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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第2章

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25 3バカの目的は…


           *      


 折角、かわいいクリスティーヌ嬢を見ながら食事ができると思っていたら、鬼の形相をしたソフィアにボコボコにされてしまった。

 お陰で、視界ゼロの夕食になってしまった。勿論、食べ物は全部血の味しかしなかった。今日は生肉づくしだったのだろうか? まぁ食えれば問題ない。


 そんな事よりも、うちの妹には困ったものだ。淑やかさがない。それに比べ、あの怯えるような表情をしたクリスティーヌ嬢はとても庇護欲をそそられた。

 ソフィアももう少し、可愛げがあればいいのだが、私たちと同じく転生者である為か、どうも大人な思考をしている。演技でもいいから子供らしくして欲しかったりする。

 まぁ、実の妹に欲情なんてしないので、実際ぶりっ子されたら暴言を吐いてしまうかもしれない。そして、またボコボコにされるのだとしたら、今のままでも……、あれ? 変わらないな。まぁ、いいか。自分のやりたい事には、全く不要なので、そこまで重要視はしない。しない事にしよう。


 今取り組んでいるプロジェクトも核融合による動力源の確保ができずに頓挫してしまった。

 しかし、もう一つのモノなら、次男のムック。三男のスケキヨの協力があれば、完成することが出来るかもしれない。彼らも男だ。浪漫を求める同士なので、この件に関しては、他のものより優先して取り組んでくれている。

 とはいえ、クリスティーヌ嬢の協力なくして完成はない。どうしたものか…。

 唇を尖がらせて上を向いて深く考えていると、スケキヨの小さい声が聞こえた。


 「……シド兄……、青い……髪の毛……あった………」

 でかしたぞスケキヨ!

 歳の割に背の低いスケキヨをその場で高い高いしてしまった。

 「……やめ……」

 「あぁ、すまない」

 すぐに下ろす。スケキヨの手の中の髪の毛を見る。毛根は、あった。あったぞ! これで、解析ができる。ふふふ…。やったぞ。できる事なら、あと何本か欲しいが仕方ない。あとは、最低限唾液を……。

 テーブルの上を見ると、いつの間にか食器は片付けられていた。なんて仕事の早い使用人達だ。くっ……。


 そういえば、ムックが見当たらないな。

 「ムックはどこに行ったんだ?」

 「……わからない……」

 しばらくすると、すごすごと気落ちしたムックがどこからか戻ってきた。

 「調理場まで行ったのですが、既に洗われておりましたぞ」


 まぁ、仕方ない。体液に関してはいずれ手に入れるとして……。

 「まぁ、次回手に入れればいいさ。それより、ほらこれ、スケキヨが見つけてくれたぞ。ムックならこれで何とかできるだろう?」

 「おお! 髪の毛。しかも毛根もついておりますな。では、早急に研究所で調査をします故、後はよろしく頼みますぞ」

 そう言って、足早に食堂を出て行った。


 「そういえばスケキヨ、ムックの研究の第一目標って何だか知ってるか?」

 「……知ってる……幼女になること……」

 ムックの目標は幼女になることだと、以前長々と語っていた。

 前世では、道半ばで結局叶わなかったとのこと。

 あんな喋り方の幼女がいてたまるか。やっぱり、クリスティーヌ嬢のようでなければ……。


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