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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第6章

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16 ルームシェア①


           *      


 「ただいまー」

 「おかえり。遅かったわね」

 ソフィアが不安そうな顔をしていた。

 「何があったの?」

 「それなんだけどね……」

 さっき呼び出された事を説明した。もちろん、お酒の事は隠して。

 「え? お母様いるの? 知らなかったわ。というか、そんな事私に直接言えばいいのにね?」

 意外な事にソフィアは前向きだ。

 「沼に引きづり込めるわね」

 一体何を布教させようとしているのかしらね?


 「それはそうと、クリスの部屋なんだけど」

 あ、そっか。荷物置いてすぐ会場に行ったから部屋決めてなかったんだね。

 「私と一緒の部屋にしようとしたんだけど、邪魔が入っちゃって、残念ながらそれぞれ個室になってしまったの。ごめんね」

 いや、別に謝ってもらわなくてもそれでいいんだけど。

 ちなみに部屋は奥からソフィア、マーガレット、私、カリーナちゃんとなっている。

 そのカリーナちゃんの横は大きめのリビングダイニングキッチンになっている。入り口入って左側がお部屋。右側がお風呂やトイレなどになっている。

 誰の意見が強かったのか丸わかりね。

 部屋に入ると、大きな部屋が一つと大きなベッドが一つだった。どうやら、メイドさん達も同じ部屋らしい。

 既に三人の私物が至る所に置かれていた。鏡台や勉強用の机の上はそういうの置くとこじゃないから。そんな事よりも問題はベッドね。

 「メアリー寝相悪いから追加で用意しないとダメね」

 「何言ってるんです? これで充分じゃないですか」

 「本当は分ける筈だったんだけど、部屋が足りなくなっちゃったから仕方なくね。明日までには追加で用意させるから我慢してね。はぁ…こんな筈じゃなかったんだけどなぁ…」

 深いため息を吐くソフィア。

 「いえいえソフィア様お気遣いだけ、ありがたく頂戴いたします。このままで結構でございます」

 「そうですとも、我々従者一同いかなる時もクリス様をお守りする為、離れるなど考えてもおりません」

 「でも、誰か一人は恩恵にあずかれないわよね」

 「「!?」」

 メアリーとビシューがバカなことを言っている。夏とかどうするのよ? 暑くて寝苦しいわよ? 今だってまだ汗ばむくらいなんだから。

 「ソフィア、うちのメイドの言ってることは無視していいから」

 「なっ! クリス様酷いです」「あんまりです。折角一緒になれたのに」「クリス様は年相応にスケベ心出してもいいんですよ?」

 おい! 最後に発言したロココ、それは言ってはいけないお約束よ? 私だってないわけじゃないんだし。ただ、ペット枠のメアリーのお世話するだけでそんな気が起きる余裕がないだけで。

 「ねぇ、外までバカな事聞こえてるんだけど」

 「あ、ごめん。すぐ収まるから」

 「ん…分かった」

 開けっ放しのドアからカリーナちゃんとマーガレット。他のメイドさん達が覗いていた。

 「ねぇ、そんなに狭いんだったらこっちの部屋に来たらいいのに」

 「「「「!?」」」」

 「ほら、こっち二人だし。ちょっと広すぎるというか……」

 「え、いいの?」

 「ダメよ。クリスは私と一緒にいるべきなのよ」「何を言ってるんですか、それぞれの家ごとに部屋を分けたのに、それでは意味がないではありませんか」「主人とメイドを分けるのは理に適ってるわねソフィアお姉様?」「ここぞとばかりにクリス様を誑かすなんて…」「私そんなつもりで言ってないんだけど?」

 あーもうめちゃくちゃだよ。私の部屋で言い争わないでほしい。これならルームシェアなんてしない方が良かったんじゃないの?

 「分かった。私は今日はそこのソファで寝るからベッドはあなた達で使いなさい」

 「え、いいんですか?」「いやクリス様をソファに寝させるなんて……メアリー今なんて?」「メアリー、あなたがソファに寝なさい。寝相悪いんだから」

 どうしてこう解決策を出したのに、解決しないでより悪化するんだろう。

 いつの間にかソフィア達一行が部屋から居なくなっていた。勝手に騒動起こして逃げないでほしいわ。


 あの後、収集がつかなくなったので、じゃんけんの一発勝負で決めたら私がソファに寝ることに決定したのだった。

 それはいいんだけど、夜中にメアリーがのしかかってこないかだけが心配だわ。


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