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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第4章

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36 なかなか来ないのに、余計なのはどんどん来る件


 翌朝―――――

 「ソフィア起きなくていいの?」

 「むり……………ね、ねむい…………しぬ……」

 「マーガレットは?」

 「…………………ねてるからいい………………」

 「そう…」

 そりゃあ、あんな遅くまで話し込んでいたら眠いわよね。寝落ちしたのが太陽が昇ってからだもん。


 「……まぶしい…カーテンしめれ…………」

 「………………」

 カーテンを閉めて部屋を後にする。

 私の部屋なんだけどな…。


 ソフィアはともかく、マーガレットはソフィアと一緒に寝たいだけな気もするのよね。そのままそっとしておいたほうが二人のためにもいいでしょ。

 あんだけ、行きたい行きたいと言っていたソフィアがまさかの夜更かしで疲れて不参加。

 あんだけ行きたいと言っていたのに、睡眠を優先するとは…。あとで、「何で起こさなかったの!」なんて言われたらどうしよう。


 でもね、アンさんに捕まったらこうなるのよ。

 私も最初そうだったからね。途中で抜け出そうもんなら勝手に連れ戻されるから、起きてるふりしながら寝るのが攻略のカギよ。

 無理して起きてても辛いだけだから、とっとと諦めて寝ちゃう方がいいわ。

 まぁ、私の場合はそれすらさせてくれなかったからね。最初のうちは拷問かと思ったわ。

 はぁ…。早く帰ってくれないかなぁ…。


 しかし、アンさん以下生徒会のメンバーの体力は凄いね。

 普通に朝ごはん食べに行ったものね。

 「それにしても、エリーもよくそんなに体力あるね」

 「んふふ。夜更かしはお肌の大敵だけどぉ、恋話は別よねぇ。そのためだったらぁ、いくらでも起きていられるわ」

 私の目の前で骨ごと魚や肉をバリバリ食べながら、何て事はないとエリーは言う。

 やっぱ体力かぁ…。


 「クリスちゃんだって、一緒に起きてたのに、元気じゃないのぉ」

 「ん? いや、ほとんど寝てたけど。ソフィア達が寝た頃に起きたし」

 「え? 気づかなかったわ。一緒に会話に参加してた記憶があるんだけどぉ…」

 あぁそういえば、ロベルタさんに水色のウイッグ渡しておいたから、代わりに答えてくれてたんじゃないかな? 私も黄緑のウイッグかぶって速攻で寝たし。

 まぁ、それを言うと後で面倒くさそうだから言わないけどね。

 そういえば、アンさんとキャロルさんの顔に殴られた跡があったけど、気のせいよね。


 十時を過ぎたが一向に来る気配がない。

 「遅いわねぇ…」

 「そうだね」

 「忘れてるのかしら?」

 「どうだろう」

 玄関前で待っているが来る気配がない。朝一というより、昼前といった感じだ。

 あんまり約束反故にするタイプに見えないんだけどなぁ。


 「ねぇクリスちゃん。来ないんならこっちから行きましょうか?」

 「そうだね」

 用意は済んでいるので、あとは馬車を用意して街に行くだけだ。

 街まで三十分も掛からないので急ぐ必要もないんだけど、余計なのが付いてきそうなので、急ぎ馬車を用意してもらおうと近くにいたメイドさんに声をかけようと思ったんだけど…。


 「……………」

 「何か言いなさいよ」

 「いや…、何でもない……」

 「嘘よ。そんな格好して何もないはずないでしょ」

 「そうよ。そんなおそろの格好で何もないはずないでしょ」

 まさか近くに居たのがアリスとメタモじゃなぁ…。

 街に行くって言ったら絶対に付いてきてたかるじゃん?

 というか、否定する前にさっさと着替えに行ってしまった。連れて行くなんて一言も言っていないのに…。


 「んふふ…。あの子達可愛いわね。きっとクリスちゃんのことが好きなのねぇ」

 「それはないよ。だっていつもイタズラとか揶揄ったりしかしないもの」

 「クリスちゃん………」

 なんかエリーが可哀想なものを見る目で私を見る? どういうことよ?


 「お待たせクリス」

 「で、どこに行くのよクリス」

 二人とも着替えるの早いね。というか、あなた達メイドなんだからメイド服じゃないの?

 紺色に白のラインの入ったセーラーワンピースを着ている。

 私の着ている白地に水色のラインの入ったセーラーワンピースに合わせたのね。

 そういえば、特に気にも留めなかったけど、エリーも似たようなセーラーワンピ………、ワンピ? 上はセーラー服っぽいけど、腰のあたりはフリルがついただけの水着、いやレオタードかしら?


 「どうしたのクリスちゃん?」

 「いや、なんでも…」

 まぁエリーだし、別にいっか。

 透けて黒っぽく見えてるけど、そういうもんだと思えば別に気にならないでしょ。

 それに一緒に付いていくのがアリスとメタモだという方が不安しかないけど、下手に何か言うとめんどうだからこのまま行きましょうかね。

 そう思っていたんだけど、更に面倒そうなのに捕まってしまった。


 「あら、クリスきゅん。そんなおめかししてどこ行くの?」

 げぇ…アンさんと愉快な仲間達御一行………。

 「何よその顔は…」

 お姉様までいるじゃないですかー。やだー、もう。


 「四人とも、おそろのカッコでずるいわ。私たちも行くから待ってて」

 そう言ってアンさんはお姉様やキャロルさん達を連れてどこかへ行ってしまった。

 姦しいので、姿が見えなくなるまで、話している内容が全部聞こえてきた。


 「ねぇ、サマンサあんな感じの服持ってないの? 合わせたいんだけど」

 「あるけど…」

 「じゃあ貸して」

 「いいけど、私よりお兄様のが持ってると思うわよ」

 「じゃあ、ルイスの部屋に行きましょ」

 「……ルイスの服…………」

 まぁ、お兄様と私の趣味合うし、お兄様は気に入った服を何着も持つタイプだから、合わせる事は可能でしょうね。

 お兄様が貸せばの話だけど。



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