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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第8章

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25 お土産を渡そう①


 買ってきたお土産を渡そうと、王女様のいる客室の前にやってきた。

 本当に上手くいくのだろうか?

 すっごくドキドキする。

 ソフィアが「いい考えがある」という時は大抵アラがあるのよね。


 遡る事一時間ほど前。

 「いい考えって何よ」

 私とソフィアの二人で私の私室で話し合う。

 なんでも、お母様がいると話しづらいのだそう。

 きっとお母様には聞かせられない内容なのかもしれない。

 しかし、なんだかんだ口の上手いソフィアの事だ。きっといい交渉のネタがあるのだろう。

 自信満々な顔をしているソフィアは、持ってきたバックからなにやら取り出した。

 バッグなんて持ってきてるのは珍しいなとは思ったのよね。

 「これよ」

 ソフィアの手にはピルケースがあった。

 「薬…? これでどうすんの? 王女様でも眠らせるの?」

 「ちっがうわよ! これはね、私最大の発明と言っても過言じゃないわよ」

 「勿体ぶってなくていいから早く」

 「せっかちねぇ…」

 普段セカセカしてるのはどっちなんですかね。

 まぁ、いいや。これがソフィアの妙案というやつだろうか?

 錠剤のような物が入ってるけど、王女様の記憶でも消すのだろうか?

 「これはね、性別を変える薬よ」

 「何それすごい!」

 素直に関心してしまった。

 「流石は天才!」

 「や、や、や…」

 「ソフィアはいつかやると思ってたのよねー。すごいわ」

 「もう…そんな褒めないでよー」

 満更でもない顔で赤くなるソフィア。

 これはもう世紀の大発明じゃないだろうか?

 あ、でも副作用とかないのかな?

 「ねぇ、これって安全なの?」

 「大丈夫よ。私自身で試したから」

 「えっ…」

 「そんな顔しないでよ。ちゃんと実験に実験を重ねてやったんだもの」

 そうだよね。ソフィアがそんなヘマする訳ないものね。

 「つまり、これを飲んで性別を変えて、『私女の子だから結婚出来ませーん』ってやればいいのね?」

 「別にそんなメ◯ガキみたいな表情でダブルピースはしなくていいわよ。でも、私と二人きりの時はしてね?」

 「あ、そう。やらなくていいのね。…って、最後なんて言った?」

 「私と二人きりの時はその表情(かお)してねって言ったの」

 「冗談かと思ったんだけど…」

 「これに関しては本気よ。めっちゃエッチぃ顔だったから。まぁ、面白そうだからやってみたら? ドン引きされて破談になるかもよ」

 なるほど。一考の余地はあるわね。……って、ないわよ。ふざけてやっただけなのに、そんな本気で考えないでよね。もう…。


 「ただこの薬、まだ完璧じゃなくて一つ問題がある」

 「え、何よ…怖いんだけど…」

 「人が飲むと効果時間が短い」

 あぁ…そういう事ね。

 「どのくらいよ?」

 「改良に改良を重ねて半日」

 「十分じゃないの?」

 てっきり、一時間持たないとかかと思ったわ。

 「身体が大きくなればなるほど持続時間が短いの。トカゲとかカエルだと、まだ効果が続いてるし、犬やうさぎだと一週間は効果が続いたわ」

 すっげぇじゃん。

 まぁ、王女様を欺くには十分過ぎるほどよね。

 でもなぁ…。ソフィアの事だから、ツメが甘いから効果が無かったり、すぐ戻ったりしそう。

 まぁ、とりあえず試してみるしかないよね。

 もし、身体に影響が出てもイデアさんに頼めばいいんだから。

 「ねぇ、今他の女の事考えたでしょ?」

 「へ?」

 何それ怖い。何でそんなヤンデレみたいな事言うのよ…。

 「まぁ、いいわ。ほら」

 差し出された錠剤をお水と一緒に飲む。

 私、薬ってお水と一緒じゃないと飲めないのよね。よく粉薬とかそのまま飲めるなって感心するもの。


 とりあえず飲んでみて十分ほど経ったが、身体に変化は…。

 「変わらないわね」

 「そうね」

 私の胸がぺたんこのままだ。失敗か、それとも効果が無いのか…。

 「うーん。おかしいわね…。私の時はすぐだったのに」

 「そうなの? ソフィアの時はどこが変わったの?」

 「ここだけ変わったわ。クリスと同じくらい、大きい立派なお◯ん◯んが生えてたわ」

 よく恥ずかしげもなく堂々と言ったわね…。

 「ただ、クリスはアソコ以外は全部女の子だからね、変化が感じにくいかもしれないわね」

 「と、いう事は…」

 「クリス、確認してあげるから、スカート持ち上げて」

 なんか恥ずかしいんだけど、ソフィアがそういった感じで言ってないから変な気分だ。

 ソフィアが「ぐへへ…」みたいな感じで来たら、それはそれで嫌なんだけどさ。

 エロ親父じゃなくて研究者のような真面目な顔をしている。

 ワンピースのスカートの部分を持ち上げる。

 気持ち恥ずかしくて直視出来ないから横を向く。

 持ち上げたと同時に、私のショーツを両手で思いっきりずり下げられた。

 「ちょっ!」

 「黙って! …って…!?」

 ソフィアの息を飲む音が大きく聞こえた。

 「な、何? どうなってんの?」

 「ちゃんと女の子になってるわよ。私好みのツルツルで綺麗よ。……へぇ、下向きかぁ…」

 まぁ、薬飲む前もツルツルでしたけどね。

 …って、そうじゃない。そうじゃないのよソフィア。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。

 確かめるように押したり、広げたり、引っ張ったり、挿れたり、摘んだり、揉んだりするのやめてもらっていいかしら?

 「うん。成功ね。ちゃんと機能してるわね…って、クリス顔を真っ赤にしてどうしたの?」

 「説明が必要?」

 「そうね。ちょっと詳しく聞こうかしら?」

 「そんなの…言えるワケないでしょ…」

 恥ずかしくて言えないわよ。

 というか、触って確認する必要ある? 要らないよね? 目視だけでいいと思うんだけど?

 「はぁ…。いいわ。後で聞くから。そんな事より、ちゃんと性別変わってるから、万が一の時はこれで騙せると思うわ」

 「う、うん。頑張ってみる」

 「じゃあ、あとは…はい。これ」

 紙袋を手渡してきたソフィア。

 「なんでお菓子?」

 「訪ねるのにお土産とかあった方が、話がスムーズにいくと思うのよ」

 なるほどね。

 「じゃあ、ちょっと言って来るわね」

 「健闘を祈るわ」

 ねぇ、それだと私が王女様と一悶着あるかもしれないって事よね?

 何事も無く終わるのが理想なんだから。

 サムズアップした後に、卑猥なハンドサインに変えたソフィアを横目に王女様のいる客室へ向かった。


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