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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第4章

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28 もしかしたら祭りの可能性が…


           *      


 「女神様、本日はありがとうございました」

 私何もしていないけど。強いて言えば、濡れ衣を着せられたくらいかしら?

 勝手に周りが盛り上がってただけな気がするのよね。

 「明日以降は街で視察させていただきたいと思います」

 「あっ、はい…」


 これどうなるんだろう……。

 街で視察って見るようなところあるかしら? 教会の場所も知らないし、私が居なかったら街の人も普通だと思うんだけど…。

 何かしら見当がついてて来たんでしょうけど、無理矢理こじつけられたりしないかしら?

 カルト宗教、異端認定されて投獄打ち首エンドかしら? それとも生きたまま焼かれる方かしら?

 正直どっちも好ましくないのよね。

 ぶっちゃけ私無関係だと思うの。このまま何事も無く平穏無事に終わって欲しいんだけど、今までの流れからすると無理なんだろうなぁ…。まーた巻き込まれるのか…。やだなぁ…。

 そんな風に自分の世界に入っていたら、予想外の言葉を掛けられた。


 「またお伺いしますね」

 「えっ!」

 「アーサー様、そろそろ行きましょう」

 どういう事? と、聞く前に神官達がいそいそとアーサーを馬車に乗せて帰って行ってしまった。

 今日ここで会って終わりじゃないの?


 しかし、それにしても嵐のような時間だったわ。

 疑問は尽きないけれど、まずはうちの駄メイド達に話を聞くのが先よね。

 そう思って振り返ると同時に誰かに体を持ち上げられてしまった。


 「やっぱりクリスきゅんは女神様だったのね。認められて然るべきよね。こんなにかわいいんだもの」

 正直、つっこむ気力もおきない。

 そして、私をそっと地面に下ろしたアンさんは、跪き祈るポーズをとった。


 「女神様…どうか私の願いを聞いてください。私アン・ボルツ・カーボナードはクリスきゅんと末長く………」

 「はいはーい。そこまでよー」「ダメよー抜け駆けはー」「抜け駆けはクリス教会員規則十五条に違反してますね」「これはお仕置き案件だわ」「おら立てぇ!」


 会員規則とは…?

 アンさんが最後まで何を言おうとしていたのか分からないけど、大勢のメイドさんに羽交い締めにされ、どこかへ連れて行かれた。

 「待って! せめて最後まで言わせてぇっ!」

 最終的に胴上げのように高く上げられたまま連れて行かれた。


 もしかして、これって祭りの感覚でやってた?

 あ、だからみんな同じ衣装着ていたの?

 で、最後のアレがお神輿みたいな感じで………。

 ってそんな訳あるわけないでしょ!


 似通っている部分はあるし、うちの使用人一同お祭り騒ぎが好きだから、なんとなくそうかなと一瞬思ったけど、多分……。いや絶対に違うわね。

 まぁ、この騒ぎが今日限りだったらそうかもしれないけどね。


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