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Rainbow God Bless  作者: 色彩天宙
Chapter6:闘技大会篇
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第122話『蛮勇闘技~vol.12~』

シリーズ第122話目です。どうぞお気軽にご覧くださいませ!

ビンニー国の闘技大会にて躍動する彩りの戦士一行。サラダボウルのようにカラフルな彩りを紡ぐアミィ班が天駆ける星座の戦士の1人である双子座のツヴァイ率いる一団を撃ち破り、彩り鮮やかな勝利を掴み取った。敵軍大将を務めた双子座のツヴァイは自らの首領である獅子座のミノアが待つ一行のもとへと真っ先に歩み寄っていた。



「ツヴァイ…まさか貴女とこんなところで会うことになるなんて…」


『ええ。私も驚きました…傭兵の仲間達と腕試しに来ていたのですが…星座を紡ぐ星々の巡り合わせですね』


『おう!ミノア様も元気そうで何よりだぜ!世界って広いようで意外と狭いもんだよな!』


「あんたねぇ…別々に喋るんじゃないよ!ややこしいったらありゃしないじゃないのさ!!」


『…申し訳ありません。双子座のツヴァイ、全力を以てこの軍の力になりましょう』


「ありがとう。ツヴァイ、これからまた共に戦いましょう!」



赤と青――2つの彩りが寄り添うツインヴァリーの紋様を持つ双子座のツヴァイが一行に新たな彩りを添える。両軍の大将同士として刃を交えたばかりのアミィも新たな仲間となったツヴァイを笑顔で歓迎していた。



「なんやまたまた賑やかになりそうやなぁ…まあ、昨日の敵は今日の友っていうやつやな!」


「うん!それにしてもアミィって超すごいよね!ウチなんてツヴァイさんの姿見て超ビビっちゃったのに、アミィは負けないで超頑張ってたもんね~!」


「うむ、血沸き肉躍る、見事な戦いだったでごわす!大将らしい堂々たる勇姿、感動したでごわす!」


「うん、凄かったよね!私はこれまで毒のギルド以外の人とチームを組むことはなかったし、良い機会だったよ!」


「ええ、垣根無しに良い戦いだったわね。世界の広さを知ることも出来たし、有意義な体験が出来たわ!」



アミィ班の仲間達は戦いの中で絆を紡ぎ、確かな信頼で結ばれていた。5人の彩り、5人の力、5人の想いを1つにして掴み取った勝利は何物にも替えがたい宝物であり、5人が紡いだ絆の賜物だ。



「ツヴァイ、貴女は名うての傭兵であり優秀な戦士です。が、少しばかり自分自身の手腕を過信してしまったようですね?」


『そうだな…ミノア様の言う通りだ…正直なところ、勝てるって油断してた。アミィがあんなに機転が利くなんて思わなかったから、驚いたよ…』


『そんな我らの慢心を見逃さず、アミィさんは様々な策を巧みに駆使し、我らを撃ち破りました。感嘆するばかりです』


「アミィ、見事でした。5人の絆がもたらした勝利、私もとても嬉しいですよ!」


「おおきに、モニカ姉ちゃん!そやなぁ…ヴァイン姉ちゃん、オトロヴァ姉ちゃん、ヤンタオ姉ちゃん、カメリア姉ちゃん…みんなに助けてもろうて、大将としては頼りないかもしれへんけど、みんなのおかげでどうにか勝てたで。この5人で戦えてホンマ良かったわ♪」


「5人が協力して戦う姿、とても素敵だったよね!アミィ達みんな戦う前よりも仲良くなった気がするよ♪」


「うむ、カタリナの言う通りじゃわい!アミィも強くなったもんじゃのう!」


「ええ、ツヴァイとの戦いでアミィの力を司る星の精霊の力が強まったのを感じたわ。仲間と共に戦うことがアミィの力を引き出したのね」


「私達の力の源は祝福の証の彩りであり、私達が共に紡いでいく“絆”です。これからも皆で共に歩み、共に戦いましょう!!」



アミィ班の5人がカラフルな絆を紡ぎ、双子座のツヴァイを加えた一行はまだまだ闘技大会に挑み続けていく。続いては己の拳や脚を得物とする格闘術に秀でるテリー班。先鋒ヤート、次鋒ラパン、中堅ランディニ、副将キャロル、大将テリー――戦いを本分とする5人は戦いの火蓋が切られる時を今か今かと待っていた。



