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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第6章

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21 クラス発表②


 さて、クラス分けされているんだけど……。

 「番号札みたいのもらってなくない?」

 「名前で書いてあるんじゃない?」

 「あ、そっかぁ」

 同姓同名がいたらどうするんだろうと思いつつも、とりあえず左端から確認して………あったわ。すぐ見つかったわ。

 「Aクラスか」

 「あら私もだわ。やったわ」

 「私も同じね」

 どうやらソフィアとカリーナちゃんは同じクラスのようだ。

 「そんな…私がBクラス……嘘よ…嘘よ嘘! なんでよ! こんなにもソフィアお姉様を愛しているのにっ!」

 マーガレットは残念ながら隣のクラスだったようだが、ソフィアと一緒になれなかった事でかなり自暴自棄になっている。クラス分けに愛は関係ないと思うけどね。

 「ガチャを引きなおさないと……ガチャ石……」

 ふらふら〜と何処かへ行きそうなマーガレットを引き止める。

 まぁ、確かにショックなんだろうけど、そういうもんだし。


 「お、お前らどうだった?」

 後ろから、着崩したウィリアム、エリー、テオドールたんが来た。

 「リアム……」

 「! わ、分かったよ」

 慌てて着直すウィリアム。最初からそうしてなさいよ。

 「テオドールたんは…」

 「なぁに?」

 「何でもないわ」

 はぁ…。やっぱり夢じゃかなった…。男子の制服だわ。まぁ、これはこれでいいんだけど、できる事なら、テオドールたんにはふわふわな感じの服を着てもらいたいわ。

 「んっふ。ところでぇ…どこのクラスだったのぉ? 私はぁ、Dクラスだったんだけどぉ」

 「あら、そうなの?」

 じゃあ、私達はたまたまで、普通はばらけるもんなのよ。

 「お! Bか」

 「僕もBだ!」

 何ですって?

 「ね、ねぇクリス、これ交換できないかしら?」

 「私も同じ事考えてたわ」

 「何言ってんのよ! そんなに私と一緒が嫌なの!?」

 「いや、テオドールたん…」

 「あんたねぇ…」

 ソフィアが呆れた顔をしたが、仕方ないじゃない? まぁ、カリーナちゃんいるからまぁいいか。


 「おはようございます。クリス」

 「おはようございます。レオ様」

 様付けに一瞬ピクっとしたけど、慣れてくださいな。

 「皆さんはどこのクラスだったのです?」

 「あ、Aクラスです」「私もよ」「私もAです」「くっ…Bよ…」「俺はBだわ」「僕もBだった」「あら、私だけDぃ?」

 「そうですか」

 何故が嬉しそうな顔のレオナルド。

 「実は私もAだったんですよ。ふふ…一緒ですねクリス」

 「クリス、異議申し立てにいきましょう」

 「!?」

 「ちょ、ソフィア?」

 「お供しますわ。ソフィアお姉様!」

 私の手首を掴んでどこかへ行こうとするソフィア。あんなに変えるのを拒否していたのにこの手のひら返しよ。

 そして、ソフィアなら何とか出来るとおもったのか、マーガレットも意気揚々とついていこうとする。

 「なんて事言うんですかソフィア。ちゃんと公正公明に振り分けられたのですよ。従うべきです」

 もしかして、レオナルド何かしましたか?

 レオナルドがソフィアの前で右に左にと行く手を阻んでいる。

 しかし、そんなバカな事をやっているのに、後ろのオーディエンスは黄色い声を上げ続けていた。

 私が見ているレオナルド達とは別人なのだろうか?

 「きゃあっ! 私レオナルド殿下と一緒よ!」「私も一緒だわ!」「もう死んでもいいかも」「え? 私死ぬの? 一生分の運使ったんじゃない?」「これから先身がもたないわ」「素敵すぎる」

 意外とレオナルドって人気あるんだね。まぁ、端から見たらイケメンだもんね。夢見過ぎよ。というか、今目の前で繰り広げられていたものを見ていないのかしら?


