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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第7章

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23 文化祭二日目②


 結果として私は王妃様とイデアさん。そしていつの間にか後ろにいたメアリーの四人組だ。

 お母様はお姉様とお兄様と回るのだそう。

 シグマさんとアンジェさんとラムダさんはルキナ様と回るようだ、グレート様はウィリアムのところへ行くんだそうだ。

 本当にこんな分け方で良かったのだろうか?

 お母様とお姉様がめちゃくちゃ悔しそうな顔で王妃様を睨んでいたが、涼しい顔して知らんぷりしていた。というかですね、王族を、睨むなんて不敬以外の、何ものでもない気がするのだけど…。

 スミカ様は他にも仕事があるようで一旦離れるのだそう。やっぱり教師は忙しいのね。ねぇアンジェさんとシグマさん?


 「ねぇクリスちゃん」

 「なんですか王妃様?」

 「シグマなんだけど、どうしちゃったのアレ?」

 あぁシグマさんね……。

 シグマさんはなんかよく分からない魔法少女風のレオタードっぽい衣装を着ていた。心なしか満足げだ。

 「そうですね。いつもよりはまともな服装ですね」

 「えっ! あれで?」

 まぁ驚くよね。ちなみにアンジェさんは普通にメイド服を着ている。別にスカート丈が短かったり透けていたりはしない。ただ、猫耳のカチューシャをつけているくらいだ。メタモとアリスが見たらどんな反応をするだろうか? そういえばあんなにうちのメイドさん達いたのに、あの二人はいないんだな。

 そして、王妃様の視線に気付いたのか、口角を上げてシグマさんが口を開く。

 「どうですか王妃様? うちの生徒達が作ってくれたんですよ。先生思いのいい生徒達でしょう?」

 「う…うん……」

 E組の生徒達ってちょっと拗らせてる子達が多いのよね。これもシグマさんの教育の賜物ですかね。きっと性壁を拗らせちゃっている事でしょう。

 卒業時に結婚出来るといいですね。


 と言う事で、私達は王妃様とイデアさんの行きたいところを見て回ることにしたのだが、どちらも見目麗しいのと、普段のイデアさんを知っている生徒達が多いからか、歩いているとみんな立ち止まって目で追ってしまう。

 そこに私もいるもんだから、「まーたクリス様案件か」と訳の分からない事を言われて納得されてしまう。

 しかしこの二人何だかんだ言って相性いいのね。

 大体気になる場所が同じなので、言い争いとかはない。例え食い違っても両方行こうとなるので、大人だなぁと感じた。

 強いて言えば大量の食べ物を無言で食べながら着いてくるメアリーくらいだろうか?

 「よくそんなに持って落とさずに食べるわね」

 「えぇ。このくらい出来ないとメイドは務まりませんから」

 私メアリーがメイドらしい事しているの一度も見た事ないんだけどな。

 「もしかしてスタンプラリー制覇しようと思ってる?」

 「出来れば制覇したいですが、流石に…」

 「メアリーでも難しいんだ」

 じゃあクリアしたお姉様って相当凄いのでは?

 そんな時興奮した男子が友達らしき人に声をかけているのを聞いた。

 「おい聞いたか? あの屋台のスタンプラリーもう制覇した人がいるぞ」

 「えぇ? あの量を? どうせ生徒会長だろ?」

 「青髪だからそうかなって思ったんだけど、別人だったわ。でもめっちゃ美人」

 「マジで?」

 「マジマジ。今二週目入ってるってよ」

 「うわぁ気になるー」

 「行ってみようぜ」

 「そうだな」

 そう言って走って去って行ってしまった。まぁ青髪の人なんて結構いるからね。

 でもまだ始まって二時間も経ってないわよ。というかお姉様はお母様達といるから参加すらしていないはず。

 あー気になるわぁ。一体どんな人なのかしら…。

 残念なことに、王妃様とイデアさんは全く気にならないらしく、そのまま校舎内を見て回っていた。


 「そういえばクリスちゃんのクラスの演劇って何時からなの?」

 「体育館を使うものは十二時スタートで、うちのクラスは十三時なので二番目ですね」

 まだ三時間弱くらい余裕がある。

 こうして校舎内をいろいろ回っていると、やっぱり至る所で小競り合いみたいなものとかが起きるんだね。

 警備員さんとかに連れられていく人が何人かいる。

 よく見ると朝気になっていた人の一人だ。やっぱりなという感想しかないが、なぜかうちのメイドさんもいるんだよな。私に気づくとニコニコしながら手を振っている。

 そんな光景を何回か目撃した。うちのメイドさんだけでなく王妃様の護衛の人もいた。トラブルとかあまり起こさないで欲しいんだけどなぁ。

 しかし、あの二人は仕方ないとして、メアリーも全く気にした様子がないのはなんでなんだろうか? やっぱり食べる方に集中し過ぎているんだろうか?

 そんな時、王妃様とイデアさんが立ち止まった。

 「あら?」

 「どうかしました?」

 「いや、この先にも出し物があるはずなんだけど、バリケードが設置してあるのよ」

 「おかしいですね。こんなところ閉鎖する予定も必要もないんですが……」

 別に撤去してしまっても構わないと思うのよね。

 まぁ、確かにここから右側は関係者立ち入り禁止にはなっているが、ここから左側では部活やサークルでの出し物が催されている。

 誰かがずらしてしまったんだろうか?

 そういえば、あんなに人がいたのにいつの間にかここには私達四人しかいない。

 流石にメアリーも異変に気付いたようだ。というか食べ終わったのかな?

 メアリーが私の前に立つが、どちらかといえば王妃様を守らないとダメじゃないかな?


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