「よ~し、気合い入ってきた…毒の力でノックアウトしてやるぞ!」


「いよいよこの日が来た…ラパン流の究極奥義、観衆の皆々様に見せつけてやりますよ!」


「うおぉ~っ!!親愛なる同志達よ!力を1つに、想いを1つに、必ずや勝利を我等の手に収めようぞ!」


「僕もさっきから心が昂って仕方ない…こんな気持ちは久しぶりだよ!絶対に勝ってみせようじゃないか!」


「よっしゃあ!闘魂燃えてるッス!自分らの熱き魂、完全燃焼させるッス~!!」



テリー班の5人は円陣を組んで心を1つに共鳴させた後、胸の内に闘魂を熱く燃やしながら闘技の舞台という名のリングへと赴く。赤き熱気を立ち上らせそうなほど熱い闘志をみなぎらせていた。



「ただいまより、Gランク勝ち抜き戦を開始します!両軍先鋒、前へ!」


「よっしゃ、任せろ!ウチの拳でノックアウトしてやる!」


「ヤートさん、お願いしまッス!燃える闘魂、見せつけるッス~!!」


「ほう、活きのいい奴だな!全力で叩きのめしてやる!!」


「頼むぜ、カール!気合い入れてブッ飛ばせ!!」



テリー班先鋒を務める毒の拳闘士ヤートが勇んで前に飛び出す。ヤートと敵軍先鋒のカールが互いに拳を撃ち合う光景はさながらボクシングの試合のような迫力とスピード感に満ちていた。



「うおおぉらッ!!」


「ゴフッ!…ヘヘッ…姉ちゃん、いいパンチじゃねぇか…そらよぉッ!!」


「グッ!…チッ、よくもやりやがったな…アッパァァッ!!」


「うがあっ!こ、このガキ強えぇ…!!」


「オラオラァ!ナメんじゃねぇぞコラァ!!」



ヤートとカールは互いに示し合わせていたように拳のみで戦う。荒々しくも軽快な拳の撃ち合いは観衆の心にも火を点け、会場のボルテージは次第に高まっていく。観衆全員の視線が周囲の風景を遮断し、ヤートとカールの2人だけに集中していた。



「クソッ…な、なんてこった!!」


「そぉら、アゴが上がって るぞ!うおおぉらッ!!」


「うがっ…!!」


「よっしゃ、ノッてきた…毒の拳、受けてみな!」



互いの拳が躍動し、互いの闘志を昂らせていく。粗暴な不良時代の面影を見せるヤートは青紫の紋様を妖しく煌めかせ、猛スピードの毒突きを見舞っていった。



「ベノムナックル!アリアリアリアリアリアリィッ!!」


「ぐえっ!?な、なんだよコイツは…!?」


「そぉら!どうだぁ!」



敵軍先鋒カールはヤートの彩りの力を込めた毒突きをまともに受け、顔を青白く染めてよろめく。更に昂ったことで血の巡りが早くなり、毒が一気に全身に回ってカールを蝕んでいた。



「ク、クソッ…体が…動かん…!」


「コイツもくらいな!ウチのとっておき!ベノムナックル・コークスクリュー!!」


「がはああッ…!」


「そこまで!勝者、ヤート選手!」


『うおおおぉぉぉ~ッ!!』



鮮やかなノックアウトに観衆が沸き上がり、地鳴りのような歓声があがる。勝利に沸く仲間達の中でもビアリーとその臣下である毒の彩りの戦士達が一際大きく歓喜していた。



「素晴らしいわ…美しく輝く闇の彩り、あたくしを悦ばせる毒の彩り…素敵よ…」


「よし、ビアリー様もお喜びだ!ヤート、その調子だよ!」


「ヤートさんすっご~い!超イケてるじゃ~ん!!」


「おう、どえりゃあ強えぇがや!ヤートの毒の拳はおそがいくらいの威力だがや!」


「そうですね、ドゥイヤオさん。私達の毒の力の源もまた、皆で共に紡ぐ絆なのですね…見事です」



ヤートは荒々しく拳を振り上げて自らの武を誇示する。テリー班の面々は堂々と先鋒を務めるヤートの毒の拳に昂り、己の闘志に火を点けていた。


「おお…毒の力だけでなく、素早さと力強さを併せ持った良い攻めだね。僕にも参考になるよ!」


「うわぁ~…ヤートさんの毒の格闘、ワイルドでカッコいいです!」


「うおおぉぉ!親愛なる同志ヤートよ!!その武勇に敬意を表するッ!!!私は今、猛烈に感動しているッ!!!!」


「ヤートさん、さすがッス!闘魂燃えてるッスね!!その調子でガンガンいくッス~!!」


「おう、任せとけ!さあ、どんどん来い!ウチの毒の餌食にしてやる!」



敵軍は選手交代――次鋒のフリッツがヤートと拳を交えんと前に歩み出る。カールと同じく筋骨隆々の体躯でありながら静かに闘志を燃やしており、落ち着いた表情でヤートに向かい合っていた。



