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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第3章

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51 無事に終わるといいな


 その後、別の人達がやってきて一緒に配ったりしていた。

 「はーい。まだまだいっぱいあるからねー。おかわりもあるよー」

 そんな感じで配っていたんだけど……。


 「何で並んでるの?」

 「クリスが作ったって聞いて…」

 ソフィアが然もありなんといった顔で並んでいる。後ろには公爵も並んでる。親子揃って……。


 「あ、そうそう。連れてきたわよ、マーガレット」

 ぐいっと肩を掴んで前に連れてくる。大きい体の公爵に隠れて見えなかったようだ。

 「…………ども………」

 まぁ、弱ってるからそういう反応にもなるかな?

 そのまま受け取ってソフィアの横にいる。心なしかソフィアの顔ばっかり見ている気がする。心細いんだろうなぁ…。

 そんな様子を感じ取れないソフィアが早く早くとせがんでくる。


 「じゃあ、私ももらうわねー」

 「これが将来食べられるのか。楽しみだなぁ」

 「そうよお父様。期待してていいわ」

 ふーん。ソフィアが手料理を作って振る舞うのかな?


 無事に炊き出しも終わり、片づけをしていたら何処かに行っていたらしいお姉様が戻ってきた。

 「片付けが終わったら、あの子達をシェルホワイト男爵領まで送り届けるわよ」

 視線の先にはソフィアと公爵。それとマーガレットと何人か同世代くらいの女の子がいた。


 「え、もしかして、まだ帰れないんですか?」

 「んふふ。私と少しでも長くいたいのは分かるけど、頑張れば早く婚約解消(目的達成)出来るわよ」

 そういえば、ヒロインにレオナルドを一目惚れさせてくっつけるのが当初の目的だったっけ。随分と遠回りな事してたから忘れてたわ。


 しかし、マーガレットとはともかく、他の子達は何なんだろう。

 「お姉様、あの子達は?」

 「さぁ…。なんか仲のいい子達らしいわよ。離れるのが嫌みたいで」

 「へー……」

 「あ、それと、いろいろと話がまとまったんだけど……」


 お姉様がまた裏でいろいろやっていたようで、問題のあったこの教団と建物は暫く閉鎖するとの事。地方の教会でも何かやらかしているらしく、その問題を洗い出すのが目的らしい。

 それで、王都の教会にいる信者さんや孤児院の子供達をアンバーレイク領とオパールレイン領で引き受けるそうだ。

 あぁ、だから公爵が呼ばれたのか。


 ここ最近の教会の評判が悪いから、王都内で引き受ける場所も無いのもあるらしい。

 移動に関しては騎士団の方で対応してくれるそうだ。移動用の馬車とか荷馬車とか騎士団の方が融通出来そうだしね。

 「騎士団というと、リアムの父親のパジェロ将軍が来てるんですか? この前も大変な目にあってた気がしますけど…」

 最近は疲れた顔しか見てない気がする。やっぱ組織の上の方で出来る人は大変だなぁ、としみじみ考えていたら、すぐさまお姉様に訂正される。


 「いや、今回は第二と第五が来てるのよ」

 「第二と第五って何ですか?」

 「王都警備の第二騎士団と、兵站・輸送の第五騎士団よ。どっちもパジェロ将軍の親族が団長やっててね…。……確か、イオとピニンだったかしら」

 へー。一応ちゃんと分かれてるんだ。他に何があるのか気になるところだけど、それはまた今度聞けばいいか。

 しかし、リアムの家って結構凄いんだなと、改めて思った。


 「明日にはうちの領にも来るから、準備しないといけないんだけど、まぁ、うちの建物使えば余裕よね」

 確かに敷地内にあるね。孤児院が。みんな女の子の格好してるけど、新しく来る子にも強制とかしないよね? 何か自発的に来てるって話だけど、俄かには信じられないのよね。


 お姉様と話しながら片づけを終わらせたんだけど、お姉様全然手伝ってくれませんね。まぁ今更いいですけど。

 一緒に炊き出しをした人たちと握手を交わしながら、二、三会話をして別れた。

 ものすごく名残惜しそうに泣いてる人もいたけど、そんな泣くほどかなぁ…。

 あの人たちがちょっと大げさなだけだと思うの。


 後はソフィア達とシェルホワイト男爵領まで一緒に行くとのことで、お姉様とロザリーと三人で教会の広場入り口まで歩いていく。

 そこには馬車が二台止まっていて、馬車の前でソフィアと公爵。マーガレットと四人の女の子が待っていた。

 マーガレットはソフィアにべったりだ。どうしたんだろうね。

 残りの四人はどういった経緯で付いて行くことになったんだろう。まぁ、後でソフィアが教えてくれるんだろうから、今は聞かないでおこうかな。何か結構疲れているみたいだし。


 一台目の馬車にはソフィアと公爵。マーガレットと二人の女の子が。

 二台目の馬車には私とお姉様とロザリー。そして残りの二人の女の子が乗り込んだ。

 ゆっくり馬車が走り出す。今回は何事もなく無事に着くといいな。


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