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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第3章

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43 事後処理


           *      

 手を洗って戻ってくると、いつの間にかお兄様たち四人も降りてきていた。

 上を見ると、新たに四本ロープがぶら下がっているから、かぎ爪ロープを使って降りてきたんだな。

 そんなお兄様たちはキャロルさんとアンさんの前で正座して座っていた。


 「もっと他にやりようはあったのではないですか?」

 「返す言葉もございません」

 「そもそも、どうしてこんなに汚物に塗れているんですか?」

 「成り行きで…」

 「へぇー。ほぉー。あんなに堂々と指揮をしていたのにこの結果ですか。どうやったらこうなるんですかね?」

 「不徳の致すところでございます」

 「私は謝罪の言葉が聞きたいんじゃないですよ? どうしてこうなったかの過程を聞きたいんですよ」

 「えっと、まず、吊るされていまして……」

 「は?」


 アンさんが鬼気迫る感じでお兄様たちを問い詰めている。結構時間がかかりそうだ。

 原因となったロザリー()()は、退屈そうにあくびをしている。ホント猫みたいな人だな。自由気ままで罪悪感が全くない。黒い髪の毛に相まって黒猫みたいだ。


 そんなロザリーはアンさんとキャロルさんに呼ばれ、お兄様の横で正座させられている。

 どうして自分が正座させられているのか分かってないと表情が物語っている。

 あれは当分時間がかかるでしょうね。


 教皇の叫び声やら、説教の声で中で寝ている人たちが起きたりはしないんだろうか? 隠密行動とは一体何だったのか。これ、下手したら任務失敗レベルなんじゃないだろうか?


 群青色した夜空の地平線が薄っすらと水色に染まっていく。

 そんなに時間が経っていたのだろうか。水色は次第に橙色に染まっていく。

 「ふわぁ……」


 こんな時間まで起きていたら眠いのも当然よね。さっきまで気が張っていたから眠気も感じなかったけど。

 正直、眠気より食欲のがあるのよね。お昼から何にも食べてないし。

 ちらっと、お兄様たちの方を見るがまだ終わりそうにない。早くしてくれませんかね。


 そんな風に何回めかも分からないあくびをしていると、門の方から数台の馬車が入ってきた。

 敵か味方か分からないけど、誰も警戒してないって事は敵じゃないのよね。


 そんな時、一人の初老の男性がコツコツと靴音を鳴らして近づいてきた。

 その男性とは初めて会うのに、何故か以前にもあったような気がした。

 胸に左手を腹に当て右手は後ろに、紳士の礼をとった。

 「こんばんは、お嬢さん」

 お、お嬢さん…。なんて、なんて甘美な響きだろう。

 そして、このイケオジ。なんてカッコいいのでしょう。ちょっと胸がキュンキュンしちゃったわ。

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