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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第4章

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01 プロローグ/今年の夏


 私の名前はクリス。クリスティーヌ・オパールレイン。

 前世の記憶を取り戻す前までは、この体の持ち主はクリストファーと名乗っていたのだけれど、いろいろあって、クリスティーヌと名乗っている。

 なぜなら、こんなにも可愛いんだもの。女の子の格好しないなんて勿体ないと思うの。前世の趣味と今世のルックスの良さで可愛い格好をしないなんて損だわ。

 そう思って、ドレスに袖を通して女の子として生活してきたのだ。


 でもそのせいで、誘拐されるわ、変な趣味の人達が集まってくるわ、挙句に王子様と婚約までさせれてしまうなんて。

 私はただ、平穏無事に女の子ライフを過ごしたいだけなのに、どうしてこうもトラブルに巻き込まれるのか本当に不思議だ。

 一番不思議なのは、うちの家が王家の暗部の一つだということ。

 普通の貴族だと思っていたのに。転生したら人生イージーモードだと思ったのに。

 王国を守るのが使命とか…。

 乾いた笑いしかでてこない。

 二つの意味で婚約者が無理だと分かったのだけれど、一向に婚約破棄が出来そうにない。一体どうしたらいいんだろうか。


           *      


 この世界に転生してから五回目の夏。

 私も十三歳になったのだが、年々、夏が暑くなっている気がする。

 前世の日本ほどじゃないけど、明らかに気温が上がっている気がする。

 こんなところまで似せなくてもいい気がするのよね。

 こんなに暑いと、シンプルなワンピースばっかり着ているが、それでも暑い。

 もう何も着ないでスッポンポンで過ごしたいくらいだが、それだと私の貞操が危ないので、そこは我慢して服を着ている。

 裸で屋敷を歩けばきっと、お姉様かメイドさん達に抱えられてどこか脱出できないような部屋に連れ込まれてしまうでしょうからね。


 正直、下着すら履きなくないくらいだけど、いつ覗かれるかわかったもんじゃないので、我慢して履いているのだけど、蒸れて暑い。

 男の子用のを履けと思うかもしれないが、女装が好きな男が下着だけ男物にするだろうか?

 中にはいるかもしれないが、私は断然女性物を履く。或いはノーパン派だ。

 しかし、心が揺らぎそうになるくらい今年の夏は暑い。

 夜まで寝苦しいなんて初めてだわ。

 ソフィアのところから扇風機を貰ったはいいけど、ぬるい風をかき混ぜているだけでちっとも涼しくない。

 これはクーラーを導入しないといけないのではないだろうか。


 そうそう。夜も寝苦しいといえば、今年からはメアリーに土下座して、夏の間だけ、寝るのを別にしてもらっている。

 何せ、メアリーは私の事を抱き枕と勘違いしている節があるので、メアリーに抱きつかれて寝ていると、暑くて息苦しくて、身動きも取れない。いつか熱中症になってしまうんじゃないかと思い、メアリーには自分の部屋で寝てもらいたいとお願いしたのだが、これが結構難航した。


 毎回好きか嫌いかの話になるので、全然話が進まない。

 最終的には、必ずメアリーと数時間一緒にいるという訳わかんない条件で了承してもらった。

 まぁ、最後まで不満を隠そうともしなかったのだが。

 それからは、毎晩快適に眠れている。もしかして、夜暑くて眠れなかったのはメアリーが原因だったのかもしれない。通気性ゼロだしね。

 あの扇風機でさえ、回していたら適度に涼しい風が入ってくるんだもの。

 パンツを履かず、メアリーに抱きつかれずに眠ることの解放感の素晴らしさよ。

 これで、夜だけは快適に過ごせるとそう思ってい眠りについたのだが、翌朝、体が妙に重いなと微睡の中感じた。

 また、メアリーが約束を破って乗っかったのかなと思って、薄っすらと目を開けたらそこには一番会いたくない奴らがいた。


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