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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第5章

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10 これ、メイドの仕事じゃないよね?



           *      


 翌日。朝食が終わり、朝礼後、私とディンゴちゃんの移動の話があった。

 私は洗濯からまさかの城の補修要員に回された。それもうメイドの仕事じゃないですよ。どう考えても男性の仕事では? まぁ、今は女の子になってるからあれだけど、中身が男だとバレたのかしら。


 朝礼中、他のメイドさん全員がざわざわしたくらいだもの。

 メイド長も申し訳なさそうにしていたけど、たまたま欠員が出て緊急で人出が欲しかったのだそうだ。まぁそれなら仕方ないか。

 しかし、入って一週間のメイドを補欠要員でだすのだろうか? まぁ、考えても仕方ない。上の方で決めた事だし、今の私はそれに従うだけだ。


 という事で、メイド服から作業着に着替えて指定された城の東側にやってきた。

 西側よりもやたら広い。騎士団が訓練するのに使えるくらいの広さだ。

 よく見ると、地面の芝生が所々剥がれているし、少し離れたところは地肌が露出している。


 「おう。お前が新しい小間使いか。俺は修繕課のサミットつーもんだ。よろしくな坊主」

 「あ、はい。よろしくお願いします。クリスと申します」

 坊主って言われたけど、まぁ、子供全般にそういう言い方してるんでしょうね。って、悪かったわね。子供みたいな身長で。伸びないんだから仕方ないでしょ。

 あれだけ牛乳飲んでいるのに背も胸も大きくならないのよ。

 でもまぁ、それでも飲み始めの頃に比べれば結構伸びたと思うのよ。一応150はあると思うわ。多分。


 「そうか。でも、てっきり男を寄越すもんだと思ってたけど、まさかこんな小さい子供とは思わなかったぜ。まぁ、そんな大変な事はやらなねぇから安心しな」

 悪気はないと思うんだけど、結構言葉遣いが荒いわね。まぁ、そっちのが肩肘張らなくていっか。

 うちの使用人くらいの口の軽さだから、自然体でやっていけるわ。


 「しっかし、お前さんそんな格好してるのにどこからどう見ても女だな。普通、こういう格好して帽子被ってりゃ少年っぽくなるのに、不思議だなぁ…」

 サミットさんは上から下まで何回も視線を動かしながら確認する。

 まぁ、私としてもホント不思議に思うのよね。醸し出す美少女感が邪魔するのね。


 「こんな子怪我させたらやべぇな」

 「お気遣いいただきありがとうございます。でも、鍛えてるんで大丈夫ですよ?」

 「ははっ…。鍛えてるねぇ…。そんな華奢な体でか? まぁ、いないよりはマシか……」

 あぁ…これ戦力として見られてないわね。まぁ、仕方ないっちゃあ仕方ないけどさ。

 多分、修繕以外の雑用全般をやってもらおうって感じなのかな? で、何をするんだろう。


 「じゃあ、今日からここの壁一面の補修なんだが」

 「えっ! この量を二人で?」

 「だから言ったろう? 他の奴ら全員風邪で寝込んじまった。一週間は来られないんだとよ。上からはこの隙間風なんとかしろって言われてっけど、今やる内容じゃねえんだよなぁ」

 「何でこんな事になってるんです?」

 「年末に騎士団のバカ共が訓練中に穴あけちまったんだとよ。そしたら、そこからヒビが入るわ、老朽化したところが崩れるわ…と、まぁそんな感じだ」


 これは大変だわ。結構上の方までいってるもの。綺麗に足場を組んであり、崩れ落ちたであろう破片とかは綺麗に回収され、代わりのレンガなどの資材が積まれていた。


 「今日に至るまで準備をしてきたんだ。そしたら、寒さと疲れからなのか、部下全員が風邪ひいちまってな。足場は組んであるんだが、流石に俺一人でこの量はきつくてな。今の所、騎士団が郊外の広場で訓練してるんだが、遠くて大変だと愚痴られてな。応急処置的な感じでもいいから早く埋めろって言われてるから、そんなに気負う必要はねぇ。とりあえず、教えながらやってくか」

 「はい」

 「おう。元気があっていいな」


 意外や意外。まさか、普通に補欠要員として修繕に加わるとは思わなかったわ。私でいいんだろうか。普通に返事しちゃったけどさ。

 その後は気をつけるべきところを説明され、教わった通りに補修をしていく。


 「中々筋がいいな。以前やっていたのか?」

 「いやぁそんなには…」

 確かにうちでも手伝いでやっていたりしたけど、ここまで本格的なやつは初めてだ。


 「あー…」

 「どうした?」

 「いや、私が提案するのもなんですが…」

 「そんなの気にすんな。言ってみろ」

 「あ、はい。ここのやり方なんですけど……」


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