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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第5章

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63 エテルナのぼやき


           *      


 どうも。エテルナです。

 やっとの事でクリスちゃんと会えたのはいいんだけど、どうして今まで誰も気づかなかったのかしらね?

 あれだけ絶世の美少女♂がいたら、絶対に気づきそうなものなんだけどね。

 それはそうと、今まで考えないようにしていたことがあったのだけれど、そうも言ってられない問題がある。

 それはレオちゃんの事だ。


 普段のレオちゃんはそれはもう素直で利発でいい子なんだけど、クリスちゃんが絡むと途端にIQが低下する気がするの。

 クリスちゃんを見るなり、見境なく抱きつこうとしたり、覗きをしたり……。

 言葉遣いも幼く感じるのよね。大体十歳くらい下がる感じで…。

 まぁ、ライちゃんもルキちゃんもバカ旦那もそれぞれ問題はあるのだけど、レオちゃんのは早々に直さないといけない気がするのよね。

 あのまま学園になんて通わせられないわ。

 せめてあの幼くなる現象を治さないとね。クリスちゃんは気にしてないようだけど、知らない人から見たら異常に見えてしまうわ……。

 それに今日だって、クリスちゃんがお風呂に入るときに覗きをするだなんて、王家として恥ずべきことよね。

 まず、覗きをすることが論外………………いや、私も見てみたいからそれはいいかしら……。

 覗いても堂々としていればいいのよ。そうね。そういう方向でやっていきましょう。

 親子で演劇を見る感じで……ね。


 最初、メアリーが雑に抱えてきたときはびっくりしたけど、それよりも鼻血で真っ赤になった顔が衝撃だったわね。

 寝ている時も譫言で『クリスのあそこがツルツル……』なんて事をずっと言っているんだもの。

 ホント何を言っているのかしらね?

 クリスちゃんは男の娘なのよ? そんな女の子の下半身を見たときみたいな反応するなんて………。

 でも実際にそこまで見たのかしら? もしかしたら、ムダ毛がない事をツルツルと言ったのかしら? 後で確認させてもらわないといけないわね。

 しかし、免疫が無さすごなのも問題よね。こんな事で熱を出して寝込むなんて…。

 初夜を迎えたらどうするのかしら?

 そのせいで、折角のクリスちゃんとのお食事をフイにするなんて。ホント誰に似たのかしらねぇ…。


 まぁ、そんな事よりも考えないといけない事はいっぱいあるのだけれどね。

 反体制派の面々が色々と裏でこそこそやっていたのは知っていたわ。でもまさか、最近発展目覚ましい所含めて陥れようと画策していたとは驚きだわ。奪ったところで、上手く経営出来ないのは自分の領で分かっているはずなのにね。

 でもまぁ、オパールレインが巧くやってくれたから、何一つ被害はなかった訳だけど、敵とはいえ、やっぱりもう少し出来ないかと期待してしまうのよねぇ…。

 自分の領を発展できない人間が王家を転覆させようだなんて、ホント呆れてしまうわ。しかも回りくどいやり方してまぁ…。

 どうしてこんな時期にしたのかしらね?

 問いただしたら教えてくれるかしら?

 まぁ、その辺の後処理とかは、お兄様やレイチェル。それと第一騎士団に任せればいいかしらね。

 

 でも、今回はホントクリスちゃんには感謝だわ。今まで放置していた私が悪いのだけど、王城の膿を取ることが出来たんだもの。感謝の証として、ナニをしてあげようかしら? 

 「ふふふ……ふふ………ふふふふふふ…………」

 あらイヤだ。執務室で一人笑っていたら怖いわよね。

 「なぁ、エテルナ…そろそろ解いてくれんか?」

 あら…忘れていたわ。夫のデボネアを吊し上げたまま、残った仕事をしていたんだったわ。

 「あなたそういうの好きでしょう? 明日の朝までそうしていたらどうかしら?」

 「わ……ワシにそんな趣味はないぞ? …………悪かったって…。反省しているから、頼む!」

 ただじぃっと見ていただけなんですけど?

 「はぁ…」

 手元のナイフをシュッと投げ、夫の紐を断ち切る。その瞬間、全ての紐が解れ、地面に潰れたカエルのように落ちた。


 「ぐえっ!」

 声までカエルそっくりね…。

 よろよろと立ち上がると、夫は睨めしい目つきで私を見る。

 「何かしら? それとも、これを代わりにやっていただけるのかしら?」

 「…いや……その……すまんかった!」

 深々と頭を下げる夫。何に対して謝っているのかしらね?

 「あの……エテルナ? 何で黙ったまま仕事してるんだ?」

 「だって終わらないんだもの。それに、何に対しての謝罪か分からないんですもの…」

 「………もう、クリス嬢にはお酒を強要しません」

 「ん…。まぁ、及第点ね。今回は良しとしましょう」

 「はぁ〜よかったぁ………」

 全然良くないんですけどね! お酒を止めて、ちゃんと仕事してくれたら私だって怒らないわよ?


 まぁ、夫に仕事を任せるとロクなことにならないんですもの。例えば、レオちゃんの婚約者の件とかね。

 男と男で結婚出来るわけないでしょうに…。

 まぁ、クリスちゃんはホントに可愛いから、娘として欲しいのは本心なのだけれどね…。

 はぁ…。クリスちゃんが女の子だったならどんなに良かったかしら……。

 「はぁ……」

 「そのため息はなんなんだ……」

 「え…、あぁ、これは関係ないわよ。ただの疲れよ…」

 「そ…そうか……。じゃあ、ワシは先に寝るな?」

 「はいはい。どうぞご自由に」

 そこまで冷え切ってるわけじゃないんだけど、夫の行動や言動が煩わしいと感じるのよね。

 明日はクリスちゃんで沢山遊ばないと……。

 そう思うと、目の前の仕事を片付ける気分も少し軽くなった。


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