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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第9章

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10 迎えに行こう③


 マーガレットとエリーがMPが下がりそうな謎の踊りをしている間に、マーガレットと一緒に行ったメイドさん達から、ただいまって挨拶と共にお土産を貰った。

 貰ったはいいのだが、どうして元のまま戻って来ないの?

 デイジーさんはクレオパトラみたいな格好だ。カラシリスともちょっと違うな。何だろうか…。

 マトリカリアさんは、意識高い系帰国子女みたいな格好だ。前よりまゆげが太い…。

 カモミールさんのは…カフタンかな? どこの地域のだろうか。ちょっと衣装について語り合いたい。

 最後にガーベラさんはチャイナドレスっぽいのを着ている。色っぽい。


 こうしてみるといろんな地域に行ったんだなぁ。

 真っ黒に焼けた…焼かれた? ようなシドさんとムックさんからは、用途不明の工芸品をいただいた。

 見方によっては卑猥な形に見える。

 帰って早々にソフィアに足蹴にされている。

 レオナルドについていったお付きのメイド、ディンゴちゃんとシャリオさんからもお土産を貰った。

 二人とも私の好みを知っていたのか、ディンゴちゃんからは乾き物を。シャリオさんからは三本ほどお酒を頂いた。ありがたい。

 

 さて、一番の問題児であるギガさんだが、クオンさんとプロフィアさんが来ていない為か、私の所へ一目散にやって来た。

 こうなるのが分かってたから来てないんだな。

 ギガさんは一体何に触発されたのだろうか。

 まさか、◯道の妻たちじゃないでしょうね?

 まだ暑いのに、着物を着ているし、髪型も決まっている。まさか刺青なんて入れてないでしょうね?

 そんなギガさんからは、長ーい白木の棒を貰った。

 「短い方が良かったかしら?」

 いや、あの…。長いのも短いのも要らないんですが…。

 そんな感じで、大体貰ったかな?

 みんなもいろいろ貰って荷物をどうしようか考えあぐねている。

 正直カバンを持ってきても持って帰れそうにないや。

 というか、寮に戻ってから渡して欲しかったな。

 仕方ない。メイドさん達にお願いして…って無理だわ。

 みんないっぱいいっぱいだわ。

 配送業者さんを手配するしかないかぁ。


 「クリス様。私をお忘れではないですか?」

 「あら。アーサー帰ってきちゃったんだ」

 「勿論。女神様のいるところが私のいる場所ですから……言い間違えですかね。なんか棘があるように聞こえたのですが…」

 「あー…、そうね、ちょっと噛んじゃったわ」

 「そうですか。そうですよね」

 アーサーもやっぱり、雰囲気が変わっていて、ロン毛だった髪はさっぱりと短くなっていた。何と言うかビジネスマンみたいな感じ?

 まぁ、向こうはこっちより暑いだろうからね。


 「ところで、ちゃんと言いつけは守ったんでしょうね?」

 「勿論です。女神様の言いつけはちゃんと守りますよ」

 本当かな? 私アーサーはちょっと信用してないのよね。

 「ただ、行く先々で説明を求められたので、丁寧にご案内したところ、かなりの方が入信されまして」

 「お前何やってんの? そういうのもやるなって言ったよね?」

 「女神様からは、こちら側から案内しないようにとしか言われておりませんし、皆さん素晴らしい教えだと絶賛していましたよ?」

 もうー…。何でそんなもの広めるかなぁ…。

 まぁ、期待はしていなかったし、現地で軋轢が生じなくて良かったかな…。

 「特に、最後に立ち寄った翡翠国は素晴らしいですね」

 「え? 何?」

 「持ってきたフィギュアや抱き枕を見て興味を持たれたので、お貸ししたところ、似たようなものを作り上げまして。我が琥珀堂とライセンス契約を結びましたよ。これで、クリス様の美しさをより正確に広める事が出来そうです。現地の方々も勉強熱心ですし、何よりクリス様のフィギュアに大変喜んでおられましたし。」

 ホントこいつ何やってんの?

 何でそんなモノ持っていってるの? 完全に布教する気満々じゃないの。

 というか、似たようなものって何よ。仏像とかかな?

 まぁ、植民地支配みたいな事してこなくて良かったわ。

 というか、一体どれだけの国に邪教を広めてきたのかしらね?


 「では、クリス行きましょうか」

 アーサーと話が終わった頃にレオナルドがニコニコしながら、王妃様と一緒にやって来た。

 「へ?」

 「私はクリスに渡すものが多いですし、何より話す事がいっぱいありますからね」

 そこに耳聡いソフィアが突っ込んでくるんじゃないかという速度で走ってきた。

 「待ちなさい。私も同席するわ」

 「ええ。最初からそのつもりでしたよ」

 「え?」

 てっきり拒否されるものと思っていたソフィアは、目を見開いたまま固まってしまった。

 予想外の事にフリーズしてしまったのだろうか。

 「あ…あんた…レオナルドがそう言うなんて、一体どういう心境の変化かしらね」

 「別にそんな大した事じゃありませんよ」

 レオナルドは少し大人になったんだろうか。

 逆にソフィアは何でそんなに余裕が無いのよ。


 波止場で、みんなと別れて私達は一旦王城…ではなく、うちの屋敷へ向かう事になった。

 まぁ、うちのが近いからね。

 というか、みんなうちに来るんなら、一旦別れる必要も、ここでお土産を渡す必要も無いわよね?


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