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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第8章

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04 今後の事


 「お父様、ただいま帰りましたわって、さっむぅ!」

 何これめっちゃ寒いんだけど。一体冷房何度に設定してるのよ。

 …16℃!?

 外気温なんてたかたがか、25〜26℃よ。下げ過ぎ! バカじゃないの?

 お父様の執務室に入り身体を抱きしめ震えていると、お父様が満面の笑顔で駆け寄ってきたので、やんわりと翻す。

 「ちょ! 折角のパパと娘のスキンシップなんだよ?」

 だからっていになり抱きつこうとするのは違うと思います。

 もしかして、その為に温度下げてました?


 「では、私は失礼しますね」

 「待って待って! 話! 話があるんだよ」

 ドアノブに手を掛けると、慌てた様子のお父様が早口で制止する。

 「えー…、なんですかぁ?」

 半眼で睨め付けると、頬を少し染めるお父様。やっぱこのまま戻ろうかしら?

 どうせロクでもない話なんでしょ?

 「おっほん…。まぁ、とりあえず座って」

 わざとらしく咳払いをして、ソファへ座るよう促す。

 「その前に冷房の設定温度上げてください。寒すぎます」

 「え、そう? しょうがないなぁ…(みんな寒い寒い言うんだよなぁ…)」

 お父様がリモコンを操作しながらぶつぶつと文句を言うが、ものには限度があると思います。

 ピッという音が一回しか鳴らなかったので、お父様からリモコンを取り上げて、24℃くらいまで上げる。

 別にどっかのバカみたいに頑なに28℃設定にしろって言ってるんじゃないのよ?

 そもそもそこまで気温が上がる日は少ないもの。

 でもまぁ、ドレス着てたらそこそこ暑いは暑いのだけど。

 私がリモコンを操作する度に「あっ! あっ!」って言うけど、これはいくらなんでも健康に悪すぎ。もう少し健康習慣見直されてはいかがですかね?

 「もう…。寒い部屋で食べる海鮮チゲが最高なんだよ?」

 なんだよ? じゃないわよ。執務室じゃなくて食堂で食べなさいよ…って、今はどうでもいいわね。


 お父様のジャケットを勝手に羽織ってソファに座る。

 「ひとまずはご苦労様」

 「あ、はい…」

 どの件だろう? 小首を傾げると苦笑いするお父様。

 「はは…一応とはいえ、婚約破棄ご苦労様」

 ああ…。その事でしたか。

 なし崩し的に持っていったのが、功を奏したのよね。まぁ、まだ保留状態だけど…。

 「これで、もう少し仕事任せられるね」

 あ、そっか。うち王国の暗部だっけ。

 レオナルドの婚約者的立場だから、そういった仕事はパスされてたけど、今後はそういうのもやっていかないといけないのね。

 夏休みは家でバカンスするつもりだったんだけどなぁ…。


 「一応、これが本来やってもらいたい事のリストね」

 そう言いながら取り出した書類に目を通していく。

 その内容は結構大変なものが多く、今後の事を考えるだけでネガティブになるわ。

 どおりでお兄様は無口に、お姉様はおかしくなって奇行が目立つようになってしまったのね…って思ったんだけど、それは元からだったわね。仕事関係ないや。


 書類から目線を上げると、ずっと私を見ていたようだ。お父様が口を開く。

 「でもまぁ、今の所はそういったものはないからゆっくりしてくれていいからね。そこに書かれている事も全部が全部起こるわけじゃないから」

 良かった。お姉様のご機嫌とりとメアリーのお世話を考えたらとてもじゃないけど手が回らないからね。

 でも、そういうのフラグって言うんですよ?

 まぁ、お父様のキャラ的にそういう事が起きるとは思えないけどね。


 「分かりました。じゃあ失礼しますね」

 ソファから立ち上がって出て行こうとすると、お父様も立ち上がり、両腕を広げた。

 どこかのお寿司屋さんの社長さんみたいなポーズしてるけど、しないわよ。

 諦め、名残惜しそうにしてるけど、この歳になってそんな事しませんよ。海外じゃあるまいし…。海外か一応。そういう文化圏だったわね。

 よくお姉様やメアリーが抱きついてきていたものね。

 でも残念。私女の子か男の娘としか抱き合わないの。ごめんあそばせ。


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