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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第4章

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46 自画自賛


 「どうよ。めちゃかわじゃない?」

 「そうですね。私たちの負けですね」「悔しいけど、認めるしかありませんね」「まだまだ勉強不足だったという事ですね」「何でも足せばいいってわけじゃないんですね」「輝いて見えます」「いつも受けに回ってる人が攻めに回るとこうも凄いんですね」「まじレベチ」「流石、クリス様。さすクリ」


 はっはっは…。今回は褒めていいわよ。

 元の素材がすごく良かったからね。何ていうのかな。蕾が花開いたというか、ダイヤの原石が磨かれたというべきか。

 正直、私も驚いてるわ。なにせ、テオドールたんの後ろに後光が差して見えるもの。


 「ぁうぁう…。ぼ、僕が僕じゃないみたいですぅ……」

 「いいえ。これがあなたの本来の姿なのよ。もっと胸を張っていいのよ?」

 「は…はいぃ………」

 まぁ、私もテオドールたんも張れる胸無いんですけどね。


 テオドールたんの頬に手を当てて顔を近づけると、なんかドキドキするね。

 メイドさん達が黄色い声でキャーキャー言ってるけど、私の心の中でもキャーって音が鳴り止まない。慣れないことはするもんじゃないね。

 顔が真っ赤になって目がぐるぐるしてる。

 それにしてもかわいいな。ペロペロしたいっていう気持ちも分からないでもない。

 まぁ、私はそんな事しないんですけどね。


 そんな感じで、自分の最高傑作を眺めていたら、私の周りにメイドさん達が囲うように集まってきた。

 「では、クリス様もお着替えしましょうか?」

 「え、なんで?」

 「だって聖女様が正式な衣装を着るんですよ? 女神様であるクリス様も正しい格好をしていただかないと、示しがつきません!」

 「まぁ、そういう事なら…」

 「最近のクリス様はすぐ騙され……いや、従って………これも違うな。えーっと………、あ、そうそう。ノリが良くて助かります」

 「理解が早くて。でしょ?」

 「そうともいいますね」

 もう少し国語の勉強した方がいいと言うべきか、思った事を口に出す事をやめた方がいいと注意すべきか悩むところね。

 


 「ちょっとこれ紐じゃない! 背中はこんな開いてるし、丈も短すぎ! ロザリーがかわいく思えるくらい短すぎ。パンツが見えちゃうじゃないの! てか、ちょっと動くだけでここがくっきり出ちゃうんだけど!」

 どっかの神様の衣装かなってくらい、心もとない布の面積と長さだ。


 「まぁ、正式な衣装ですので」

 「そんなわけないでしょ! これあんたの趣味でしょ」

 「まぁそうなんですけどね、なんだかんだ言って着てくれるクリス様は流石ですね」

 まぁ、出されたらそりゃあ着るでしょう。途中で止めようにも、さっき着ていたやつ回収されちゃってるんだから、着る以外の選択肢が無かったのよ。


 まぁ…着る前に確認すればいいだろうって思うでしょうけどね、新しいコスプレ衣装があると胸が高鳴って一回全部パーツ含めて着ちゃうのよねぇ。だって、私何着てもかわいいから、着てから確認したいし…………。まぁ、それでいつも後悔するんですけどね。

 「胸が真っ平らなクリス様だと、魅力が半減ですね。残念です」

 「悪かったわね、まな板で…。……って、待って、なんでそんな被害者みたいな表情できるのよ。おかしくない? 被害者は私でしょ?」

 俯き暗い顔をするメイドさん達。

 勝手にこの衣装を着させようとしたのはあなた達でしょうに…。


 「まぁ、白い衣装なんで粘液まみれにすれば、まだ……」

 「まだじゃないわよ。ほら、本当の方渡しなさいよ。着替えるから」

 「えー」

 「えーじゃないわよ。夏だから涼しくていいけど、人前でこれを着る勇気は私にはまだ無いわ」

 「わがままですね」

 「そうよ。私はわがままですよ」

 「わがままついでに、脱ぐ前にポーズ取ってくれませんか?」

 「どんなのよ?」

 「片脚を頭の上まで上げるやつです」

 「あっ、それいいわね」「是非」「今すぐプリーズ」「はよう!」「全裸待機します」

 毎回一人二人頭のおかしいやつがいるんだよね。誰だか分からないけど。


 「そんなに見たいなら見せてあげるわ…よっ!」

 思いっきり上へ蹴り上げるようにしたのだが、やっぱ慣れているのか、簡単に躱されしゃがまれてしまった。

 「クリス様、暫くそのままでお願いします」「動かないでくださーい」「なんだかんだ言ってもやることやってくれるんですよねぇ」「パンツを履かせたのは失敗だったな」「激しく同意」

 なんでこんな事やってるんだろうと、我に返り、そっと脚を下ろした。

 そんな様子を不思議そうに眺めているテオドールたんと目があった。


 「テオドールたんもこれ着る?」

 「今はいい…」

 とういう事は後でならいいと言う事か……。ふむ。もしかして、テオドールたんは私と趣味嗜好が近いのではないだろうか?

 まぁ、それは後でおいおい聞いていくとして、今は着替えてみんなの元へ戻らないといけないわね。


 その後、メイドさん達が用意したのは、テオドールたんの着ているものデザインが近いが、レースや装飾が少し多めでなんかいかにも女神っぽい衣装だった。

 着替えた後に鏡を見たんだけど、本当に女神って言って差し支えないくらい神々しかった。こういうのを自画自賛っていうのかしらね?


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