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女装趣味の私が王子様の婚約者なんて無理です  作者: 玉名 くじら
第1章
1/484

01 プロローグ

初めまして。


読んでくださりありがとうございます。


初めての投稿ですが、よろしくお願いします。


 「クリスティーヌ・オパールレイン…。き、君との婚約は…、破棄するっ…」

 嗚咽を漏らしがらそう言ったのはこの国の王子、レオナルド・レッドグローリア・トリニティ・ダイアモンド。私の婚約者だ。

 今は私の通う学園の夏季休暇前の修了式後の自由参加のパーティ。

 そんな最中に彼は突如として言ってしまったものだから、皆思い思いに談笑に講じていた学園の生徒達は一様にこちら側に視線を向けた。

 皆、この後の展開に興味があるのだろうが、既にシナリオは決まっているのだ。どうせ面白いことなど何も起こらないのに。

 早く自由になりたいという気持ちが急いてしまって、食い気味に即答してしまう。

 「かしこまりましたわ。レオナルド様」

 と、私が了承の意を示すと、彼は絶望に染まった顔でその場に頽れる様に膝をついた。

 「どうして…。どうしてなんだクリスっ…!!」

 消え入りそうな声で呟くレオナルド。

 「こんなにも、君を愛していたのにっ…」

 そのまま涙ながらに蹲ってしまった。

 やめて、やーめーてー。

 これじゃあ私が悪者みたいじゃない。

 いや、全面的に私が悪いとは思うのよ? でももっと上手に事が運ぶと思っていた訳で、こんな泣きだすなんて想定外。

 ちょっと、レオナルドの友人共はポカーンとした顔で固まってんじゃないわよ。何か言うとかフォローするとかしないの?棒立ちじゃない。次代を担っていく面々が棒立ちってどうすんの?

 チラっと右の方を見て、目で合図する。

 忘れてたと言わんばかりに急いでレオナルドの元へ向かうヒロイン。

 「あぁ、かわいそうなレオナルド様っ…!」

 下手くそか。私に任せろと言ったのは貴女よね?棒読みもいいところじゃない。

 蹲るレオナルドに駆け寄り、甲斐甲斐しく背に手を回し心配する素振りを見せるが、レオナルドは彼女に一瞥もせず、絞り出す様にこう言った。

 「君が…、君が男だったなんて―――――」

 そう言ってレオナルドは人目も憚らずに泣き出してしまった。

 終わった―――――

 はい、打ち首お家取りつぶし。


 本当はこんなことしたくはなかったし、やるにしてももう少し上手く出来なかったのだろうかと軽くため息を吐いた後、天井を仰ぎ、事の始まりを思い出していた。



     *     *     *


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