10 今日は無礼講
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パーティー会場に着くと、日が落ちたためか、大分過ごしやすくなっている。
庭には、沢山の料理とお菓子と飲み物がテーブルに並べてあった。
「クリス様が作ったのはどれですか?」
「んー、大体あの辺とあの辺かなぁ…」
「じゃ、ちょっと食べきってきますね」
返事する間もなく、真っ先に食べに行くメアリー。やっぱりメアリーはこうでなくっちゃ。
「まだまだ子供ですね」
黄金色の液体の入ったシャンパングラスを持ったロザリーが、メアリーを揶揄する。
風に揺れてパンツ丸見えな所を除けば、大人な女性に見える。
というか、いつそのグラスとったのよ。
「クリス様も子供ですから、どうぞこちらのジュースを」
「いや、私もそれがいいんだけど」
「まだ早いですよ。どうぞ」
オレンジジュースの入ったグラスを無理やりに渡される。まぁいいけどさ。
アリスとメタモもそれぞれジュースの入ったグラスを持ってチビチビ舐めるように飲んでいた。本当に猫みたいだな。
そういえばお姉様は…………、いたわ。いつの間にあんなに料理を山盛りしたんだろう。ここに来てまだ三分も経ってないわよ。リスみたいな顔して…。
呆れながら見ていると、私の前に誰かが立っているのに気がついた。
見上げると、瞳をハートマークにして、両手を両頬に当て、奇声を発するアンさん以下生徒会メンバー。
「きゃぁああああああああっ! なーんてかわいいのぉっ! ぐへへへへへっ……。ちっちゃい子が三人も」
「アン、落ち着きなさい。幾らなんでもはっちゃけすぎよ」
「そうだぞ。理性を抑えないと楽しめないぞ」
「………………」
暴走状態のアンさん。そのアンさんの手綱を握るキャロルさん。変態発言のクライブさん。無言のロブさん……。
ん? ロブさんもドレス着てるってことは、ロブさん女性だったのか。
よく見ると、胸のあたりにささやかな膨らみとかあるけど、パッドかな。
「ちょっと、クリスきゅん! 私を見てよぉおおおおっ!」
この人はもうダメだな。少し、サービスしようか。
軽くウインクしながら投げキッスしてあげた。
「「「「「「!!!!!!!」」」」」」
「クリスきゅんが私に…わだじにぃいいいいっ」
そのまま狂った笑顔のまま鼻血を吹き出し倒れてしまった。
その様子を見ながら、カーテシーをする。
「この子恐ろしいわ…」
「お、俺にもやってくれないか」
「……………よき……」
「なぁっ! クリス私にもして! というかしなさい!」
「そうよ。ほらほらっ!」
「どうぞ、ゆっくりしていってください。ほらロザリー…」
踵を返し、この場を去ろうとロザリーに声をかけるが…。
「そうですね……。ほーら……」
言われて勘違いしたロザリーがスカートをたくし上げ、自慢のパンツを見せびらかす。
「ちょっ!」
「なんてもの見せんのよ! 目が腐るわ。バカ!」
「大人のには興味ないんだが…」
「………ごくり………」
「バカ! ロザリーのバカ!」
「いや、これはこれで……」
ロザリーがバカやってる間に離れましょ。
アリスと違ってメタモはお姉様よりの思考してるのね。




