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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第6章

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05 学園へ行こう②


 大体十五分くらい話していただろうか。シェルホワイト領の駅、アルガーリータに着いた。

 汽車がホームへ滑り込む。窓の外を見る。

 ここではあんまり乗る人はいないようだ。

 汽車が停車する時にホームで待っていたマーガレットと目が合ってしまった。停車するまで目線が私から離れない。

 到着してドアが開くと同時にマーガレットが飛び込むように入ってきた。

 外からどこに乗っているのかずっと見ていたらしい。凄い洞察力だ。

 「また新しい女がいる」

 「この子はカリーナ。クリスの所の商会の子よ」

 「あ、じゃあ大丈夫ですね。私はマーガレット・シェルホワイト。ソフィアお姉様の恋人です」

 「違うわ」

 「未来のお嫁さんです」

 「はいはい。全く勝手に新しいオプション付けて…」

 「はは……。あ、わ…私はカリーナ・コロモと申します。ラピスラズリ商会の…」

 「えっ! あそこの娘さんなの? すっごい! お友達になりましょう」

 「えぇ……」

 マーガレットの現金かつポジティブな性格は羨ましいね。

 最初にあんな睨みつけるような事していて、この手のひら返し。

 カリーナちゃんがメチャクチャ引いている。

 「あそこってクリスのところの商会だったのね。知らなかったわ」

 「一応、私とお姉様が共同の出資者なんだけどね」

 チラとお姉様を見た後に私を見るマーガレット。

 何でそんな疑うような目で私を見るのよ。本当よ。一応あれでもちゃんとやっているんだから。普段の言動や行動を見ていたら信じられないでしょうけど。

 「ちょっとマーガレット………様? 勝手に突っ走らないでください」

 一瞬呼び捨てで言いそうになったのは、マーガレットのところのメイドさんのマトリカリアさんだ。後ろからはデイジーさんと……あれもう一人は誰だろう?

 「ねぇマーガレット、あの方は誰?」

 「あぁ、あの人はうちで長い事働いてるベテランメイドのヨメナさん。すっごい優秀なのよ」

 「へぇ…」

 長い事働いているのだろう。結構お年を召されてる方ね。おばあちゃんと孫位離れている気がする。

 一緒に着いていった四人の内一人だけ残るのは寂しいから二人だけ来たのかな?

 それとも、二人だけだと力不足と感じたのかしら?

 そんな感じで空いてる席にシェルホワイト家のメイドさん達が座り、王都へ向けて出発したのだった。

 「そういえば聞きたいことがあったんだけど」

 「なぁに?」

 「何でマーガレットの所から王都まで線形がまっすぐじゃないの?」

 「丘陵地だからよ」

 「本当に?」

 「ほ…本当よ。別にレオナルドがクリスのところに行くのに時間がかかるようにしてるわけじゃないからね?」

 「私そこまで言ってないんだけど」

 「……………」

 語るに落ちるとはこの事ね。

 ちなみにこの汽車だが、現時点でエリーのいるエンジェルシリカ領までの路線を含めて新しく五つの路線が開通しているんだそうだ。それでも王国の半分以上を占める北東部はまだまだ工事が進んでいないらしく、そこに住む貴族とかは馬車で移動しているんだそうだ。

 学園まで走ってきたら、到着早々制服がボリボリになりそうだもんね。

 ……ちゃんと汽車に乗ってくるわよね?


 そういえばずっとカリーナちゃんが静かだけどどうしたんだろう?

 私の横にいるカリーナちゃんを見ると、かぁっと顔を朱くさせて、さっと視線をずらされた。何なのよ…。

 「あなた応援してるわ」

 「えっ?」

 マーガレットが唐突にそんな事を言い出すが、何を応援するんだろうか?

 さっきよりも真っ赤な顔で下を向いてしまったカリーナちゃん。熱でもあるんだろうか?

 「大丈夫? 熱でもあるの?」

 「だ…大丈夫よっ」

 尻上がりに否定せれたが、なぜかマーガレットが「別の意味でお熱よね」なんて言っているが、違う所が体調が悪いのだろうか?

 「はぁ…。あなたも大変ね」

 なんで私が非難されているような感じになっているのかしら?


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