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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第2章

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43 ラピスラズリ本店


 あの後、子供達がわーわー言いながら、はしゃいで走り回ってる間に逃げてきたけれど、恥ずかしくて前を向けない。物凄く顔が熱いわ。

 捕まらなかった自分を褒めたいわ。

 「よく、両手で顔を押さえたまま歩けるわね。随分とまぁ器用なのねぇ」

 別に好きで押さえてるんじゃないわよ。恥ずかしいやら悲しいやら、ちょっと泣きそうになってきた。もう泣いてもいいよね?


 余談だが、現在の漫画(健全本の方)ランキング第一位が女騎士がオークと食堂を切り盛りしていく話らしい。もしかしてそっちのことだったのかもしれない。



 「ここまで長かった」

 「そうね。大半はあなたが余計なことに時間を割いたのが大きんじゃないの?」

 「まぁ、もともと来る予定は無かったんだけど、衝撃の事実が発覚してしまったからね。しょうがないね」

 周りの建物より一際大きい建物。ラピスラズリ商会本部にして本店。全ての商品を取り扱っている唯一のお店だ。

 衣装におもちゃ(カードゲームにボードゲームから知育玩具に人形やぬいぐるみ等)、書籍等、主に娯楽品を取り扱っている。雑多な置き方はせず、高級感を出す為、広く余裕を持った展示方法をしている。といっても、買いに来るのは専ら領内の人が殆ど。群馬の有名なラスク屋さんみたいな感じだろうか。商品自体は一部を除いてリーズナブルな価格設定にしてある。


 そして、ここには私とお姉様に代わって日頃の管理をお願いしている人がいる。

 今日はその人たちが勝手なことをしていないかの確認で来たのだが…。


 「思ったより大きくてびっくりだわ」

 「中も結構凄いわよ」

 そう言って、扉を開け中へ案内する。

 中へ入ると、店員さんが一人近づきお辞儀をする。

 「いらっしゃいませ、お客様……って、クリス様じゃないですか。本日はどうなされたんですか?」

 急にフランクな対応になる。いや、別にいいけどさ。

 「ちょっと、気になることを確認しにね。コロナさん達はいるかしら?」

 「コロナ様でしたら、事務所におりますよ。お呼びしますか?」

 「ありがとう。大丈夫よ。私的なことだから、こっちから行くわ。あ、普段通りでいいからね」

 「かしこまりました」

 そう言って、少し離れたところに待機する店員さん。


 すると、すかさず背中のあたりをツンツンと引っ張られる。はいはいなんですかソフィアさんや?

 「ね、ねぇ。すごくない? 店内も広いし、綺麗で明るいし、服に、本におもちゃまである。まるで、大人用のおもちゃ屋さんみたいね!」

 うーん。その言い方だと語弊がありますね。人によっては誤解しかねない言い方なので、訂正していただきたいところだ。

 そんなソフィアは目をキラキラと輝かせながら、店内を眺めている。

 「ね、ねぇ。ちょっと見て回ってもいいかしら?」

 「時間もまだあるからいいんじゃない?」

 言い終わる前に、ボードゲームやカードゲームなどが置いてあるコーナーに足早に去って行ってしまった。


 暫くすると、近くにいた店員さんにあれこれ話しているので、どれを購入するか話しているのかもしれない。

 「いや、凄い数があるわね。思わず、ここにあるもの一通り頂戴って言ってきたわ。配送とかやってる?」

 まさかの大人買い。普段そこまで買う人いないから配送とか考えたことなかったな。今後検討する必要があるね。


 「ところで、ここってお菓子とか売っていないの?」

 「そうだね。お菓子とかに関してはうちのサブブランドの《アズール》でチョコとかキャラメルとか販売してるわよ。後で行く?」

 「行く!」

 即答かよ。他にも和菓子専門店の《青星》。焼き菓子とケーキのお店の《ロワゾー・ブリュー》と《セレスト》。あと、アジア系のお菓子で《ブルーティアーズ》と《青竜》というのもある。全部行ったら太るんじゃないかしら?

 ちなみに、茶葉専門店 《マロウブルー》と珈琲専門店 《ブルーマウンテン》もあるけど、ソフィアはお菓子しか買いに行かなそう…。


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