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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第4章

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07 メイド服は人をおかしくさせるらしい


 「手伝っていただいて、アレなんですけど、クリス様メイド服ホント似合いますね」

 「それって、私が可愛いってことでいいのかしら」

 「そうですよ」

 煽てられるのは嫌いじゃないからね。メイドさんたちとそんな他愛のない会話をしながら、廊下の掃除をしていたんだけど、見たことのないメイドさんがいた。


 「あらクリス。クリスも手伝っているの?」

 まさかのお母様。

 「えぇ、なりゆきで」

 「まぁ、いきなり人が大勢来ちゃったし、最近暑くて仕事とかも手抜きしてたから仕方ないわね。ところで、どうかしら」

 そう言いながら横に一回転するお母様。全円のスカートがふわりと揺れる。

 とても絵になっている。というか、まだ現役に見えるくらいだ。若い。


 「えぇ、とても綺麗ですね」

 「あらありがとー。と・こ・ろ・で、もう一人いるんだけどー」

 そう言いながら、窓を拭いていたツインテールの青髪のメイドさんの肩を掴んで引っ張ってくる。

 なるほど。お兄様もとても可愛らしい。

 普段からゴスロリ服を着ているから、メイド服が似合わないはずがないんだよなぁ…。


 「ぁ…、クリス…。ど、どうかな」

 どうって、そんなの聞かなくてもわかりますよね。

 グッと、サムズアップしてみせる。

 「めちゃくちゃ可愛いですよお兄様」

 「あう……」

 普段から女装してるのに、メイド服を着ただけで恥ずかしがるなんて、お兄様の感性がよくわからないわ。


 と、そんな風に親子で楽しんでたんだけど。

 「あ、会長こんなとこに…って、会長がメイドに!」

 あらら。アンさんに見つかってしまったようだ。これは自分も巻き添えを食らうかもしれないと、急いで天井に飛び、柱の陰に隠れる。

 「姿が見えないと思ったらこんなところで一人で楽しんでっ」

 「いや、楽しんでるんじゃなくて、みんなが来たから慌てて掃除を…」

 「いいからいいから。こんな会長をみんなに見せないなんて損ですからね。あ、メイドさんすいません。会長借りますね」

 「どうぞ〜」

 そのメイドさんが伯爵夫人だと気づかずに、お兄様の腕をとって無理やりに連れて行った。


 姿が見えなくなったところで、天井から降りる。

 「あの子、意外と鈍いのね。というかクリス最近逃げるの早いわね」

 「まぁ、捕まったらタダじゃすまなそうなので」

 「そうね」

 あ、否定しないんですね。

 でも、そう言ったお母様は何か怪しい顔つきをしていた。


 「あ、クリス様終わりました?」

 「え、あぁ、はい。終わりましたよ」

 「じゃあ、厨房の方手伝ってもらってもいいですか」

 なんか短期バイトに応募した感じだな。しかし、メイドさんも使えるものは使うって感じですね。多分こういうのうちだけなんだろうな。


 「あ、そこの新人さんは、次お庭の方いいですかー」

 「あらあら、新人さんだって。うふふ。そんなに若く見えるのかしらー」

 よっぽど嬉しかったのか、両頬に手を当ててくねくねしている。

 「遊んでないで、仕事してもらえるかしら」

 「………あっ、はい」

 うちのメイドさんにお母様だと気づかれないのは、流石に問題じゃないですかね? 

 もしかすると、気づいてて態とやってる可能性があるけど、どっちなんだろうね。


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