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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第4章

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31 絶対面白がってやってるでしょ


 「さぁクリス、着替えてきたわよ」

 「うん。でも何で態々着替えたの? それ通気性悪いから暑いでしょうに」

 「そんなの些細な問題よ。それで、着替えてるときにクリスのとこのメイドさんにいろいろ聞いたんだけど、なんでも…願いを叶えてくれるんですって?」

 「初耳ですが…」


 しかしそんな事には耳を傾けようとしないソフィアは私の前に跪き祈りのポーズをとる。

 「女神様女神様、私ソフィア・アンバーレイクは敬虔なるクリス教の信者として、お願いがあります…」

 こっくりさんこっくりさんみたいな言い方なんとかならないの?


 「私の大好きなクリスとエッチしたいです。結婚したいです。子供が欲しいです。最初は女の子で次は男の子……」

 暑さで頭イかれたの? とんでもないこと言ってるわね。そもそもそれは神に祈ることじゃないでしょうに。


 「はい却下」

 「なんでなんでなんで! こんなに真剣に祈ってるのに! 酷いわクリス。願いを叶えてくれてもいいじゃない!」

 何が願いよ。邪な願いの間違いでしょ?

 それにしても、暫く会わない間に何があったのかしら?


 「女神様女神様、私マーガレット・シェルホワイトは大好きなソフィアお姉様と結婚したいです。一人目はソフィアお姉様が。二人目は私が産みたいです」

 今度はマーガレットがソフィアの横で同じように祈る。もしかして面白がってる?


 「女の子同士で産めるわけないでしょ? 何言ってんのよマーガレット」

 「いいえソフィアお姉様。ファンタジー感ある異世界。それにお姉様のところの科学力なら可能でしょ?」

 「確かに…」

 跪いたままのポーズで深く考えこむソフィア。

 否定しないってことは出来るんですかね?


 「……って、いやいやダメよ。私はクリス一筋なのよ」

 はいはいそうですねー。私は愛されマスコットキャラみたいな感じよねー。

 キッとこっちを睨むマーガレット。そんな睨まれても知らないわよ。


 「じゃあ次は私の番ね」

 そう言って背後に回り込み、目を瞑り手を合わせて耳元で囁き出すエリー。

 「女神様女神様、私エリザベス・エンジェルシリカはクリスちゃんと一発ヤリたいです…」

 「ひえっ…」「ダメよそんなの! 却下!」「却下却下! そんなの需要ないのよ。認めません!」

 ヤバいヤバい。背筋がゾクゾクするし、急に寒くなるし、震えが止まらない。冷や汗が滝のように溢れてくる。


 「あら、クリスちゃんの服が汗で透けてるわぁ。興奮しちゃった?」

 逆だよ。

 後ずさり距離をとり、改めてエリーを見る。


 「あら、クリスちゃんはこっち側だと思ったんだけどなぁ…」

 「わ、わた…わしはノーマルじょ…」

 焦ってめっちゃ噛んでしまった。

 でもしょうがないじゃない。それくらい動揺してるんだから。

 勘違いしてるようだけど、私が女装していたとしても恋愛対象は女性だけよ?


 はぁ…。どこかにいい人いないかしらね?

 ソフィアが憮然とした表情でこっちをじーっと見てるけど、どうしたのかしら?

 あぁ、エリーの格好か…。


 多分これしか着れなかったんだろう。伸縮性のあるレオタードタイプのシスター服なんだけど、股間の部分が凄く大きい膨らみだ。浮いてるもの。

 浮いている天頂部分が薄っすら濡れてる気がするのは気のせいよね。気のせい…。


 それにあんな大きなのブチ込まれたら破けちゃうわよ。

 まぁ、前も後ろも、前世も今世も未使用だからその辺全然分からないんだけど、確実に痛いんだろうなってのは分かる。

 しかし、マーガレットの言っていた需要とは一体……。


 「もう冗談よじょーだん。本気わけないじゃないのよぉ」

 いやいや、一瞬本気を感じましたが?

 「そもそも私、もっと筋肉ある殿方じゃないとぉ…」

 いいよ話の裾野を広げなくて。


 「でもそうねぇ。私もクリスちゃんみたいにエリー教って作ってみようかしらぁ」

 いや、私が作ったわけじゃないんだけど…。

 「それでね、エリー教はホモセックス推奨。いや遵守にした方が…」

 「そういうのは自分の領内だけに留めておきなさいよ?」

 「分かってるわよぉ」

 マーガレットの言うことには素直に従うんだなエリーは。なんでだろ。


 「で、今更なんだけど、今日はどうしたの?」

 「あら、用もなかったら来ちゃいけないの?」

 「いや、暫く来なかったから」

 「や、違うのよ。何か今年異常に暑いじゃない? だからずっとクーラーの効いた部屋で過ごしてたわけ。……大分暑さ収まったけどまだ暑いわね。何でクーラー入れないの?」

 「あるなら付けてるわよ」

 「じゃあ後で取り付けに来てもらえるよう手配するわ。………そうね。最初からそうしてればよかったわね。そうすればクリスとずっと入れたのにね? 暑くてそこまで考えが至らなかったわ」


 そうだね。冷房のガンガン効いた部屋でコスプレしたら最高よね。

 でも、私の部屋にあんなに盗み見しているメイドさんが大勢いたことにびっくりよ。もう一人で何もできないわ。


 「あ、ソフィアお姉様私の家にも取り付けてもらえませんか?」

 「いいわよ」

 「ねぇ、クーラーってなぁに?」

 「「「えっ?」」」

 「そんな、なんで知らないのみたいな反応されても困るのだけどぉ…」

 えぇ…。転生してクーラー知らない人いるの? 一体いつの時代から来たのかしら?


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