 そんな生徒達も何かに気付いたのかサッと左右に道を開けた。

 向こう側から王者の風格を醸し出しながら、三人の女性が悠然とやって来た。

 九月なのに桜の花びらが舞っているように見えるわ。

 「おや、公爵家のご令嬢方ではないですか」

 「ご機嫌よう。私、レオナルド殿下とご一緒の教室になれて、とても嬉しく存じますわ」

 縦ロールのいかにもな、THE・お嬢様な人。圧倒的に胸が大きい。

 「僕も同感だね。レオナルド殿下とはいい関係を築いていきたいものだね」

 男装した癖っ毛の女性だ。◯スカルみたいな人だ。服の上からでも分かるくらい大きい…。

 「私も一緒になれて良かったわ…」

 顔が若干髪の毛で隠れている人だ。毛量も多いし何よりむっちりしている。そしてなにより(ry。なんか錬金術とか出来そう。

 「えぇ、私もあなた達と一緒に学べる事を嬉しく思います」

 借りてきた猫のように綺麗な笑顔で話すレオナルド。こんな顔も出来るんですね。

 「嬉しいですわぁ。……ちなみにそちらの方々は…」

 「あぁ、一緒に学ぶ友人達です」

 「あら、そうですの。…自己紹介が遅れましたわね。私、ガーネットクロウ公爵家が三女、ジル・ブラッドフィールド・ガーネットクロウですわぁ」

 「僕は、ストーンローゼス公爵家が五女、シェルミー・トレジャーコフィン・ストーンローゼス。よろしく頼むよ」

 「私はイヴ。ピンクサファイア公爵家四女。イヴ・ルースレスウィザード・ピンクサファイア……」

 公爵家の人なのか。どうりで堂々としていていてスタイルもいい訳だ。

 チラッとソフィアを見る。

 「何よその顔は…」

 「いや、同じ公爵家でもこうも違うんだなって思って」

 「悪かったわね! 出るとこ出てないで!」

 「いたっ! やめっ! 悪かったわよ」

 私の両頬をひっぱるソフィア。性格も違うようだ。どこがなんて言っていないのに。

 「ふん。クリスだってぺったんこのくせに……」

 私はちゃんとパッド入れてるわよ。見た目はソフィアと変わらないけどさ。

 「あら、あなたが殿下の婚約者の」

 「あ…、クリスティーヌ・オパールレインです」

 慌ててカーテシーをする。

 「ふぅん…。面白そうな方ですわね」

 「そうだね。まぁ、これから一緒なんだ。是非私とも話をして欲しいな」

 「とても興味深い方ですね」

 なんだろう。凄い威圧感がある。

 「まぁまぁ、私の婚約者を虐めないでくれよ」

 「ふふ。そうですわね。でも、私達もまだ諦めておりませんの」

 「僕もだよ。姉達には負けていられないからね」

 「……………」

 この上だけ暗雲が立ち込めているわ。いまにも雷混じりの土砂降りが降りそうなくらい気まずい。

 「では、私達はお先に失礼致しますわね。おーっほっほっほ」

 「では、失礼するよ。はっはは」

 「ではまた……ふふ……」

 去る時も花びらが舞っているかのようだった。

 周りの生徒達も目をキラキラさせて眺めていた。


 「俺はあいつら苦手だわ」

 「ふんふん…」

 「私もぉ…ちょーっと距離感じちゃうわぁ…」

 エリーの喋り方って、さっきの盾ロールさんと似てるから、もしかしたらエリーも良い所のお嬢様の可能性があるわね。

 「まぁ、こんなところで立ち話もなんですから、教室に行きましょうか」

 「そうですね」「そうね」「そうですわねぇ」「だな…」「うん!」

 教室へ行こうと歩き出したところで、背中を引っ張られた。

 振り返るとマーガレットが目を見開いて凝視していた。

 「私とクラス交換してくれるって言ったわよね?」

 怖い怖い。何ホラー属性習得してるのよ。確かに交換したいけど、もう無理な所まで来ちゃったから諦めて欲しいんだけど?

 「あの離してほしいなーなんて……はは…」

 「縺懊▲縺溘>縺ォ繧�k縺輔↑縺�」

 え、なんて?

 「ほらほら、クリス構ってないで行くぞ?」

 「行くよぉ」

 マーガレットが、ウィリアムとテオドールたんに引き剥がされ引きづられるように去っていった。新しい靴なのに踵のところ凄い勢いで磨り減りそう……。


 マーガレットに構っていたら、私まで置いて行かれてしまったわ。

 「女神様」

 早く行かないと、またソフィアになんて言われるか。

 「あの…女神様? 私目の声が届いておりませんか?」 

 関わりたくないから、スルーしていたのに。

 「何よ?」

 「おぉ! 我が女神様おはようございます」

 「えぇおはよう」

 調子狂うわね。

 「で、何?」

 「私のクラス気にはなりませぬか?」

 「全く」

 アーサーがどこの教室だろうと興味ないわ。

 「これが俗に言うツンデレというやつですね」

 違う。私はアーサーに対しては未来永劫0%よ。

 そのまま歩き出すと、横から離れずついてくる。

 「私、Jクラスだったのです」

 わぁ! 私と一番遠い教室ね。良かったわ。

 「あら、そうなの? ふーん。頑張ってね」

 塩対応で去ろうとするが、まだ付いてくる。

 「私、悲しいのです。女神様も聖女様も離れ離れ。でも、これも与えられた試練だと思うと、大変興奮いたします」

 燃えるんじゃなくて興奮するところがいやらしい。

 「はぁ…。まぁいいけど、変な事は絶対にしないでよ?」

 「もちろんですとも。私、女神様と聖女様の喜ぶ事にしか興味ありませんので」

 嘘つけ! 嫌がる事しかしていないじゃない。

 最初会った時から、どうしてこんなにも歪んでしまったのかしら?

 今度は流石についてこなかったので、そのままA組へ向かう。



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