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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第6章

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35 旧校舎①


           * 


 何処を探しても二人の生徒が見つからないと、学園中大騒ぎになっていた。

 今まではすぐ見つかるような所にいたからだ。

 自分達で探そうとする人も出てきた為、捜索は学校側で行う事が伝えられた。

 あと、なるべく一人ならならないようにとお達しがあった。下校中や捜索時に一人でいたところを攫われたら元も子もないからね。

 だからなのか、部活などの活動も今は休止中だ。

 テスト前みたいな感じで、いつもと雰囲気が違う。どこ遊び行こうかなんて話している生徒もいる。全然話聞いてないじゃない。危機感がないわね。


 アンジェさん達や、メアリー達も捜索しているらしいが、学園が広すぎて何処を探せばいいか分からないようだ。あの人達が捜索して見つからないなんてよっぽどだわ。もしかしたら、学園内にはいないのかもしれない。

 ちなみに二人が最後に居たであろう場所は体育館の裏側なんだそうだ。

 その辺りに行こうと思ったら、その場にいた先生に追い返されてしまった。

 「こんな所で一人で来てはいけませんよ」

 「あ、すいません…」

 こんな状況では、例の講義もお休みだ。

 「では、私が送っていきましょう」

 「抜け駆けは良くないですよハイジ先生。そうやって一人だけ教えてもらおうって魂胆ですね?」

 「何を言ってるんですかギルガメッシュ先生? そんな訳ないじゃないですか。この非常時に。歩きながら聞くだけですよ」

 「それを言ってるんですよ」

 「あの…すいません。一人で大丈夫ですので」

 「「それはいけません!」」

 結局、捕まった宇宙人みたいな感じで連行され、十分位で着く道のりが遠回りさせられたせいで一時間くらいかかってしまった。

 逆に危ないのでは?


 歩いている途中気になる建物を見つけたので聞いてみた。

 「この建物は何ですか?」

 「これは旧校舎ですね。老朽化して危ないので、入り口から窓まで全部施錠していますから、入ろうとしても入れませんよ」

 「入れるとしたら、教師の他には鍵を持ってる清掃員の方くらいですかね。一応、倉庫代わりにしているので、たまに掃除してもらってはいますが」

 「え、じゃあこの中にいるかもしれないんじやないんですか?」

 「もちろん、この中もしらみ潰しに調べましたが、何処にもいませんでしたよ。綺麗に掃除されていて、侵入した形跡や荒らされた跡もありませんでしたからね」

 「でも、ここが一番怪しいんだけどな」

 「確かにそうですね。ここだけは行方不明者がいませんでしたからね」

 老朽化してるとはいえ、壊れそうな感じはしない。立派な古い建物だと思った。外壁もレンガ造りだし…。ただ、今の生徒数を考えるとかなり手狭な感じだ。

 大抵こういう旧校舎って、変わり者の先生が研究で私物化しいるかハブられて仕方なくいるってイメージしかない。

 「本当に誰も使ってないんですか?」

 「だって新校舎の方が設備が充実しているからね。態々こんな不便な所こないよ」

 「前は結構いましたけどね」

 「ここ電気通ってないからね。仕方ないね」

 なるほど。だから倉庫としてしか使われてないのか。

 鍵が掛かってるなら、入れないよなぁ。

 「入ろうとしてますね?」

 「えっ?」

 「顔に出ていますよ」

 イケメン顔でイケボで言われるとすっごくドキドキする。だってみんなビジュアル系の顔してるし、なんなら攻略対象よりイケメンだと思うの。

 しかも二人とも身長高いし、覗き込まれるように言われるとキュンキュンしちゃう。

 で、そんな人達(先生達)が毎度近くに二、三人いるわけで、私が乙女ゲーのヒロイン逆ハールートやってんのかって気持ちになる。

 まぁ、身近の男子が私含めて残念だから仕方ないね。正ヒロインのマーガレットですら、百合に走ってるしどうしようもないね。


 そんな感じで寮の前まで送ってもらった訳だけど、去る時の仕草とか完全に攻略対象感あるわね。48人集めて歌うんだろうか?

 と、そんなくだらない事を考えていたら見覚えのある人物がいた。


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