労いの言葉をかけていた。仲間を優しく気遣うカタリナ班の姿は再び闘技場に穏やかな空気を醸し出していた。



「アイラ!大丈夫!?」


「サルビアさん、大丈夫です…ごめんね、みんな…負けちゃった…イタタ…」


「アイラ、ドンマイぞなもし。あとはあっしらに任せてゆっくり休むぞなもし!」


「アイラ、お疲れ様…治癒術かけてあげるからね…」


「次はわたしですね…うう…こ、怖いけど、精一杯頑張ります!」


「うん、アイラの分も私達が頑張ろう。リボンちゃん、気を付けてね…」



カタリナ班の4人が先鋒アイラの想いを引き継ぎ、次鋒を務めるベビーピンクの彩りを持つ妖精少女リボンが勇気を振り絞って前に飛び出していく。優しさという名の強さを持つカタリナ班は迫り来る脅威に打ち勝てるのだろうか?闘技の舞台で躍動する彩りの戦士達の戦いはまだまだ続く!




To Be Continued…

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