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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第1章

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22 我が家のメイドさん達は優秀ですね

     *     *     *


 翌日―――――

 我が家のメイドさんたちが昨日のうちに十人程捕まえてきたらしい。

 簀巻きにされて転がされているのに反抗的な目つきで睨んでいる。

 一晩中そのまんまだったのか非常におかんむりだ。

 そしたら、何人かのメイドさんが追加とばかりに四、五人簀巻きにして連れてきた。もうほぼ全員捕まえたんじゃない? 仕事早いね。

 でも、リーダーっぽい豆の形の顔の男が居ないな…。

 「では、あなた。大好きなお仕事の時間ですよ? いってらっしゃい」

 うへぇって顔で賊を見下ろす。行きたくもない会社に行くのに満員電車に乗るサラリーマンみたいな表情をした父。心中お察しします。

 「はぁ………。わかりましたよ。やりますよ。はぁ……。面倒だなぁ、もう。じゃあ地下室に運んどいてくれる?」

 近くにいた男の使用人さん達にそう声を掛けていた。

 こくりと頷き、賊の男を肩に担いで行ってしまった。

 なんて力持ちなのかしら。軽々と担いで行ってしまったわ。

 というか、この屋敷地下室があるんですね。どうもいい使われ方してないようですね。正直、あんまりそこに踏み込まない方がいいんだろうね。おぉ怖い怖い。



 それから二、三日経ったある日。

 女子四人(うち二人男子)で午後のお茶を楽しんでいると、よろよろとこよりくらい細くなった父が入ってきた。

 「あらあら、あなたそんなに窶れて…。暫くぶりだから腕が落ちたんじゃないかしら?」

 「いや、あの人数をこの数日で問い詰めただけでも褒めて欲しいんだが…」

 「分かったわ。後で詰って鞭で叩いてあげるわね」

 「えっ?」

 「え?」

 「な、何を言ってるんだいレイチェル。私にそんな趣味は……」

 「あら、あなたがそういうお店に通ってるって方々から報告があるのだけど……。だから、ご褒美はこういうのがいいかなと思って気を利かしたんだけれど」

 はい。私もこの前の土下座の件報告しましたし、メイドさんや使用人さんが話してるのを何回も聞いていたので間違いないでしょうね。

 まぁ、お父様も男ですし、分からないでもないんですが……。

 「………」

 「沈黙は肯定と捉えますよ?」

 「いや、後学の為にね……。そ、それにレイチェルが鞭で叩いたら、一発で体半分持ってかれてしまうよ?」

 確かに。某宗教の鞭打ち刑みたいになりそう。

 「…………。ふふふ、冗談よ、あなた」

 「目が笑ってないんだが。というか、子供達の前でそういう話はちょっと…」

 「大丈夫よお父様。お父様の趣味はみんな知ってるので今更否定しても意味ないでしょ?」

 お姉様の言葉に、私もお兄様も頷く。

 「どうしよう。なんか徹夜で肉体的にボロボロだけど、まさかメンタルまでボロボロにされるとは思わなかった」

 しなしな~と倒れこむお父様。よっぽど疲れたんでしょうね。決算前や年末の繁忙期とかこうなるものね。わかるわー。



 お父様曰く、まだ捕まっていないのはリーダー含め三人だけだそう。

 明日、賊の身柄引き渡しで、王都の第一騎士団が来るそうだ。

 普通の賊ならまだしも、レオナルド殿下を狙ったからね。背後に誰がいるとか、どこかの国と繋がってるとか調べるんだろうね。あとは、途中で脱走しないようにとかかな?

 あれ? よく考えたらおかしいわね。捕まえた賊をそのまま連れてくならともかく、何でお父様が尋問してるのかしら…。領主の仕事に含まれるのだろうか?

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