表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

236/546

48 睡魔には抗えない


 「ふぁあ〜あ。よく寝たわぁ………って、クリスこんなことで何やってんの?」

 忘れてたわ、騒がしい人がまだいた事を。


 「何って、うるさい人達がやっと帰ったから、見送りしてたのよ。ソフィアこそどうして玄関に来てるのよ?」

 「いや、なんか今日街行くって言ってたなって思い出して……。そうよ、街に行くんじゃない! もしかして間に合った感じ?」

 寝ぼけてるんかな? もうお昼の十四時回った時間よ?


 「いや、間に合ってないし。もう行って用事は済ませてきたのよ」

 「えー………。ねぇ?二人で行かない?」

 「いや、行ってもいいけどさ、その前に顔洗ってきたら? 顔の半分ベタベタよ?」

 そう言って顔を触り、顔を顰めるソフィア。


 「横にマーガレットが寝てたから……」

 あぁ、なるほどね。だからか…。だったら、首筋のキスマークとかは黙っておいたほうがいいわね。

 「あれ…、そういえば、その横の人誰? 新しいメイドさん?」

 ソフィアが私の横にいる自称女神様に気づいたようだ。


 「あぁ、それもいいかもしれないわね。行くとこないから暫く置いてくれない?」

 とんでもないことを言い出した。


 「え? 違うの?」

 「そうよ。新しくクリスちゃ……クリス様の専属になったイデアよ」

 「まだ雇うなんて言ってないし……」

 「いいじゃない。悪いことはしないからさぁ」

 「随分馴れ馴れしいわね、この人」

 「ソフィアもそう思う?」

 「私もクリスの専属になりたいもの」

 「じゃあ一緒にメイドになればいいじゃない」

 「良くないよ! ぜんっぜん良くないよ」

 「けちー」「まな板ー」


 自称女神様はともかく、公爵家のご令嬢を伯爵家のメイドになんて出来るわけないでしょう? 怒られちゃうわよ。

 それにそんなことしたら、マーガレットも居座るって言い出しかねないから、こういう提案は即却下するに限るのよ。


 「まぁ、私に雇用する権限なんてないから、お父様に聞いて了承を得れば一日二日くらいは置いてくれるんじゃない?」

 「分かったわ。ジェームズちゃんにハイって言わせればいいのよね。私そういうの得意だから、首を洗って待ってなさい!」

 女神の癖に言葉の使い方間違ってるんですが……。


 「なんか、変な人ね」

 「そうだね。とりあえず…顔洗ってきたら? 首元までベタベタよ?」

 寝ぼけて玄関まで来るソフィアもアレだけど、この時間まで寝ているマーガレットも凄いわね。

 でも、二人とも寝ていたからこそ、変な事件に巻き込まれなかったのよね。


 ……………もしかして…。

 もしかしてだけど、昨日の夜更かしって、アンさん達が意図してやったのかしら。

 敢えてソフィアとマーガレットが来ないように仕向けたのかしら?


 ……………まさかぁ。そんなわけないわよね。あの人にそこまで考えて行動出来るわけないわよ。

 もし、そうならもう少しまともな行動するもの。一月の間ハメ外してるだけなわけないわよね。

 でも、事前に起こることが分かっていて、来たんだとしたら恐ろしいわね。

 まぁ、たまたまよ。たまたま。偶然が重なっただけ。

 そういうことにして、あの人達の事は考えるのやめましょ

 思い出すだけでも疲れてしまうもの。



 とりあえず、ソフィアとマーガレットは何も食べてないだろうから、街で何か食べに連れて行ってあげましょうかしらね。

 ソフィアは顔を洗って着替えてるのかしら?

 そう思って部屋へ行くと、マーガレットと一緒にまた寝落ちしていた。


 なんていうか、女の子同士が一緒に眠っているのを見ると、尊いなって思うよね。

 なので、邪魔しちゃいけないと思いそのまま扉を閉めて部屋を後にしたんだけど、よく考えたら、ここ私の部屋なのよね。

 我が物顔で眠っているけれど。

 まぁ、昨日あれだけ起きてたらね、眠いよね。


 よく考えたら、私一睡もしてなかったわ。

 それに気づいた瞬間、堰を切ったように、強烈な睡魔に襲われてしまった。

 やっば…。めちゃくちゃ眠くなってきた。瞼を開けているのすらやっとだ。

 一番近いのは私の部屋だけど、二人が寝ているからなぁ。

 でも、廊下で寝たら何されるか分かったもんじゃないし…。

 仕方ない。自分の部屋のソファで寝れば、安全でしょ。

 眠くて重い体を引きずって、何とかソファの上まで辿り着いた時点で私の意識は途絶えたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