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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第6章

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01 プロローグ


 私はクリスティーヌ・オパールレイン。オパールれいん伯爵領の次男(三女)。ただ女の子の格好をするのが好きなだけなのに、この国の第二王子であるレオナルド・レッドグローリア・トリニティ・ダイアモンドの婚約者になってしまった。

 お父様からは男だとバレずに婚約解消されるよう言われていたのだが、結局レオナルドには男だとバレてしまった。それなのに、一向に婚約解消の連絡は来ない。

 お父様に確認しても、そういった連絡は受け取っていないとの事。

 それどころか、あれから一年近く私の前に姿を現さなかった。

 もしかしたら、心に深い傷を負って伏せっているのかもしれないと思っていたが、ちょくちょく遊びに来るエテルナ様から、そう言った事は全くないと教えていただいた。

 まぁ、実際どうなのかは分からないんだけどね。レオナルドと一緒にウィリアムも来ないのは一体どうしたんだろうか。

 でも、街で行われているイベントにはちょくちょく現れているんだよね。やっぱり、私には会いたくない。そう言う事なんだろうか?

 まぁ、隠していた私も悪いんだけどさ。せめてきつい言葉で拒否してくれたらどんなに楽だっただろうか。

 そしてとうとう学園入学の日になってしまった。

 今日学園へ行った時にどんな対応をされるのか、内心不安しかない。


 不安しかない筈なんだけど、うちのメイドさん達(バカども)のせいで、そこまで考える余裕がない。というか、この状況は一体何なのだろうか?


 遡る事、十数分前―――――

 「やっば…かわいい。マジかわいいわ」

 制服を着て姿見の前で色々ポーズを取る私。

 やっぱり制服ってマジックアイテムよね。着るだけで何倍も可愛く見えるんだもの。

 そして、元々の可愛さに乗算される事によって、神々しく見えるわ。ずっと見ていられるもの。

 自画自賛とはこの事よねと思いつつも、姿見から視線を動かせない。だって姿見の中には抱きしめたいくらい可愛い私が映っているんだもの。

 ちなみにこの制服はお兄様がデザインしたものなんだそう。それまでは地味な制服だったのに、お兄様が初日から改造した制服で登校し、翌日には変えてしまったのだそう。

 普段寡黙なお兄様の行動力半端ないわね。

 でも、流石はお兄様。可愛さ滲み出っぱなしのこの制服は凄いわ。機能性や実用性よりデザイン重視が過ぎるわ。これを認めさせたお兄様って凄いわ。一生これでもいいかもしれない。

 暴力的なまでにボリュームのあるスカート。デザインによってくびれが出来るジャケット。大きめのリボンと、細部に至るまでセンスのいい装飾。そして、一番の特徴はジャケットが姫袖だって事だろう。下のドレスシャツはキャンディスリーブになっているのはジャケットを脱いでも可愛く見えるようにって事なんでしょうね。そもそもこのドレスシャツ自体フリルとか凄いもの。

 なるほど。ゴスロリ大好きなお兄様がデザインしただけある。ヘッドドレスがないだけで、それ以外はゴスロリっぽくもちゃんと制服のデザインになっている。

 ………なるほどなるほど。漫画とかアニメのキャラクターがずっと制服しか着ない気持ちが分かった気がするわ。

 私が前世で学生の時なんて何の代わり映えもない学ランだったものせめて下はスカートが良かったけど、無理なものは無理よね………。

 「あの…、クリス様……」

 「何かしら?」

 姿見越しに返事をする。

 「可愛すぎて貧血になりそうなので、その辺で……」

 「あらそう?」

 やっぱ可愛いって正義だわ。

 振り返ると、鼻と口を手で抑え震えているビシューがいた。

 「ふふ…可愛いでしょ?」

 駄目押しに一回転してカーテシーのポーズを取った瞬間、ビシューが鼻血を吹き散らし倒れた。

 ちょっと、血が制服に付いたらどうすんのよ…。

 「尊い………」

 それには激しく同意するけれど、そんなんでこの先やっていけるのかしら?

 ちなみにもう一人のメイドのロココは恍惚の表情をしたまま気絶していた。


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