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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第6章

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12 入学式/みんなでランチ①


           *      


  やっとの事で入学式。席は好きなところに座っていいとの事なんだけど、大分後の方に来たから、結構席が飛び飛びでしか空いてない。

 運良く七人くらい座れる場所を見つけたのでそこに座る。

 前の四席を私とソフィアとマーガレットとカリーナちゃん。後ろの三席にエリー、ウィリアム、テオドールたんが座った。

 アーサー? アーサーはエリーの膝の上でぬいぐるみのように抱かれながら気絶しているわ。

 学長であるレグナムさんの長すぎる話が終わり、生徒会長であるお姉様の過激な挨拶が終わり、新入生代表としてレオナルドがスピーチをした。

 やたらキョロキョロしながら話しているなと思っていたが、途中から私の方だけを見て話していた。視線の線上にいる生徒がざわついていた。

 ちなみに私は気づかないフリをしていたんだけど、途中でレオナルドが勢いよく視線をずらしたので何なんだろうと思って振り返ったら、エリーが嬉しそうに手を振っていた。

 これ他の生徒たちの間で話題になるんじゃないかな? 『レオナルド殿下、大柄な女性に愛の眼差しを向ける』みたいな。

 まぁ、そんなこんなで入学式は無事に終了した。


 「あー終わったぁ」

 「そうね」

 「この後クラス分けのテストだっけ? めんどくさいなぁ。適当でいいのにね?」

 「本当にね」

 「え? テストあるの?」

 「大丈夫よマーガレット。そんな難しいのなんて出ないはずよ」

 「………………」

 「「マジか……」」

 私とソフィアが同時に呻いてしまった。


 ま、嘆いてもしょうがないよね。なるようにしかないもの。ただ、このまま普通にやったら、レオナルドと一緒の教室になりそうなのよね。

 何というか凄く気まずいのよね。

 男だとバレたのに咎めることなく今まで通り接して欲しいなんて……もしかしてそっちに目覚めたって事も………………ないわよね…。ないない。

 それに今まで通りだっていうんなら少しヤンデレ入ってるから尚の事距離を置きたいわ。距離を置けばワンチャン婚約解消いけるかもしれないし。

 よーし。ここは一旦平均点を狙って取って、真ん中あたりのクラスになるよう調整しましょう。そうしましょう。

 そんな事を決意して、校舎の前で拳を突き上げていたところを他の生徒に見られてしまった。大丈夫。大丈夫よクリス。テストを頑張る生徒にしか見えてないはずだから、恥ずかしくなんてないわよ。……うん。

 顔の火照りが収まった頃に校舎に入った。

 どうやら席は入った順らしい。そのまま案内されるまま教室に入り、席に座った。

 各席には筆記用具が置かれていて、前から教師がテスト用紙を配っていった。

 出題されたテストは三つで、『国語』『歴史』『数学』だった。

 テストの問題を見る。これ、いい成績とらない様にするの難しいわね。


 ふぅ〜終わったぁ…。

 久しぶりに頭使ったわね。というか、今から採点して振り分けるんでしょ。大変ねぇ。

 さて、今日は帰るだけなんだけど、ソフィアの要望通りご飯作るのよね。何がいいかしら。

 何を作ろうか思案しながら校舎を出ると、ソフィアが外で待っていた。

 「あらソフィアどうしたの?」

 「待ってたんだけど」

 「私を?」

 「そう」

 「もう…。そんなに夕飯が気になるのね」

 「いや、ちがっ……いやそれもあるけど…」

 「?」

 どうしたんだろう? お腹減ってるのかな? そういえば今日はお昼ないもんね。

 「まずはお昼にしましょうか」

 「そ…そうね。そうよね。そうしましょ……はぁ…」

 ため息吐くなんて、そんなに空腹の限界なのかしら? それともテストが上手くいかなかったのかな?

 「そういえば、他のみんなは?」

 「え? あぁ、そういえば見てないわね」

 丁度その時後ろからマーガレットの元気な声が聞こえた。

 「ソフィアおっねぇさま〜!」

 勢いよくソフィアに抱きつくマーガレット。

 「はぁ…」

 「!? どうしたんですか? ソフィアお姉様。まさかテストが…」

 「いやそうじゃないのよ。ちょっとお腹すいただけだから」

 「そうなんですか? じゃあお昼食べに行きましょ」

 「そうね」

 「おや、クリスとソフィアそれにマーガレット嬢。初めてましての方もおりますね。一緒にどうしたんです?」

 後ろからレオナルドに声をかけられた。

 振り返ると、他の面々も一緒だった。

 カリーナちゃんだけはちゃんとカーテシーで礼をした。

 そういえば、ここではそういう事しないといけないんだっけ?

 「今からお昼に行くのよ」

 「そうですか。ご一緒しても?」

 「いいんじゃない?」

 あれ珍しい。てっきりソフィアは拒否しそうなものだと思ったんだけど。少しは大人になったのかな?

 そうしていつもの面々で学園の外のお店にお昼ご飯を食べに行ったのだった。


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