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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第5章

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20 今度は庭いじり


           *      


 そんな訳で、またもや作業着に着替えディンゴちゃんと共に中庭に来たのだが。

 「一体何をやるんだろうね?」

 「中庭だからね。花でも植えると思うんだけど…」

 この前サミットさんと一緒に来た中庭だけれど、一面土しかない。地肌が見えてすごく殺風景だ。これを三日でどうしろというのだろうか?


 そんな事よりも、いつの間にかディンゴちゃんの喋り方が普通になっている事に驚きだ。ここ一週間はいろいろあって、そんな事気にしてなかったけど、一週間でこんなにも変わるものなのだろうか? きっとここに至るまでかなり努力したんだねぇ……。


 そんな事をしみじみ考えていたら、奥からタロンさんがシャベルなどの道具を持ってきた。

 「まさか、昨日の今日で手伝ってもらえるなんて思わなかったよ」

 「いえいえ、どこも人出不足みたいですし。あ、私クリスって言います」

 「助かるよ。あ、僕は園芸課のタロン。園芸課なんて言ってるけど、要はこの城での庭師だよ。あ、一応責任者でもあるんで、よろしくね」

 「はい」

 あれ、ディンゴちゃんの返事が聞こえないので、横を見ると、ぽぉ~って表情をしていた。


 「ディンゴ?」

 「あっ…ひゃあいっ!」

 「大丈夫? ぼうっとしてるけど熱でもあるの?」

 「なっ…ないない。全然ない。寧ろ元気有り余ってるくらい」

 「そっか。で、タロンさん。私達ってなにやればいいんですか?」

 「あっ…、ええと、そうだね。ここの中庭なんだけど、見ての通り殺風景でしょ」

 「はい」

 「本当はもっと綺麗な中庭なんだけどね、年末あたりから一部の騎士がここで訓練をしてね、それで中庭がこんなになってしまったんだよ」


 あいつらホントロクな事しないな。一部って事は、性欲猿と悪ノリ連中のどっちだろう? それともそれ以外にもいたのだろうか?

 タロンさんが続けて言うのは、年末からの大雪で外に出ていなかったのだけど、寒さが少し落ち着いた頃、王妃様が城内を散歩していた時に中庭がぐちゃぐちゃになっている事に気付いたんだそう。


 勿論、罪を園芸課になすり付けた第二騎士団副団長によって、早々に現場復帰させろと上の官僚から申し付けられたのだそう。

 タロンさんは反論する事なく了承したのだが、運悪く仲間が風邪で寝込んでしまったのだそう。そうこうしているうちに期限が今日を除いてあと三日らしい。


 全体的に穴ぼこだらけで、ダメになった植木やらを片付け、整地するだけでいっぱいだったそうだ。

 それで、この後どうしようかという状態らしい。

 「何を植えるかとか決まってるんですか?」

 「正直それも決まってないんだ」

 つまり一から庭いじり出来るって事よね。やばい。ワクワクしてきたわ。


 「じゃあ、花とかもまだ買ってないんですよね?」

 「そうなるね」

 「じゃあ、寄せ植えにしちゃいましょう」

 「寄せ植えかぁ。センスを問われるね。でも面白そうだけど、この時期に売ってるところあるかなぁ?」

 「王城で契約しているところとかないんですか?」

 「あるにはあるけど、花とかはあんまりなかった気がする。室内に飾る用の切り花とか庭園用の低木なんかが多いね。あ、バラは多かった気がするけど…」

 なるほどねぇ。ここもそういう感じだったんだろうね。低木は垣根にしたり、まあるく刈り込んだりしてる木の事よね?


 そういえば王都にもうちの商会でやってる花屋さんあったわよね。

 一昨年くらいから王都に進出して、庭がなくてもプランターでガーデニング出来るようにしたのが流行ったのよね。地面は勿論、ベランダや窓枠に設置出来るのもあって結構売れたのを覚えてるわ。

 いろんな種類の苗も扱っているが、うちの領に比べたら少ないかもだけど、行ってみる価値はあるかもしれない。


 「じゃあ街に行って苗を買ってきましょうか。もしくは、必要な分運んでもらうのもアリですね」

 「そんなお店があるのかい? 楽しみだなぁ」

 ということで、街に買いに出かける事にしたのだけど、ディンゴちゃんや。終始上の空だけど大丈夫?


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