表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第2章
73/432

40 衝撃の事実


 ちらっと、奥の方を見ると、もう一人のメイドさんが小さい子どもたちに紙芝居のようなものを見せていた。やっぱり、あの年頃だと、絵本とか紙芝居好きよね。

 どれどれ、どんなものをやっているのかしら?


 「………そうして、クリス様は丸呑みされた触手様の中で苗床として一生を過ごしていくのでした。めでたしめでたしー」

 「ちょっと、アマベル!!! 何てものを見せているの! 情操教育に悪いでしょう! 何考えてるの⁉️ こんな小さい子どもに見せる内容じゃないでしょう!!!」

 秒で突っ込んだね。いや、ここで指摘しなかったらダメだと思う。

 春画に文字が書いてあるイラスト集みたいなものを紙芝居代わりに見せていた。

 確かにこの世界に年齢制限なんて無いけれど、子どもに見せる内容じゃないでしょう? それに、性癖が偏ってるのよね。私の趣味ドンピシャではあるけれど…。


 「え? これですか? これは『クリス様は今日も丸呑みされるそうです 14』ですが…」

 「14? 十四冊目ってこと? バカじゃないのあなた?」

 「でも、皆さん、自分の書いたものをこうして紙芝居風にしてますよ?」

 これは厳重注意ものだわ……。

 というか、他のメイドもこんなことやってるの? とんでもないことだわ。

 「これって、ここだけで見せている感じ?」

 「いいえ、ちゃんと、お店でも販売してますよ?」

 何言ってんだこいつって目で見てくるアナベル。おっとり文学少女みたいな見た目してとんでもないことやってるわね。


 「そもそも、最初にクリス様がこういったものを描かれたのが最初ですよね?」

 「うぐっ!」

 いや、まぁ…。はい。描きました。何冊かそういう本描きました。あらゆるジャンルを一通り描きました。だって、他の人で描くわけにもいかないから、自分を題材にするしかないじゃない? でも、まさかそれを子供に見せるって思わないじゃない?

 「それを、私たちがクリス様を想って、好きなシチェーションで描いているだけです。何かおかしいことがありますか?」

 「ん? んん?」

 あれ、おかしいこと言っているよね? 正々堂々言われてるからよく分からなくなってきた。

 「そうして作った私たちの想いを、皆んなで共有することが、クリス様への想いを一致団結することになると思うのです」

 「????????」

 ちょっと何言ってるかわからないわ。


 「ねぇ、普通の絵本を読むとかしないの? 前にそういうの描いたよね?」

 「子供達も毎回同じので飽きちゃいましてー。それで各々自作のクリス様の素晴らしさをこうして絵にして学習しているわけです」

 何が素晴しさよ。ただ、自分の性癖暴露してるだけじゃないのよ。

 子供達にも悪影響が出ているわね。どうりで、最近バカにされてる気がしたのよね。

 いや、バカにされてるっていうより、何がどう扱いがおかしいかは分からないけれど、言葉にできない感じで違和感を覚える。


 そんなやり取りをしていると子供達がわらわら集まってくる。

 「これ実話ってほんとー」

 「クリス即おちー」

 「クリスしゃまもやることやってるんでしゅねー」

 「つづきつづきー」

  どうしてこうなった。これは他にもこういうのがあるかもしれないから、お店に確認しに行かなければならないわね。

 「これは確認しに行かないといけないわね!」

 目をキラキラさせたソフィアが鼻息荒く急かしてきた。多分、今まで会った中で一番興奮している気がする。


 そんな下らないやりとりをしていると、おやつの準備ができたのかエペティスさんが子どもたちに声かけをしていた。

 「ほら、お菓子を食べる前に手を洗うんですよー」

 「「「「はーい」」」」

 そう言って、子供達は飲食スペースの方へ走って行った。

 その場にポツンと残された私たちは、アナベルに一緒に食べるかを聞かれた。

 「お二人も子供達と一緒におやつ食べますか?」

 「食べ「いいえ、恥ずかしくて一緒に食べられそうにないから、今日は遠慮するわ」

 ソフィアが一緒に食べたそうにしていたが、新事実が発覚した今どんな顔して子供達と会えばいいのかわからないわ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