プロローグ
始まりました、魔術側のストーリーMagician of Bahamut。更新は不定期になりそうですが、頑張って更新していきます。
『魔術』。それは日本で生まれた『動書術』と同時期に現れ、二つに別けられた大陸の一つ『ヴァステード』に広まった異能の力。
対となる魔術と動書術。双方の大陸に広まる異能の力は、この世に必要不可欠なものとなっていった……
「うわぁあ!!」
剣をその手から弾き飛ばされ、その場に倒れこむ少年。そして少年に剣の切っ先を向ける少女。
「相変わらずですね、ヴァイス。それでもローエングリン家の後継者なのですか?」
「うぐ……シャルクスが強すぎるんだよ……」
「逆に貴方が弱すぎるんです」
「ぐう……」
ゆっくりと立ち上がり、弾き飛ばされた剣を拾う。彼は『ヴァイス・ローエングリン』。動書術における四神の一族の対となる『四獣家』の一つ、ローエングリン家の長男であり後継者。
「情けない……昔は貴方の方が剣術は上だったのに、今は魔術も剣術も……」
剣を鞘に収め、呆れた顔でヴァイスを見る金髪緑眼の少女。彼女も四獣家の一つ。アーヴェンエルグの後継者『シャルクス=アーヴェンエルグ』だ。
「……何時の話してるんだよ。僕はもう部屋に戻るよ、午後から祠にいかなきゃならないから」
「そうですか、遂に貴方も…ですか。頑張ってください、少しですが応援しています」
「あはは……ありがと、それじゃ」
苦笑しながらヴァイスは自室へと歩いていった。
「……わかっていますよ、彼にならきっとワイバーンも応えてくれます。幼馴染ですから、心配するのは当たり前です。ええ、そうですね」
その時シャルクスの背後に、大きな光りが現れていた。
一話は近日更新します。