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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第6章

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44 お茶会に行く準備をしよう①


 「ただいまー」

 「おかえり。遅かったわね」

 台所からチラと顔を出すマーガレット。今日はマーガレットの料理当番の日か。

 帰ってきていい匂いがするのっていいよね。

 最近は凝った料理も減ってきたけど、それなりに凄いのを作るからなぁ。

 それにしてもすっかり料理人が板についてきたわね。

 「あ、マーガーレット。ソフィアいる?」

 「いるけど、今リモートで会議中よ?」

 リモートで会議とか世界観ぶち壊しだけど、まぁ今更よね。便利なものには逆らえないもの。

 「マジで? 結構時間かかりそう?」

 「どうだろ。帰ってきてからずっとやってるけど、相手が王妃様や王城の重鎮とかの人だからまだ時間かかるんじゃない? 遅くなるかもしれないから先食べててって言われたし」

 「そっかー」

 「何? 私じゃダメなわけ?」

 「いやマーガレットでもいいんだけどさ」

 ソフィアも社長業やってるからね。そういう事もあるか。マーガレットでも分かるならいいんだけどね。

 貰った手紙をマーガレットに見せる。

 「ごめんパス」

 「早っ!」

 「だって、私だって貴族のパーティーなんてよく分からないもの。それに私よりクリスの方が詳しいんじゃないの?」

 「いや、何でか知らないけど、殆どそういうのにお呼ばれした事ないから…」

 そういう話を聞いた事すら無いっていうね。

 「じゃあ終わるのを待ってたら。そろそろ料理もできるし」

 そういえば、カリーナちゃんはどうしたんだろう……そう思って周りを見渡すとソファの上でボーッとしているのを見つけた。

 「あれ、カリーナちゃんどうしたの?」

 「あぁ。なんかソフィアお姉様がパソコンに向かって話しかけてるのを見てびっくりしちゃったみたい。パソコン知らないのかしら?」

 ソフィアがおかしくなってしまったと思ったのか、技術の進歩ってすごいなと放心状態になっているのか分からないわね。

 「ところで今日の夕飯何?」

 「ふふーん。毎回クリスの驚く顔が面白いから言わないわ。出てきてからのお楽しみよ。一応ヒントとしては和食に挑戦してみたわ」

 最近は私への当たりも柔らかくなったなと思う。

 それに、本当に料理の腕が上がっているからね。そりゃあ驚くわよ。教えてないものまで作ってくるんだから。

 「そっかー。じゃあとりあえず部屋で着替えてくるわ」

 「ん」

 まぁ、匂いで分かるんだけどね。

 今日は多分炊き込みご飯とホイル焼きかな。あと味噌汁辺りかな。具材までは分からないけど…。でもあと一品分からないな。

 まぁ、食べ慣れたものならなんでもいいかな。流石にフルコースがずっと続くと飽きるしね。


 部屋に入るとビシューさんとロココさんがバッと頭を下げた。

 「ちょ、どうしたの?」

 「すいませんクリス様。一人だけお叱りを受けてしまうなんて」「申し訳ありませんクリス様。我々も同罪だと言うのに」

 「別にいいから。私が行くって決めちゃったんだから、私の責任だし。ね?」

 「うぅ。一生ついていきます」「流石クリス様。懐が広い」

 二人して私に抱きつきさめざめと泣きだす。

 ポンポンと頭を叩いて宥める。

 「そういえばメアリーは?」

 「直談判すると学長のところに」

 「あんのバカ…」

 折角丸く収まったのに余計な事をして……。

 噂をすればなんとやら。件のメアリーがベランダからひょっこり帰ってきた。

 「ちょっとメアリー、変な事やってないでしょうね?」

 そう思ったんだけど、何やら小袋を抱えていた。

 「やだなークリス様。何もやってないですよー。心外ですね。今川焼き買ってきただけですよー」

 「じゃあいいわ」

 メアリーだけは通常運転なのね。変に気回して損したわ。

 「もう夕飯になるから、それは食後にしなさい」

 「え、もうそんな時間ですか」

 「そうよ」

 こんな時間になるまでほっつき歩いてるんじゃないわよ。それ以外にも食べてきたんでしょうね。


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