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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第6章

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45 お茶会に行く準備をしよう②


 その後予定通りなのか、ご飯の時間だから切り上げたのか分からないが、夕飯の時間にソフィアは戻ってきていた。

 今日もお姉様共々、目の前の料理に目を輝かせている。

 「会議終わったの?」

 「ん? あー、残りは明日にね。あーあ、折角の休みが仕事って最悪よね」

 「分かる」

 その気持ちはすっごく分かるわ。予定なんか入ってたら最悪よね。

 そこで、仕事と聞いて驚いた顔をするカリーナちゃん。

 「え、あれ仕事なの?」

 「そうよ」

 「そうなんだ。てっきり私は頭がおかしくなってしまったんだと思ったわ。だってずっと板に向かって話してるんだもの」

 「なんかこういうの新鮮よね」

 カリーナちゃんの家にもパソコンあったけど、ああいう使い方してないし箱型だからね。分からないのも仕方ないよね。実際奇行に見えるし。カフェでやってる人なんて会社の情報晒け出して危機感足りないんじゃないかと個人的には思うのだけど。

 「分からないのって私だけ?」

 「私達も分かりませんよ」「初めて見たわね」「変な置き物だとは思ったのよ」

 マーガレットとカリーナちゃんの所のメイドさん達も分かってなかったみたい。

 

 「え、それじゃ私は延々頭おかしいって思われてたの? 心外なんだけど」

 まぁ、しょうがないね。説明してないしね。実際頭おかしい行動や言動多いから、その延長と思われても仕方ないのよね。

 「で、何の会議だったの?」

 「あぁ、王都のインフラ整備とかの話をね、王妃様とかお父様とか、あと官僚の人達と話してたんだけどね。なんか地方の貴族が一枚噛ませろって言ってきてるらしくって大変だねって話してて」

 「そうなんだ」

 「そうなのよ。地方分断だーとか、地方を蔑ろにするのかーってね。王妃様とか官僚の人とか苦笑いしてたけど困ってたわね。何故かそこでクリスの名前も出てね」

 「えー……」

 「大丈夫よ。ちゃんと断っといたから」

 「あ、ありがと」

 学園が忙しいのに、王家の仕事まで振られたら堪ったもんじゃないわ。それこそぶっ倒れてしまうわ。ソフィアには感謝しかないわ。


 「いいのよ。ところで私に用があるって言ってたわね」

 心なしか声が弾んで聞こえる。

 「あぁ…うん。これなんだけど」

 ジル様から貰った手紙をソフィアに渡す。

 「ちょっと、これお茶会の手紙じゃないの」

 「そうなんだよ」

 「何で断らなかったの!」

 「いやだって断ったら悪いと思って」

 そこでお姉様が補足するように入ってきた。

 「まぁクリスまともなお茶会とかパーティーとか参加してないからそういうのに疎いのは仕方ないわよね。これは私の責任だわ」

 「これ絶対にアレですわよね?」

 「そうね。私もそう思うわ」

 アレとは一体……。

 ここにいる中でまともにお茶会やパーティーに参加している人が殆どいないのも異常よね。貴族が四人もいるのに。それに、メイドさん達だってそういうの詳しくないといけないんだろうけど、みんな目を合わせようとしてくれない。


 「しょうがないわね。私が付いていってあげるわ」

 「え、お姉様が?」

 「何よダメなの?」

 「だって、ここに『お一人でお越しください。また、お付きのメイドもしくは従者は一人のみとなっております』って書いてあるし」

 「なんて姑息で用意周到な」

 「なんでソフィアもお姉様もそんなに嫌そうにするんです?」

 「クリスはもう少し、貴族について勉強した方がいいわよ。ガーネットクロウ公爵家なんて貴族の中でもザ・貴族っていうくらい鼻につく家よ」

 「歴史と格式を重んじる古い家よ。だから今だに扇子と縦ロールなんて時代遅れな格好してるのよ」

 二人ともジル様に対しての評価が低いわ。

 「でも大丈夫よクリス。何かあったら私が潰してあげるから」

 「そうよ。うちの経済力を持ってすればあっという間よ」

 なんて物騒な。本当に出来そうだから困る。

 「多分そんな意図は無いと思いますよ。だって、薄暗くなるまで昇降口の前で待っていたんですから」

 「「あら」」

 意外! みたいな顔をする二人。

 「じゃあ何が聞きたかったのよ」

 「ここ。『普段着でお越しください』ってところ。どんな格好していけば分からないからソフィアなら詳しいかなって思って」

 「なるほどね」

 お茶碗を置いて、お茶を啜るソフィア。

 「だったらやる事は一つですねお姉様」

 「そうね。私もこれ以上の優先事項は思いつかないわ。フィジー今後の予定は全キャンで」

 「かしこまりました」

 フィジーさんが、ウキウキした顔で了承する。

 なんか嫌な予感がする。

 「あ、分からないんなら大丈夫ですよ。自分で考えますんで」

 「フィジー、ヒナナ、マーブル、それとロココとビシュー」

 「ステラ、シフォン、プレオ」

 早くこの場を離れた方がいいなと思って席を立とうとした瞬間、一斉に自分のところのメイドさん達を呼んだ。

 「「「「「はい。準備はできております」」」」」

 「「「お手伝いさせていただきます」」」

 一斉に囲まれて逃げられなくなってしまった。

 何でメイドさん達も嬉しそうな顔してるんですかね?

 「何で私は呼ばれてないんです?」

 「メアリーはエロい方向にしか持っていかないからよ」

 エロい事? エロ同人みたいな目に合わされるという事?

 「カリーナ様は参加しなくていいんですか?」

 「そうね。折角だし」

 どうしてカリーナちゃんとイータさんも参加の意思を示したのだろうか?

 「あ、私達もいいかしら」

 「こんな機会中々無いものね」

 ガーベラさんとマトリカリアさんも参加の意を示す。

 一体何が始まるんです?

 同情するような顔でマーガレットが一言呟く。

 「あんたも大変ね」

 「え…どういう事なの?」

 「片付けは私とヨメナさんでやっておくから、楽しんできなさいな」

 「若い子のセンスには負けますので」

 え、私また何か余計な事言っちゃいました?


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