06 プールで遊ぼう①
プールに到着してみたんだけど、かなり大きいわね。
子供達って結構いた気がするんだけど、それでも余裕がかなりあるくらい大きい。
そもそもうちの庭が広すぎるのよね。
まぁ、そんな事より問題なのはソフィアだ。
「あぁ可愛い。ほんっと可愛いわ。流石は私のクリス。はぁはぁ…」
さっきからずっとスマホで連写してるけど、もういいんじゃないかしら?
一応、ポーズは取ってあげているけど、もうあんまりポーズのバリエーションの残りないわよ。
堪能したのか、スマホをパラソル付きのテーブルに置いたソフィアは、顎に手をやり私の肢体を舐めるように見てくる。
「ねぇ、どうしてクリスは体つきも女の子なのよ」
「そうなの?」
「今まで意識してなかったの?」
「うん…」
「いや、だってここのくびれとか臍の位置とか、肩幅とかそういったもの全部女の子の作りしてるわ。喉仏もないし……。一回ホントに研究させてほしんだけど」
物騒な事言うわね。でもまぁ、そんな意識した事なかったけど、そうなのか……。
ソフィアや周りのメイドさん達と自分を見比べると確かに同じだなと思った。
まぁ、強いて言えばアソコが付いてるくらいの違いしかないのか…。これもイデアさんの悪ノリの結果なんじゃないかな?
周りを見ていたら気がつかなかったけど、ソフィアが私の水着のスカートの部分を、当たり前のように捲って眺めていた。
「ここは男の子なのね。どうしてこんなアンバランスなのかしら?」
「ちょ、やめてって」
「あっ…」
手を払いのけ、後ずさる…。
ソフィアは名残惜しそうにする。いつもならもっと食いついてくるのに。
「まぁいいわ」
あっさり引き下がるソフィアが逆に怖い。何かしでかしそうなんだけど……。
なぜかシーンとなっているので、周りを見回すと、今まで遊んでいた子供達やメイドさん達が黙ってこっちを見ていた。ホラーかしら?
「あら来てたのね」
声がする方に振り返ると、濡れたお姉様が立っていた………ってなんつー水着着てるのよ。子供達がいっぱいいる中でその水着は教育に悪いと思うの。ほぼ紐しかないし。
「あら…そんな目で見て…。クリスったら欲しがり屋さんなのね?」
「違います。そんな水着で入ってたんですか? 情操教育に悪いですよ?」
「別に私がどんな水着着ようが勝手でしょう。そもそも脳内ピンク色のメイド達ばっかりの中で今更って感じじゃない?」
言われてみればそうなんだけどね。まぁ、お姉様は貧乳だからそこまで危惧する必要もないか……。
「そうよ。クリスったらいっつもそんな事考えてるから、そういう事言っちゃうのよ」
「そうよ。クリスだって似たようなモノじゃない。自分を棚にあげるなんて随分と偉くなったものね」
お姉様の後ろからアリスとメタモがお姉様と同じような水着を着て歩いてきた。
しかし、二人は何年経っても口が悪いねぇ。アンジェさんの娘とは思えないわ。全然成長しないし…。
そうしてど貧乳三人が危ない水着を着ていると、なんかイケナイ気分になってくるわね。
「あらクリス。何か言いたい事があるなら聞くわよ?」
「そうよ。さっきから舐め回すようにジロジロ見て、この変態♡」
「クリスったら特殊性癖なのね。ホント変態さんね♡」
濡れ衣だわ。そんな目で見ていないもの。勘違いされても困るわ。
でも、そんな三人を見ていて思ったのだけど、テオドールたんは海外に行ってないからこっちに残ってるのよね。
テオドールたんの水着姿見てみたいな…。
あと、カリーナちゃんも似合うと思うし、弟のセリカちゃんとカレンちゃんもきっと可愛いに違いないわ。
暑くてへばってるかもしれないから呼んであげないといけないわね。うんうん…。
「クリス、違う女の事考えてるわね?」
「えっ!」
お姉様が顔を近づけてそんな事を聞いてくる。どうして分かったんですかね?
でも、女の子じゃなくて男の娘ですよお姉様。
しかし、お姉様だとこんなに顔を近づけられても全くドキドキしないわ。やっぱ姉妹だとそういうものなのかしらね。
そして、なぜか舌打ちして離れるお姉様。
「まぁいいわ。折角水着着てるんだもの。遊ばないとね」
「そうですね。じゃあソフィア……あれソフィア?」
さっきまでいたソフィアがいない。先に入ってるのかしらと辺りを見回すと、焼きそばを頬張っていた。
「や、これはその…。運動前の腹ごしらえ的な?」
「まぁいいけどさ…」
ウチのプールなのに、街中にある大きなプールみたいに、屋台がいくつも並んでいる光景は不思議だわ。
まぁ、子供達がいるから、敢えてそういう感じにしたのかしらね?
それにしても懐かしいわね。子供の頃はよくプールに行って食べてたわね。
食べ物によってプラスチックの番号札の色が違うのよね。
それにしてもかなりあるわね。
メイドさん達もフリフリの白と黒の水着を着てやってるし……。
妙に小慣れてるわね。子供達もお腹空いたらプールサイドに上がって、テーブルで食べてる。
気がついたらお姉様達も食べている。
これ、うちだけじゃなくて街中でやった方がいいんじゃないかしら?
もしかして、それもデモンストレーションを兼ねてるのかしら?
やきそばを食べ終わったであろうソフィアが私の手を掴んでいた。
「ほらクリス入るわよ」
「え、えぇ…」
なんてみんな自由気ままなんだろうか…。
しかし、改めてソフィアを見ると、結構いい体型してるのよね。あんなに食べても出るとこ出ないお姉様と違って、ソフィアはちゃんと育っている。
こんな事を考えていると、お姉様にプールに沈められてしまうかもしれないから程々にしないとね。




