表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

第7話

   

「なるほど。竜の巨体ならば、さぞや大量の食べ物が必要なのでしょうね」

 大袈裟に頷きながら発言したのは、無言で考え込んでいたら心を覗かれるだろうし、それは()けたかったからだ。

『うむ。しかし(われ)にとって重要なのは、肉体的なエネルギー消費よりも魔力の問題だ。木の実や野草、リスやウサギでは、いくら食べても魔力の補充にならん』

 ゲイボルグは少し遠い目をした(あと)、まるで僕を覗き込むみたいに、(いか)つい顔を近づけてくる。

『しかし人間は違う。使いこなせておらんが、潜在的な魔力は膨大。勿体ないくらいだぞ!』


 確かに、僕たち人間には魔力がある。

 例えば僕はそれを魔法という形で具現化できないが、魔力が体内に(たくわ)えられているからこそ、魔導通信具や魔導ランタンみたいな器具を使いこなせるのだ。

 一瞬そう考えた直後、ハッとする。一番最初に竜が言った『ちょうど良いところに現れた』を思い出したからだ。


『うむ、それだ。(なんじ)は魔力の補充に適したエサだから……』

 気づいた時には手遅れで、大きく開いた口が目前に迫っていた。

 上顎から生えた牙は(したた)(よだれ)(ぬめ)っている。それがはっきりわかるほどの距離だった。

 思わず目を閉じてしまうと、僕の意識は暗転して……。

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