「よう、姉ちゃん…カールを倒したその腕、見せてみろよ…どうした、俺が怖いのか?」


「怖い?ふざけるなよ!ベノムナックルッ!!」


「おお、熱いねぇ…それならこちらも!!」



ヤートは挑発に乗り、荒々しく毒突きを仕掛ける。毒の拳の高速の連撃に対し敵軍次鋒のフリッツは臆することなく、負けじと猛ラッシュで応戦していた。



「アリアリアリアリアリアリィッ!!」


「うおぉららららららぁ!!」


『おおおおぉぉ~…!!』


(は、速い…!しかも強い…押されないようにしないと――)


「うおおぉぉらああッ!!」


「グッ…!!」



僅かに遅れを取ったヤートが高速ラッシュを受け、守勢に立たされてしまった。数発のパンチをまともに受けてしまい、地に膝を着く。フリッツの拳圧に押し負けてしまったことに苛立ち、悔しさを露にしてみせた。



「クソッ…!!」


「残念だったな。確かに良い腕前だが、ほんのちょっとだけ俺の方が上手だったってことだ…さあ、カタを付けてやる!」


「チッ、こうなったら…ベノムナックル・バースト!!」


「うおぉっ!?」



ヤートは青紫の紋様を煌めかせ、拳形の毒氣を至近距離でフリッツに叩き付ける。一度は弾き飛ばされたものの、フリッツは奇襲にも動じることなく、不敵な笑みを浮かべていた。



「フフッ…フハハハッ!」


「な…何ッ!?」


「甘いんだよ…そんな虚仮威しで俺が倒せると思ったか!?このクソガキィィッ!!」


「ウグッ…!ち、ちくしょう…!」


「そこまで!勝者、フリッツ選手!」


『おおおおぉぉ~ッ!!』



ヤートはフリッツの拳圧に屈し、敗れてしまった。守勢に立たされてから一気に気圧されてしまったことに不甲斐なさが募る。地を叩いて悔しがり、苛立ちと無念を滲ませていた。



「ちくしょう…負けちまったよ…」


「ヤートさん、お疲れッス…あとは自分らに任せるッス!」


「よ~し、私に任せてください!ラパン・ラヴィッツ、行きま~す!!」



テリー班次鋒は石竹色の紋様を煌めかせる可憐な格闘家ラパン。軽快な動きで闘技の舞台を駆け回り、瞬く間にペースを掴んでいく。彩りの力を以て立ち向かうラパンの姿に不安や緊張はなく、寧ろ戦いを楽しんでいるようにも見えた。



「とうッ!てやぁッ!!」


「ぐおっ!?チッ、すばしっこい奴だ…!!」


「やっほ~い!こっちこっち~♪」


「ん…なんのつもりか知らねぇが、さっきの奴より弱そうだ…ちょいと泳がせてやるかなっと…」


「よし、チャンス!…隙ありっと♪」



得意の挑発と持ち前のスピードで翻弄し、畳み掛けるように連続で蹴りつける。フリッツが間合いを離すや否やラパンは滑り込むように駆けていき、スライディングでフリッツの足下を掬った。



「脱兎脚!!」


「うげッ!!」


「っしゃあ!どうしたどうした~!」


「このガキィ…ふざけやがって!!ボコボコにしてやる――」


「兎神脚!!」


「何ッ!?」



ラパンは怒りに任せて懐に飛び込んだフリッツを彩りの力で迎撃する。練り上げた石竹色の闘気を足に纏わせて一気にぶつける。自己流でありながら真っ直ぐな意思と誇りが煌めく己の武術“ラパン流”を以て躍動していった。



「ラパン、見事です!あんなに強い技を修得していたのですね…!」


「おお、やるもんじゃのう!いけぇ、ラパンッ!!」


「もう一発くらえ!兎神きゃああくッ!!」


「うぐああッ!!」



ラパンは一気に攻勢に立ち、フリッツを追い詰めていく。勝負を決するべく練り上げた石竹色の闘気はバチバチと弾ける電光を帯びていた。



「いっくよ~!ラパン流奥義!!雷迅兎神脚ッ!!!」


「ぎゃあああッ!!」


「そこまで!勝者、ラパン選手!」


『おおおお~ッ!!』



石竹色の紋様の彩りの力、共に戦う仲間達への想いを込めた蹴りで一閃し、勝利を勝ち取ったラパンは満面の笑顔でガッツポーズで声援に応えてみせた。が、次なる相手である敵軍の中堅はカールやフリッツよりも巨大な体躯の男だ。果たしてテリー班は勝利を掴み取ることが出来るのだろうか?彩りの戦士達の戦いはまだまだ続く!!




To Be Continued…

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